このページは西洋医学の疾患として、ギラン・バレー症候群=先行感染後に急性・上行性に進行する運動優位の末梢神経障害を解説します。病態の中心は末梢神経の炎症と脱髄で、左右対称の弛緩性麻痺・腱反射の低下消失、髄液の蛋白細胞解離が診断の決め手です。定義・原因・症状・検査・治療・予後を、スライドに沿って整理します。
| 読み方 | ぎらんばれーしょうこうぐん |
|---|---|
| 定義 | 急性・亜急性に進行する、運動優位の末梢神経障害(末梢神経に生じる炎症と脱髄が病態の中心) |
| 原因・病態 | 先行感染をきっかけとした免疫の異常反応。病理学的には単核球浸潤と脱髄がみられ、神経根を含む末梢神経が多発性に障害される |
| 罹患率・好発 | 比較的まれな神経疾患。人口10万人あたり約1.5〜2人。年齢や性別を問わず発症しうる |
| 先行感染 | 発症前に感染症が多い。呼吸器感染(風邪・のどの痛み・せき)、消化器感染(下痢・腹痛・嘔吐) |
| 主な症状 | 左右対称に現れる四肢の筋力低下、歩行困難・立ち上がり困難(上行性)、腱反射の低下・消失 |
| 検査・診断 | 髄液検査=蛋白細胞解離(タンパク上昇・細胞数増加なし)、末梢神経伝導検査=伝導速度の低下・伝導ブロック |
| 治療 | 免疫グロブリン大量療法(IVIg)・血漿交換療法(PE)、栄養管理、重症例は人工呼吸管理 |
| 予後 | 一相性の経過をたどり多くは自然回復。約85%が4〜6か月以内に回復するが、重症例では命に関わることもある |
| 国試での狙われ方 | 先行感染・上行性・左右対称・腱反射消失・蛋白細胞解離という特徴のセットが頻出 |
ギラン・バレー症候群は、急性・亜急性に進行する運動優位の末梢神経障害です。病態の中心は末梢神経に生じる炎症と脱髄にあります。
比較的まれな神経疾患で、罹患率は人口10万人あたり約1.5〜2人。年齢や性別を問わず発症する可能性があります。
発症前に感染症(先行感染)があることが多いのが大きな特徴です。感染症をきっかけに免疫の異常反応が起こり、その結果として末梢神経が障害されます。
先行感染は大きく2系統に分けられます。
| 先行感染の種類 | 代表的な症状 |
|---|---|
| 呼吸器感染 | 風邪、のどの痛み、せき |
| 消化器感染 | 下痢、腹痛、嘔吐 |
代表的な症状は次の3つで、左右対称・上行性・腱反射の低下消失がキーワードです。
進行すると日常生活に大きな支障が出るため、早期の気づきと対応が重要です。
一般的には一相性の経過をたどります。発症→2〜4週間以内に急速に悪化しピークに達する→進行が止まり安定→回復期に自然に軽快、という流れで、多くの患者では自然に回復します。
一方、重症例では命に関わる合併症に注意が必要です。
さらに、顔面神経麻痺・外眼筋麻痺・しびれ感覚鈍麻などの神経症状や、頻脈・徐脈・不整脈・血圧変動・薬剤への過敏反応といった自律神経症状を伴うことがあります。
診断には髄液検査と末梢神経伝導検査が重要で、これらを総合して診断します。特に髄液の蛋白細胞解離は国試頻出のキーワードです。
| 検査 | 異常所見 | ポイント |
|---|---|---|
| 髄液検査 | タンパク質の上昇/細胞数の増加なし | 蛋白細胞解離(細胞数の増加を伴わないタンパク上昇) |
| 末梢神経伝導検査 | 伝導速度の低下/伝導ブロック | 神経の電気的な伝わり方の異常を確認する |
治療は免疫の異常反応を抑える方法が中心で、重症例では全身管理を行います。
予後は比較的良好で、約85%の患者が4〜6か月以内に回復します。ただし重症例では呼吸困難や重度の合併症が命を脅かすことがあり、早期発見・早期治療が重要です。