口渇(こうかつ)とは、水分を飲みたいと強く感じる状態のことです。口腔粘膜の乾燥や唾液分泌の低下による「口の中が乾く感じ=口腔内乾燥感」として訴えられることもあります。国試では血漿浸透圧の上昇・循環血液量の減少 → 視床下部の口渇中枢が刺激されるという病態生理と、最も多い原因が糖尿病である点が繰り返し問われます。
| 読み方 | こうかつ |
|---|---|
| 定義 | 水分を飲みたいと強く感じる状態。口腔内乾燥感として訴えられることもある |
| 分野 | 臨床医学総論(主訴・症候) |
| 中枢 | 視床下部の口渇中枢 |
| 発生機序 | 血漿浸透圧の上昇、または循環血液量の減少 |
| 最も多い原因 | 糖尿病(高血糖による浸透圧利尿) |
| その他の原因 | 脱水(発熱・発汗・嘔吐・下痢)、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変 |
| 口腔内乾燥感の原因 | 口呼吸、薬物による唾液分泌低下、シェーグレン症候群 |
| 主な症状 | のどが渇く、口が渇く |
| 検査 | 尿検査、血液検査、血液生化学検査 |
| 治療 | 水分補給+原因疾患に応じた治療(糖尿病なら食事・運動・経口薬・インスリン) |
口渇とは、水分を飲みたいと強く感じる状態のことをいいます。単なる「のどの渇き」だけでなく、口腔粘膜の乾燥や唾液分泌の低下によって口の中が乾く感じ(口腔内乾燥感)として訴えられる場合もあり、両者は原因が異なるため区別して考えます。
国試では「口渇=水を飲みたいと欲求する状態」という定義がそのまま問われることがあります。
口渇は、血漿浸透圧の上昇または循環血液量の減少によって、視床下部の口渇中枢が刺激されることで起こります。「血が濃くなる」「血液の量が減る」という2つのルートを押さえるのが最短の理解です。
「口渇中枢はどこにあるか」は頻出です。答えは視床下部です。
| きっかけ | 体で起きていること | 代表例 |
|---|---|---|
| 血漿浸透圧の上昇 | 血液が濃くなり細胞内から水が引き出される | 高血糖(糖尿病)、高ナトリウム血症 |
| 循環血液量の減少 | 血液量そのものが減り有効循環血漿量が低下 | 脱水、出血、心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変 |
| 唾液分泌の低下 | 口腔粘膜が乾燥し不快感が生じる | シェーグレン症候群、薬物、口呼吸 |
口渇の原因で最も多いのは糖尿病です。そのほか発熱・発汗・嘔吐・下痢などによる脱水、循環血液量が減少するうっ血性心不全・ネフローゼ症候群・肝硬変でも口渇を訴えます。口腔内乾燥感としての訴えでは口呼吸・薬物による唾液分泌低下・シェーグレン症候群が原因となります。
| 分類 | 代表疾患・要因 | メカニズム |
|---|---|---|
| 最も多い原因 | 糖尿病 | 高血糖による浸透圧利尿で体内の水分が失われる |
| 脱水 | 発熱・発汗・嘔吐・下痢 | 体液の喪失により水分不足となる |
| 循環血液量の減少 | うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変 | 有効循環血漿量が減少し口渇を訴える |
| 口腔内乾燥感 | 口呼吸、薬物による唾液分泌低下、シェーグレン症候群 | 唾液分泌低下や蒸発亢進で口腔内が乾き不快感が生じる |
主な症状はのどが渇く・口が渇くことです。訴えは似ていても、随伴症状から原因のあたりをつけることができます。
意識障害や著しい脱水を伴う口渇は、高血糖緊急症など緊急性の高い病態が隠れていることがあり、速やかな医療機関受診が必要です。
原因疾患を調べるために各種検査を行います。目的は口渇の原因となる疾患を見つけることです。
尿糖・血糖なら糖尿病、尿蛋白なら腎疾患、肝機能異常なら肝硬変、というように検査所見から原因を絞り込みます。
治療は必要に応じた水分補給と、原因疾患が確定した場合はその原因に応じた治療が基本です。糖尿病であれば食事療法・運動療法・経口薬・インスリンなどで治療します。
一発暗記:口渇は「血が濃い・水が少ない・糖尿病でのどが渇く」サイン。国試では視床下部+血漿浸透圧上昇+循環血液量減少+糖尿病のセットで覚えると強いです。