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浮腫(むくみ)の定義・病態生理・原因疾患・鑑別・検査ふしゅ

浮腫(ふしゅ)とは細胞外液(組織間液)が増加した状態で、下腿に多く、脛骨前面を押すと圧痕が残るのが臨床上の特徴です。国試では「圧・浸透圧・透過性・リンパ」の4つの機序と、全身性/局所性の分類、原因疾患をセットで問われます。進行すると腹水・胸水が貯留する点も重要です。

浮腫|浮腫 1
読み方ふしゅ(浮腫)/一般には「むくみ」
定義細胞外液(組織間液)が増加した状態
好発部位・所見下腿に多い。脛骨前面を押すと圧痕が残る
病態生理(4機序)①毛細血管圧の上昇 ②血漿(膠質)浸透圧の低下 ③毛細血管透過性の亢進 ④リンパ管の閉塞
分類全身性浮腫(心原性・肝性・腎性・内分泌性・薬物性・低栄養性・妊娠・特発性)/局所性浮腫(リンパ性・静脈性・動脈瘤・血管神経性・炎症アレルギー性)
随伴症状腫れぼったさ、進行すると腹水・胸水の貯留
主な検査尿検査・血液検査・血液生化学検査+心電図・胸部X線・心臓エコー
治療安静、利尿薬、塩分・水分制限、原因疾患の治療

浮腫(ふしゅ)とは?定義と圧痕の見かた

浮腫とは細胞外液(組織間液)が増加して起こる状態をいいます。血管内から組織へ水分が過剰に移動した結果、皮下組織に水が貯まって「腫れぼったい」外観になります。

圧痕を残す圧痕性浮腫が典型ですが、甲状腺機能低下症の粘液水腫のように圧痕を残しにくいタイプもあるため、原因疾患とセットで整理しましょう。

浮腫の定義:細胞外液(組織間液)の増加で起こり、脛骨前面を押すと圧痕が残る
浮腫の定義:細胞外液(組織間液)の増加で起こり、脛骨前面を押すと圧痕が残る

浮腫の臨床症状 ― 腹水・胸水は進行のサイン

浮腫は「足のむくみ」だけで終わりません。体液貯留が全身に及ぶと体腔内にも水が貯まります

国試では「浮腫が進行したサイン=腹水・胸水」というつながりが狙われます。

浮腫の臨床症状:むくみに加え、進行すると腹水・胸水が貯留する
浮腫の臨床症状:むくみに加え、進行すると腹水・胸水が貯留する

病態生理 ― 浮腫が起こる4つの機序

毛細血管では動脈圧・毛細血管圧・静脈圧・膠質浸透圧のバランスで水分が出入りしています。このバランスが崩れて組織間液が過剰になると浮腫が生じます。覚え方は「圧・浸透圧・透過性・リンパ」の4つです。

機序何が起こるか代表的な原因
① 毛細血管圧の上昇血管内の圧が高く水が押し出される心不全・腎不全・静脈閉塞
② 血漿(膠質)浸透圧の低下血漿アルブミン低下で水を保持できないネフローゼ症候群・肝硬変・低栄養
③ 毛細血管透過性の亢進血管壁の隙間から水・蛋白が漏れる熱傷・外傷・炎症・アレルギー
④ リンパ管の閉塞組織液の回収路が詰まる癌のリンパ節転移・象皮病
浮腫の病態生理:毛細血管圧・膠質浸透圧・透過性・リンパの4機序
浮腫の病態生理:毛細血管圧・膠質浸透圧・透過性・リンパの4機序

全身性浮腫の原因疾患を分類で覚える

全身性浮腫は原因臓器・原因別に8つに整理すると暗記しやすくなります。「どの機序で浮腫が出るか」まで紐づけて覚えるのがコツです。

分類代表疾患・原因主な機序
① 心原性うっ血性心不全毛細血管圧の上昇
② 肝性肝硬変血漿アルブミン低下(膠質浸透圧↓)
③ 腎性糸球体腎炎・ネフローゼ症候群・腎不全蛋白喪失/Na・水貯留
④ 内分泌性甲状腺機能低下症・月経前浮腫・インスリン浮腫ホルモン性の水Na貯留
⑤ 薬物性女性ホルモン・経口避妊薬・血管拡張薬・抗炎症薬Na貯留・血管拡張
⑥ 低栄養性飢餓・蛋白漏出性胃腸症・脚気血漿アルブミン低下
⑦ 妊娠正常妊娠・妊娠高血圧症候群静脈還流障害・血管透過性
⑧ 特発性浮腫原因不明(若年〜中年女性に多い)不明
浮腫の原因疾患まとめ:心原性・肝性・腎性・内分泌性・薬物性・低栄養性・妊娠・特発性
浮腫の原因疾患まとめ:心原性・肝性・腎性・内分泌性・薬物性・低栄養性・妊娠・特発性

局所性浮腫の鑑別 ― 片側性なら局所の異常を疑う

片側だけ、あるいは体の一部だけがむくむ場合は局所性浮腫を考えます。全身性と違い、その部位の静脈・リンパ・血管透過性の異常が原因です。

とくに下肢の片側性の腫脹+疼痛は静脈血栓症を、顔面・口唇の急な腫脹はクインケ浮腫(喉頭浮腫による窒息に注意)を想起します。

局所性浮腫:リンパ性・静脈性・動脈瘤・血管神経性・炎症アレルギー性の5分類
局所性浮腫:リンパ性・静脈性・動脈瘤・血管神経性・炎症アレルギー性の5分類

浮腫の検査と治療

浮腫の診療は「原因を特定すること」が最優先です。基本の検体検査に加え、心臓の評価を組み合わせます。

治療は原因に応じて次の4本柱で行います。

浮腫の検査:尿・血液・血液生化学検査+心電図・胸部X線・心臓エコー
浮腫の検査:尿・血液・血液生化学検査+心電図・胸部X線・心臓エコー

国家試験ポイントまとめ

浮腫は「組織間液の増加・分類・原因」をセットで覚えるのが最短ルートです。

浮腫の国家試験ポイント6項目まとめ
浮腫の国家試験ポイント6項目まとめ
国試ポイント
① 浮腫の定義は「細胞外液(組織間液)の増加」。下腿に多く、脛骨前面を押すと圧痕が残る。
② 病態生理は4つ=①毛細血管圧の上昇 ②血漿膠質浸透圧の低下 ③毛細血管透過性の亢進 ④リンパ管の閉塞。
③ 血漿アルブミン低下による浮腫の代表はネフローゼ症候群・肝硬変・低栄養(飢餓・蛋白漏出性胃腸症・脚気)。
④ 心不全(うっ血性心不全)の浮腫の機序は毛細血管圧の上昇。腎不全・静脈閉塞も同じ機序。
⑤ クインケ浮腫=血管神経性浮腫で局所性浮腫に分類され、遺伝性のものがある。
⑥ 局所性浮腫はリンパ性(象皮病・悪性腫瘍のリンパ節転移)・静脈性(静脈瘤・上大静脈症候群・静脈血栓症)などで整理する。
・ 浮腫が進行すると腹水・胸水が貯留する=重症化のサイン。
・ 検査は尿・血液・血液生化学検査に加え、心電図・胸部X線・心臓エコーで心疾患を評価する。
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