下痢とは、水分を多く含む軟便・水様便を頻回に排出する状態のことです。目安は「便の水分が増える」「便が液状化する」「1日の便量が平均250gを超える」の3つ。国家試験では急性/慢性の期間の区切りと、浸透圧性・滲出性・分泌性・腸管運動異常という4つの発生機序、そして食中毒起因菌の潜伏期間が繰り返し問われます。
| 読み方 | げり |
|---|---|
| 定義 | 水分を多く含む軟便・水様便を頻回に排出する状態 |
| 目安 | 便の水分増加/便の液状化/1日便量が平均250gを超える |
| 分類 | 急性下痢(多くは1〜2週間以内)/慢性下痢(成人3週間以上・乳児4週間以上) |
| 発生機序 | 浸透圧性・滲出性・分泌性・腸管運動異常の4つ |
| 主な原因 | 感染症、薬剤、食事、術後、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、消化吸収不良疾患、ホルモン産生腫瘍、全身性疾患 |
| 随伴症状 | 水分の多い便、頻回の排便、腹痛、発熱、脱水 |
| 検査 | 便検査・血液検査・消化管内視鏡検査 |
| 治療 | 原因疾患に応じた治療+水分補給・電解質補給(必要に応じて止痢薬) |
下痢とは、水分を多く含む軟便・水様便を頻回に排出する状態を指します。単に「便が柔らかい」だけでなく、次の条件に当てはまる場合に下痢とされます。
「便量250g超え」という数値は国家試験で問われやすいので、そのまま覚えておきましょう。本質は「水分が多すぎて腸が吸収しきれない状態」です。
下痢は経過の長さで急性と慢性に分けます。急性=急に起こる、慢性=長く続く、と押さえたうえで、期間の数字を正確に覚えるのがポイントです。
| 急性下痢 | 慢性下痢 | |
|---|---|---|
| 発症 | 急に発症する | 軟便が長く続く |
| 期間 | 多くは1〜2週間以内 | 成人:3週間以上/乳児:4週間以上 |
| 特徴 | 腹痛を伴うことが多い/1日4回以上の排便もみられる | 持続性で原因疾患の検索が必要 |
下痢は腸管内の水分が増えることで生じます。その機序は次の4つに整理されます。覚え方は「しん・しん・ぶん・うん」(浸透圧性・滲出性・分泌性・運動異常)。
| 機序 | メカニズム | 代表例 |
|---|---|---|
| 浸透圧性下痢 | 腸管内の浸透圧が上昇し、水分が腸管内へ引き込まれる | 消化されにくい糖質、マグネシウム製剤、ソルビトール |
| 滲出性下痢 | 腸粘膜の炎症で透過性が亢進し、滲出液が腸管内へ出る | 感染性腸炎、炎症性腸疾患 |
| 分泌性下痢 | 腸液の分泌が過剰になる | ホルモン産生腫瘍、細菌毒素、胆汁酸の分泌異常 |
| 腸管運動異常 | 運動が速すぎると吸収不足、逆に低下でも腸内細菌増加で下痢 | 過敏性腸症候群、糖尿病、甲状腺機能亢進症、全身性硬化症 |
下痢の原因は多岐にわたります。国試で特に重要なのは感染性腸炎・過敏性腸症候群・炎症性腸疾患・消化吸収不良の4つです。
下痢でよくみられる症状は①水分の多い便 ②頻回の排便 ③腹痛 ④発熱 ⑤脱水です。とくに急性下痢で発熱や強い腹痛を伴う場合は食中毒・感染症を強く疑います。食中毒は原因菌と潜伏期間をセットで覚えましょう。
| 原因菌 | 潜伏期間 |
|---|---|
| コレラ菌 | 24〜72時間 |
| 赤痢菌 | 24〜72時間 |
| サルモネラ菌 | 12〜36時間 |
| 大腸菌 | 24〜72時間 |
| ブドウ球菌 | 4〜8時間(最も短い) |
下痢は原因を調べるために次の検査を行います。
治療は原因疾患に応じて行うのが原則です。そのうえで、下痢が続くと脱水になりやすいため、水や経口補水液(ORS)による水分補給、スポーツドリンクや点滴による電解質補給を行い、症状や原因に応じて止痢薬を使用します。