肺結核は、結核菌を吸い込むことで肺に感染が起こる病気です。免疫が正常であれば発病率は約10%以下とされますが、高齢者や免疫低下者では再発・発病のリスクが上がります。この記事では肺結核の病態から症状・診断・治療、潜在性結核感染症や耐性菌まで、国試対策のポイントを整理して解説します。
| 読み方 | はいけっかく |
|---|---|
| 分類 | 抗酸菌感染症(結核菌による肺の感染症)。一次結核症と二次結核症に分けられる |
| 原因菌 | 結核菌(Mycobacterium tuberculosis) |
| 感染経路 | 空気感染(飛沫核感染)。咳・痰中の結核菌が乾燥して小さな粒子となり、それを吸い込んで感染する |
| 発病率 | 免疫が正常なら発病率は約10%以下 |
| 主な症状 | 長引く咳・喀痰・微熱・盗汗(寝汗)・血痰・倦怠感。初期ははっきりした症状が少ない |
| 主な検査・診断 | 胸部X線(浸潤影)・喀痰検査・PCR法/MTD法・ツベルクリン反応・IGRA検査(クォンティフェロン・Tスポットなど) |
| 治療 | 抗結核薬(INH・RFP・EB・PZAなど)の多剤併用療法。標準治療は6〜9か月間継続 |
| 関連する概念 | 潜在性結核感染症(感染はあるが発病なし)、多剤耐性結核菌(MDR-TB)、超多剤耐性結核菌(XDR-TB) |
肺結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を吸い込むことで感染する肺の感染症です。免疫が正常であれば、感染しても実際に発病するのは約10%以下とされています。
結核菌は感染している人の咳・痰とともに空気中へ出て乾燥し、小さな粒子(飛沫核)となって空気中を漂います。これを吸い込むことで肺に病変ができる空気感染(飛沫核感染)が主な感染経路です(咳・痰→乾燥して粒子化→吸入→肺に病変、という流れ)。
肺結核は初期にはっきりした症状が少ないことが多く、発見が遅れやすい疾患です。特に2週間以上続く咳や痰、微熱、だるさがある場合は結核を疑うことが大切です。
放置すると重症化したり、他の人にうつす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
肺結核の診断では、画像検査・細菌学的検査・免疫学的検査を組み合わせて総合的に判断します。早期発見が大切です。
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 胸部X線 | 肺野の浸潤影を確認する |
| 喀痰検査 | 結核菌の有無を直接確認する |
| PCR法・MTD法 | 結核菌のDNA/RNAを検出する |
| ツベルクリン反応 | PPD(精製ツベルクリン)を皮内注射し、48時間後に発赤・硬結の有無を判定する。BCG接種を受けた人でも陽性になることがある点に注意 |
| IGRA検査(QFT・Tスポットなど) | 結核菌に特異的な血液検査。BCG接種の影響を受けにくい |
結核菌はしぶとく、1種類の薬だけでは死滅しません。そのため複数の抗結核薬を組み合わせる多剤併用療法が基本です。代表的な薬はINH(イソニアジド)・RFP(リファンピシン)・EB(エタンブトール)・PZA(ピラジナミド)です。
| 治療パターン | 内容 |
|---|---|
| 標準治療(基本の治療法) | 導入期2か月:INH・RFP・EB・PZA → 継続期4か月:INH・RFP(計6か月間) |
| 薬剤感受性菌の場合の治療法 | 導入期2か月:INH・RFP・EB → 継続期7か月:INH・RFP(計9か月間) |
治療を正しく最後まで続ければ、治療終了後の再発率は約2〜5%と低く抑えられます。再発の多くは治療終了後2年以内に起こりやすいとされ、AIDSや糖尿病など免疫低下を伴う基礎疾患があると再発率は高くなります。
潜在性結核感染症とは、結核菌に感染しているものの発病していない状態です。症状はなく胸部X線でも異常はありませんが、体内に結核菌が潜んでおり、生涯で約5〜10%が将来発病する可能性があります。他の人にうつすことはほとんどありませんが、標準的な治療としてイソニアジド(INH)単剤を6か月服用します。