膝関節は大腿骨・膝蓋骨・脛骨で構成される人体最大の関節で、体重支持・歩行・立ち上がりを支えます。国試では半月の形(内側=C字状/外側=ほぼ円形)、十字靭帯は関節包内・滑膜外、生理的外反角5〜10度、腓骨頭は膝関節腔と交通しないといった細部が繰り返し狙われます。ここでは骨→アライメント→半月→靭帯→運動の順に整理します。
| 読み方 | しつかんせつのこうぞう |
|---|---|
| 分類 | 滑膜性関節・蝶番関節(らせん関節。ころがり+すべりを伴う) |
| 構成骨 | 大腿骨・膝蓋骨・脛骨(腓骨は上脛腓関節をつくるが膝関節腔とは交通しない) |
| 関節内構造 | 内側半月・外側半月(線維軟骨)、前十字靭帯・後十字靭帯(関節包内・滑膜外) |
| 主な靭帯 | 内側側副靭帯(内側半月と結合)・外側側副靭帯・膝蓋靭帯 |
| アライメント | 大腿骨軸と脛骨軸のなす生理的外反角5〜10度/荷重線は膝関節中央を通る |
| 主な機能 | 体重支持・歩行・立ち上がり、半月による荷重分散と衝撃吸収、関節適合性の向上 |
| 国試での狙われ方 | 半月の形と厚み、十字靭帯の位置関係、外反膝/内反膝と荷重線のずれ、腓骨頭と関節腔の非交通 |
膝関節は大腿骨・膝蓋骨・脛骨の3骨で構成されます。腓骨は膝関節そのものには参加せず、脛骨との間に上脛腓関節をつくるだけで、膝関節腔とは交通しません。ここは選択肢のひっかけとして頻出です。
| 部位 | 主なランドマーク | 臨床・国試メモ |
|---|---|---|
| 大腿骨遠位端 | 内側顆・外側顆/内側上顆・外側上顆/内転筋結節/顆間窩 | 側副靭帯・十字靭帯の付着部。内転筋結節は大内転筋の停止 |
| 膝蓋骨 | 大腿四頭筋腱内の種子骨、膝蓋靭帯へ連続 | 伸展機構のてこを大きくし、力の伝達を助ける |
| 脛骨近位端 | 関節面(内側顆・外側顆)/顆間隆起/脛骨粗面 | 脛骨粗面は膝蓋靭帯の付着部=オスグッド病の好発部 |
| 腓骨頭 | 上脛腓関節を形成 | 膝関節腔とは交通しない。総腓骨神経の絞扼部位 |
正面から見ると大腿骨の機械的軸と脛骨の機械的軸は一直線ではなく、わずかに角度をつくります。これが生理的外反角=5〜10度です。正常では荷重線が膝関節の中央を通ります。
この軸が崩れると荷重が片側に集中し、変形性膝関節症の進行につながります。日本人では内反膝(O脚)が多く、内側の関節裂隙が狭小化しやすい点が臨床でも重要です。
| アライメント | 形態 | 荷重線の位置 | 負担が増える部位 |
|---|---|---|---|
| 正常 | 外反角5〜10度 | 膝関節中央を通る | 内外側にほぼ均等 |
| 外反膝(X脚) | 膝が内側に寄る | 内側にずれる | 外側の関節面 |
| 内反膝(O脚) | 膝が外側に寄る | 外側にずれる | 内側の関節面(日本人に多い) |
半月は大腿骨と脛骨の関節面の間にある線維軟骨で、外縁が厚く内縁が薄いくさび形をしています。この形が大腿骨顆と脛骨関節面の適合性を高め、荷重分散と衝撃吸収を行います。
| 項目 | 内側半月 | 外側半月 |
|---|---|---|
| 形 | C字状 | ほぼ円形(O字に近い) |
| 組織 | 線維軟骨(外縁が厚く内縁が薄い) | 線維軟骨(外縁が厚く内縁が薄い) |
| 側副靭帯との関係 | 内側側副靭帯と結合する | 外側側副靭帯とは結合しない |
| 可動性 | 小さい(固定されている) | 大きい |
| 損傷しやすさ | 損傷しやすい | 内側に比べ損傷しにくい |
「外側半月はほぼ円形、内側半月はC字状」という形の違いは、単なる暗記事項ではなく可動性と損傷のされやすさに直結します。
膝の安定性は靭帯によって保たれます。中心的な安定機構が前十字靭帯(ACL)・後十字靭帯(PCL)で、互いに交叉して走行し前後方向の安定性を担います。位置関係は関節包内・滑膜外で、これは選択肢でよく問われます。
| 靭帯 | 走行・位置 | 制動する動き | 損傷時の徴候 |
|---|---|---|---|
| 前十字靭帯(ACL) | 関節包内・滑膜外、後十字靭帯と交叉 | 脛骨の前方移動 | 前方引き出し徴候、ラックマンテスト |
| 後十字靭帯(PCL) | 関節包内・滑膜外 | 脛骨の後方移動 | 後方引き出し徴候、サギング |
| 内側側副靭帯 | 大腿骨内側上顆〜脛骨内側、内側半月と結合 | 外反(外反ストレス) | 外反動揺性、内側関節裂隙の圧痛 |
| 外側側副靭帯 | 大腿骨外側上顆〜腓骨頭 | 内反(内反ストレス) | 内反動揺性 |
| 膝蓋靭帯 | 膝蓋骨下端〜脛骨粗面 | 伸展力の伝達 | 脛骨粗面の圧痛(オスグッド病) |
膝関節は単純な1軸の蝶番関節ではなく、屈伸に伴ってころがり(回転)とすべり(移動)を組み合わせて動きます。大腿骨顆が脛骨上を転がりながら、同時に前後へすべることで、限られた関節面の中で大きな可動域を確保しています。
また屈曲位では脛骨の回旋が可能になり、完全伸展の最終域では終末回旋運動(スクリューホーム運動)により脛骨が外旋して膝がロックされ、安定した立位が保てます。
| 運動 | 内容 | 可動域の目安 |
|---|---|---|
| 屈曲 | 大腿骨顆のころがり+すべり | 約130〜135度 |
| 伸展 | 終末域で終末回旋運動(脛骨外旋)によりロック | 0度(軽度の過伸展あり) |
| 回旋 | 屈曲位でのみ可能。伸展位では行えない | 内旋約10度/外旋約20度(屈曲位) |