副腎皮質機能低下症(アジソン病)は、副腎皮質ホルモンが総合的に不足する内分泌疾患です。コルチゾール・アルドステロン・副腎アンドロゲンの欠乏により、全身倦怠感・色素沈着・低血圧・低Na高K血症などが生じます。原因の主体は結核から自己免疫性の特発性副腎萎縮へと移り変わっています。
| 読み方 | ふくじんひしつきのうていかしょう(別名:アジソン病) |
|---|---|
| 分類 | 内分泌疾患(副腎皮質ホルモンの分泌低下) |
| 罹患頻度 | 10万人に4〜6人(まれ) |
| 好発 | 50〜60歳代 |
| 主な原因 | 特発性副腎萎縮(自己免疫)・副腎結核・癌の転移・真菌症 |
| 不足するホルモン | コルチゾール・アルドステロン・副腎アンドロゲン |
| 主な症状 | 全身倦怠感・食欲不振・体重減少・色素沈着・低血圧・低血糖 |
| 検査 | コルチゾール↓・アルドステロン↓・ACTH↑・低Na血症・高K血症 |
| 治療 | 副腎皮質ホルモンの生涯補充(グルコ+ミネラロコルチコイド) |
副腎皮質機能低下症は、副腎皮質ホルモンが総合的に不足する病気で、別名アジソン病と呼ばれます。副腎皮質からは3種類のホルモンが分泌されており、これらがまとめて低下することで多彩な症状が現れます。
初期からみられる代表的な訴えは、だるい・食欲がない・体重が減る・皮膚の色が黒くなる(色素沈着)です。まれな病気ですが、早期発見・治療が重要です。
罹患頻度は10万人あたり4〜6人とまれで、50〜60歳代に多くみられます。原因は次の4つが代表的です。
原因は時代とともに変化しており、以前は副腎結核が半数を占めていましたが、最近は原因不明の特発性副腎萎縮(自己免疫性)が半数近くを占めるようになっています。
| 原因 | メカニズム |
|---|---|
| 副腎結核 | 結核菌が副腎に感染・破壊(かつては半数) |
| 自己免疫(特発性副腎萎縮) | 自己免疫で副腎が攻撃され萎縮(近年増加・半数近く) |
| 癌の副腎転移 | 他臓器の癌が血行性に副腎へ転移 |
| 真菌症 | 真菌(カビ)が副腎に感染し機能低下 |
3つの副腎皮質ホルモンそれぞれの欠乏によって、特徴的な症状が現れます。国試では「どのホルモンの欠乏でどの所見が出るか」が問われます。
アジソン病の最も特徴的な所見が皮膚・粘膜の色素沈着です。コルチゾールが低下すると、下垂体からのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)分泌が増加します。増加したACTHがメラニン産生を刺激するため、皮膚や粘膜が黒ずみます。
あわせて、易疲労感・脱力感・食欲不振・体重減少・皮膚乾燥・月経異常・恥毛脱落などの全身症状もみられます。
診断は、副腎皮質ホルモン検査で低値を確認します。血中コルチゾール・尿中17-OHCS・尿中17-KS・血中アルドステロン・DHEA-Sがいずれも低値を示します。その他の所見として、血清Na低値・血清K高値・貧血・低血糖がみられます。
治療は、生涯にわたり欠落した副腎皮質ホルモンを補充します。グルココルチコイド(コルチゾールの補充)とミネラロコルチコイド(アルドステロンの補充)を併用し、生涯にわたる管理が必要です。
| 検査項目 | 副腎皮質機能低下症での変化 |
|---|---|
| 血中コルチゾール | 低値 |
| 尿中17-OHCS / 17-KS | 低値 |
| 血中アルドステロン / DHEA-S | 低値 |
| ACTH | 増加(高値) |
| 血清Na | 低値 |
| 血清K | 高値 |
| その他 | 貧血・低血糖がみられる |