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動悸・息切れの弁証・配穴・国試ポイントどうき・いきぎれ

このページは動悸・息切れを東洋医学の「証」でとらえ、治法と配穴に落とし込む切り口を扱います(原因疾患の西洋医学的な鑑別は別ページ「動悸」で解説)。動悸は心臓の拍動を強く自覚する状態、息切れは呼吸が苦しくなる状態で、東洋医学では心の失調として心気虚・心陽虚/心血虚・心陰虚/痰湿/内熱・心火/血瘀の5病態に整理します。胸痛・急な動悸・強い息苦しさ・失神を伴うときは鍼灸の適応外として速やかに受診を促すことが最優先です。

動悸・息切れ|動悸・息切れ 1
読み方どうき・いきぎれ
定義動悸=心臓の拍動を強く自覚する状態/息切れ=呼吸が苦しくなる状態
主な原因(西洋医学)不整脈・心疾患、貧血、ストレスなど
東洋医学の考え方心の失調としてとらえる。動悸・息切れ・不眠・不安などを引き起こす
主な証(弁証)心気虚・心陽虚/心血虚・心陰虚/痰湿/内熱・心火/血瘀
治法補気・温陽/補血・滋陰/化痰除湿/清熱/活血化瘀
代表的な配穴心兪・厥陰兪・神門・内関・郄門・血海・足三里・豊隆・三陰交(心経・心包経を中心に用い、自律神経の調整を図る)
危険サイン(要注意)胸痛・急な動悸・強い息苦しさ。狭心症・心筋梗塞・重度不整脈を疑い、失神を伴う時は速やかに受診
評価西洋医学的評価(脈拍・血圧)+身体診察(心音・呼吸状態)+検査(心電図など)+東洋医学的評価(舌診・脈診・随伴症状)
国試での狙われ方5つの病態と治法の対応、内関・神門など心包経/心経要穴の主治、危険サインの見極め、不整脈の種類と症状

動悸・息切れとは(定義と主な原因)

動悸とは心臓の拍動を強く自覚する状態、息切れとは呼吸が苦しくなる状態を指します。いずれも単独の疾患名ではなく、さまざまな原因で起こる症状です。主な原因として不整脈・心疾患、貧血、ストレスなどが挙げられ、まず原因を正しく鑑別することが出発点になります。

動悸=拍動の自覚、息切れ=呼吸が苦しい。原因を正しく鑑別する
動悸=拍動の自覚、息切れ=呼吸が苦しい。原因を正しく鑑別する

見逃してはいけない危険サインとリスク管理

施術前に必ず確認すべきなのが危険サインです。胸痛・急な動悸・強い息苦しさがあるときは、狭心症・心筋梗塞・重度不整脈を疑います。とくに失神を伴う時は速やかに受診を促し、鍼灸の適応外として医療機関へつなぐことが求められます。

確認項目内容
危険サイン胸痛・急な動悸・強い息苦しさ
疑う病気狭心症・心筋梗塞・重度不整脈
対応失神を伴う時は速やかに受診(急な症状はすぐ受診)
胸痛や急激な症状は要注意。失神を伴えば速やかに受診
胸痛や急激な症状は要注意。失神を伴えば速やかに受診

背景となる不整脈の種類と貧血

動悸の背景として国試で問われるのが不整脈の種類です。診断には心電図が重要で、いずれも動悸・息切れ・めまい・失神を起こすことがあります。また貧血では鉄不足→ヘモグロビン低下→酸素を運ぶ力の低下という流れで、酸素不足により症状が出やすくなります。

不整脈の種類特徴(自覚)
洞性頻脈脈が速い
期外収縮脈が飛ぶ感じ
発作性頻拍急にドキドキする
心房細動不規則な脈
徐脈脈が遅い
不整脈の5類型。診断には心電図が重要
不整脈の5類型。診断には心電図が重要

東洋医学の弁証:心の失調としてとらえる5病態

東洋医学では動悸・息切れを心の失調として考えます。動悸・息切れ・不眠・不安などを引き起こすため、どの病態かを見極めることが大切です。証によって治法がそのまま切り替わるので、下表の対応は丸ごと覚えてください。

証(病態)病理のとらえ方治法
心気虚・心陽虚心の働きが弱る補気・温陽
心血虚・心陰虚心を養えない補血・滋陰
痰湿痰湿が停滞化痰除湿
内熱・心火熱が心を乱す清熱
血瘀血流の滞り活血化瘀
心気虚・心陽虚/心血虚・心陰虚/痰湿/内熱・心火/血瘀の5病態
心気虚・心陽虚/心血虚・心陰虚/痰湿/内熱・心火/血瘀の5病態

証に応じた治療の選択(治法)

弁証が決まれば治法が決まります。スライドでは気虚・陽虚→補気・温陽血虚・陰虚→補血・滋陰痰湿→化痰除湿内熱→清熱血瘀→活血化瘀と、病態と治法が一対一で示されています。病態に合わせた治療が重要で、同じ動悸でも虚証に清熱を用いる、実熱に補法を用いるといった逆治は誤りです。

証に応じて治療を選ぶ。病態と治法は一対一で対応
証に応じて治療を選ぶ。病態と治法は一対一で対応

代表的な経穴と配穴

治療は心経・心包経を中心に用い自律神経の調整を図るのが基本方針です。スライドに挙げられている経穴は次のとおりで、部位別に整理すると覚えやすくなります。

部位経穴スライド記載の働き
背部・上背部心兪(BL15)心の働きを整える
背部・上背部厥陰兪(BL14)心包経を調整する
手首・前腕部神門(HT7)安心・鎮静に働きかける
手首・前腕部内関(PC6)動悸・吐き気・不安に有効
手首・前腕部郄門(PC4)心を清めて動悸を鎮める
下肢(膝下・大腿部)血海(SP10)血を養い心を安定させる
下肢(膝下・大腿部)足三里(ST36)気血を補い息切れを改善
下肢(膝下・大腿部)豊隆(ST40)痰を除き息苦しさを軽減
下肢(膝下・大腿部)三陰交(SP6)心・脾・肝・腎を調和させる
心兪・厥陰兪・神門・内関・郄門・血海・足三里・豊隆・三陰交
心兪・厥陰兪・神門・内関・郄門・血海・足三里・豊隆・三陰交

診察・評価の進め方

評価は西洋医学と東洋医学の両面から行い、適切な治療方針を決めます。舌診・脈診・随伴症状から証を絞り、同時に脈拍・血圧や心音・呼吸状態を押さえてリスクを排除するのが実務の手順です。

評価の柱内容
西洋医学的評価脈拍・血圧を確認
身体診察心音・呼吸状態を確認
検査心電図などで評価
東洋医学的評価舌診・脈診・随伴症状
西洋医学と東洋医学の両面から総合評価して治療方針を決める
西洋医学と東洋医学の両面から総合評価して治療方針を決める

生活習慣の改善と食養生

生活習慣の改善は心血管疾患や自律神経の乱れを予防し、再発防止につながります。東洋医学的には精神的安定と食養生がとくに重視され、心を整え、痰湿や内熱を助長する食品を控えることがポイントです。

精神的安定と食養生。痰湿・内熱を助長する食品を控える
精神的安定と食養生。痰湿・内熱を助長する食品を控える
国試ポイント
① 動悸=心臓の拍動を強く自覚する状態、息切れ=呼吸が苦しくなる状態。原因は不整脈・心疾患、貧血、ストレスなど
② 東洋医学では心の失調ととらえ、心気虚・心陽虚/心血虚・心陰虚/痰湿/内熱・心火/血瘀の5病態に分ける
③ 治法の対応は必修。気虚・陽虚→補気・温陽、血虚・陰虚→補血・滋陰、痰湿→化痰除湿、内熱→清熱、血瘀→活血化瘀
④ 配穴は心経・心包経が中心。内関(PC6)は動悸・吐き気・不安、郄門(PC4)は心を清めて動悸を鎮める、神門(HT7)は安心・鎮静
⑤ 背部兪穴は心兪(BL15)=心の働きを整える、厥陰兪(BL14)=心包経を調整する。取り違えに注意
⑥ 痰湿の息苦しさには豊隆(ST40)、気血不足の息切れには足三里(ST36)、血を養うには血海(SP10)・三陰交(SP6)
・ 胸痛・急な動悸・強い息苦しさは狭心症・心筋梗塞・重度不整脈を疑い、失神を伴えば速やかに受診(鍼灸の適応外)
・ 不整脈は洞性頻脈=脈が速い、期外収縮=脈が飛ぶ、発作性頻拍=急にドキドキ、心房細動=不規則、徐脈=脈が遅い。診断は心電図
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