アフロの手アフロの手

排尿障害の分類・原因・臨床症状・検査はいにょうしょうがい

排尿障害とは、膀胱に尿を貯留し、排泄する機能が障害された状態のことです。国試では「出せない=尿排出障害(排尿困難・残尿・尿閉)」と「もれる=蓄尿障害(尿失禁)」の2つに分けて、原因・症状・治療がちょうど逆になることを押さえるのが最大のコツ。ここでは分類から原因・臨床症状・検査・治療までを一気に整理します。

排尿障害|排尿障害 1
読み方はいにょうしょうがい
定義膀胱に尿を貯留し、排泄する機能が障害された状態
分類①尿排出障害(出せない)/②蓄尿障害(もれる)
主な原因前立腺肥大・前立腺癌・尿道狭窄・子宮脱・膀胱瘤・糖尿病・骨盤内手術後・神経因性膀胱・下部尿路炎症・中枢神経障害
主な症状排尿困難・残尿・尿閉(排出障害)/尿意切迫感・尿失禁(蓄尿障害)
鑑別・注意男性の排出障害は前立腺肥大・前立腺癌が最多。神経因性膀胱は排出・蓄尿の両方を起こしうる。腹圧性尿失禁は神経障害のない患者にみられる
検査尿検査・腹部X線・超音波・CT(基本)/残尿測定・尿流量測定(蓄尿障害・機能評価)
治療排出障害=排尿筋収縮薬+尿道括約筋弛緩薬/蓄尿障害=排尿筋弛緩薬+尿道括約筋収縮薬/効果不十分なら手術

排尿障害とは?定義と「ためる・出す」の2つの機能

排尿障害とは、膀胱に尿を貯留(ためる)し、排泄(出す)する機能が障害された状態を指します。正常であれば「尿をためる → 尿を出す → スッキリ」という流れですが、排尿障害ではこの流れのどこかが崩れます。

ポイントは、排尿障害が「ためる」機能と「出す」機能の両方の障害を含む広い概念だということ。国試では、症状名だけを見て「これは出せない側か、もれる側か」を即答できるようにしておきましょう。

排尿障害の定義。膀胱の“ためる”+“出す”機能障害がポイント
排尿障害の定義。膀胱の“ためる”+“出す”機能障害がポイント

病態生理:尿排出障害と蓄尿障害

排尿障害は病態生理から大きく2つに分けられます。排出障害=出せない、蓄尿障害=もれると覚えるのが最短ルートです。

分類背景となる病態おこる症状
①尿排出障害下部尿路閉塞(例:前立腺肥大)や排尿筋機能障害(筋力の低下)排尿困難(出にくい)・残尿(尿が残る)・尿閉(出せない)
②蓄尿障害下部尿路炎症(膀胱炎など)や神経障害(膀胱の過活動)尿意切迫感(急に我慢できない)・尿失禁(もれてしまう)
病態生理。排出障害=出せない/蓄尿障害=もれる
病態生理。排出障害=出せない/蓄尿障害=もれる

分類と原因:男性・女性・共通で整理する

原因は性別によって典型例が異なります。とくに男性の尿排出障害は前立腺疾患が中心、女性は骨盤底・骨盤内臓器の下垂が中心と押さえておくと得点源になります。

区分主な原因
尿排出障害・男性前立腺肥大、前立腺癌(男性では最多)、尿道狭窄
尿排出障害・女性外尿道口狭窄、子宮脱、膀胱瘤
尿排出障害・共通糖尿病、骨盤内手術後、神経因性膀胱
蓄尿障害下部尿路炎症(膀胱炎など)、中枢神経障害、神経因性膀胱
分類と原因・臨床症状。男性/女性/共通で原因を整理
分類と原因・臨床症状。男性/女性/共通で原因を整理

臨床症状:どんな症状がみられる?

症状を見た瞬間にどちらの障害かを判断できるようにしておきます。

腹圧性尿失禁は、くしゃみ・咳・笑い・ジャンプなど腹圧が上昇したときに尿が漏れるもので、神経障害のない患者にみられるのが特徴です。ここは国試頻出の引っかけポイントです。

臨床症状。出せない=尿排出障害/もれる=蓄尿障害
臨床症状。出せない=尿排出障害/もれる=蓄尿障害

検査:基本検査と機能評価の使い分け

検査は「原因を探す基本検査」と「機能を評価する検査」に分けて覚えます。

区分検査目的
基本の検査尿検査感染・血尿など尿の性状を確認
基本の検査腹部X線結石など尿路の状態を確認
基本の検査超音波(エコー)膀胱・前立腺・腎の形態を確認
基本の検査CT詳細な尿路・骨盤内の評価
蓄尿障害が疑われるとき残尿測定(超音波検査)排尿後に膀胱に残っている尿量を測定
蓄尿障害が疑われるとき尿流量測定(ウロフロメトリー)1回の排尿の流量を測定しグラフ化
検査。基本=尿検査・画像検査/蓄尿障害疑い=残尿測定・尿流量測定
検査。基本=尿検査・画像検査/蓄尿障害疑い=残尿測定・尿流量測定

治療:薬は「収縮・弛緩」が逆になる

治療薬は、排出障害と蓄尿障害で作用が正反対になります。ここを混同しないことが最大のポイントです。

「出せない → 膀胱を締めて出口をゆるめる」「もれる → 膀胱をゆるめて出口を締める」とイメージで結びつけると、暗記せずに導けます。

治療。出せない→収縮・弛緩/もれる→弛緩・収縮/効果不十分→手術
治療。出せない→収縮・弛緩/もれる→弛緩・収縮/効果不十分→手術

国試ポイントまとめ

試験直前に確認したい要点はこの5つです。

国試ポイント。出せない=尿排出障害 ⇔ もれる=蓄尿障害
国試ポイント。出せない=尿排出障害 ⇔ もれる=蓄尿障害
国試ポイント
① 排尿障害=膀胱に尿を貯留し排泄する機能の障害。「出せない=尿排出障害」「もれる=蓄尿障害」に大別する。
② 尿排出障害の症状は排尿困難・残尿・尿閉。蓄尿障害の症状は尿意切迫感・尿失禁。
③ 男性の尿排出障害の原因は前立腺肥大・前立腺癌が最多。女性は子宮脱・膀胱瘤・外尿道口狭窄。
④ 神経因性膀胱は尿排出障害と蓄尿障害の両方を起こしうる(共通の原因として頻出)。
⑤ 腹圧性尿失禁は咳・くしゃみ・笑い・ジャンプなど腹圧上昇で漏れ、神経障害のない患者にみられる。
⑥ 蓄尿障害が疑われるときの検査は残尿測定(超音波)と尿流量測定(ウロフロメトリー)。
・ 治療薬は逆。排出障害=排尿筋収縮薬+尿道括約筋弛緩薬、蓄尿障害=排尿筋弛緩薬+尿道括約筋収縮薬、効果不十分なら手術。
📖 排尿障害をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習