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骨盤と股関節の構造(骨・関節・体表指標・頸体角と前捻角)こつばんとこかんせつのこうぞう

骨盤は寛骨・仙骨・尾骨からなる環状構造で、体幹と下肢をつなぐ要です。股関節は寛骨臼と大腿骨頭からなる臼状関節(球関節の一種)で、深い臼と関節唇・強靭な靭帯によって安定性を確保しつつ、多方向への可動性も両立しています。国試では頸体角約125°・前捻角約10°、ヤコビー線(両側腸骨稜最高点=L4の目安)、腸骨大腿靭帯(Y靭帯)が最強、大腿骨頸部骨折での骨頭壊死が頻出です。

骨盤と股関節の構造|骨盤と股関節の構造 1
読み方こつばんとこかんせつのこうぞう
骨盤の構成寛骨(左右)・仙骨・尾骨からなる環状(リング)構造
寛骨の成り立ち腸骨・恥骨・坐骨が寛骨臼部のY字軟骨で癒合して1つの寛骨になる
骨盤の関節仙腸関節(半関節・可動性ごく小)/恥骨結合(線維軟骨結合)
股関節の分類寛骨臼と大腿骨頭からなる臼状関節(球関節の一種)・多軸性
大腿骨近位端の4部位骨頭・頸部・大転子・小転子
重要な角度頸体角 約125°(頸部と骨幹部のなす角)/前捻角 約10〜15°前方
主な靭帯腸骨大腿靭帯(Y靭帯・人体最強)・恥骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯・大腿骨頭靭帯(円靭帯)
体表指標腸骨稜・上前腸骨棘(ASIS)・上後腸骨棘(PSIS)・坐骨結節・ヤコビー線
国試での狙われ方頸体角/前捻角の数値、ヤコビー線=L4、Y靭帯が最強、頸部骨折→骨頭壊死、坐骨結節=座位の支持点

骨盤の基本構造と寛骨の成り立ち

骨盤は左右の寛骨・仙骨・尾骨が組み合わさった環状構造で、体幹の重さを下肢へ伝える土台になります。仙骨は仙椎が癒合した逆三角形の骨、尾骨はその下に続く小さな骨です。

腸骨・恥骨・坐骨がY字軟骨で癒合して寛骨になる
腸骨・恥骨・坐骨がY字軟骨で癒合して寛骨になる

骨盤の関節(仙腸関節・恥骨結合)

骨盤リングは前後2か所の連結で閉じています。どちらも可動性は小さいが支持性が非常に大きいのが特徴です。

連結部位種類・特徴役割
仙腸関節仙骨耳状面と腸骨耳状面強靭な靭帯で固定された半関節。動きはわずか体重を体幹から下肢へ伝える。骨盤安定の要
恥骨結合左右の恥骨が正中で連結線維軟骨結合(軟骨結合)骨盤リング前方を閉じ、連続性と安定性を確保
仙腸関節は動きはわずかだが支える力は大きい
仙腸関節は動きはわずかだが支える力は大きい

骨盤の体表指標(触診のランドマーク)

評価・治療の基準になる体表からの触知点です。国試では位置関係と対応する高さが問われます。

指標位置臨床的意義
腸骨稜腸骨上縁の長い稜線側腹部で触れる。ヤコビー線の基準
上前腸骨棘(ASIS)骨盤前面の出っ張り下肢長測定の起点。縫工筋・大腿筋膜張筋の起始
上後腸骨棘(PSIS)背面(腰の下方)の出っ張り骨盤の傾き・左右差の評価に用いる
ヤコビー線左右の腸骨稜最高点を結ぶ線第4腰椎(L4)棘突起の高さの目安。腰椎穿刺の指標
坐骨結節骨盤下部の隆起座位で体重を支える点。ハムストリングスの起始
大転子大腿骨外側上部の隆起下肢長測定・股関節の位置確認に使用
腸骨稜・ASIS・PSIS・ヤコビー線の位置関係
腸骨稜・ASIS・PSIS・ヤコビー線の位置関係

股関節の構造(寛骨臼と大腿骨頭)

股関節は寛骨臼がソケットとなり大腿骨頭を深く包み込む臼状関節(球関節の一種)です。体重を支えながら自由な動きを可能にします。

寛骨臼と大腿骨頭からなる臼状関節。関節唇が安定性を高める
寛骨臼と大腿骨頭からなる臼状関節。関節唇が安定性を高める

大腿骨近位端の4部位と2つの角度(頸体角・前捻角)

大腿骨近位端で押さえるのは骨頭・頸部・大転子・小転子の4つ。そして国試最頻出が頸体角前捻角の数値です。

部位・角度内容付着・臨床メモ
骨頭球状。寛骨臼にはまる中心の小窩に大腿骨頭靭帯(円靭帯)が付着
頸部骨頭と骨幹をつなぐ細い部分高齢者の骨折好発部位。骨頭壊死のリスク
大転子外側の大きな隆起中殿筋・小殿筋・梨状筋などが付着。体表から触知可
小転子内側後方の小さな隆起腸腰筋が停止
頸体角約125°増大=外反股/減少=内反股
前捻角約10〜15°前方増大=過前捻。小児では大きく、成長で減少
頸体角は約125°、前捻角は約10°前方
頸体角は約125°、前捻角は約10°前方

股関節包と靭帯・大腿骨頸部骨折の注意点

股関節は線維性関節包に包まれ、その外側を強い靭帯が補強しています。特に腸骨大腿靭帯(Y靭帯)は人体で最も強い靭帯で、立位で体幹が後方へ倒れるのを防ぎます。頸部は関節包内にあるため、頸部骨折では骨頭への血流が絶たれやすく大腿骨頭壊死・偽関節のリスクが高まります。

靭帯・構造走行・特徴はたらき
腸骨大腿靭帯(Y靭帯)下前腸骨棘から転子間線へY字状に最強の靭帯。股関節伸展・外旋を制限し立位を支える
恥骨大腿靭帯恥骨上枝から関節包前下方へ外転・外旋を制限
坐骨大腿靭帯坐骨体後面から関節包後方へ内旋を制限
大腿骨頭靭帯(円靭帯)寛骨臼窩から骨頭小窩へ骨頭を支え、小児期の骨頭への血流にも関与
関節包関節全体を包む線維性の袋安定性を高め、関節液を保持
腸骨大腿靭帯(Y靭帯)が最も強い。頸部骨折では骨頭壊死に注意
腸骨大腿靭帯(Y靭帯)が最も強い。頸部骨折では骨頭壊死に注意
国試ポイント
① 頸体角は約125°、前捻角は約10〜15°前方。頸体角の増大=外反股、減少=内反股。
② ヤコビー線(両側腸骨稜最高点を結ぶ線)は第4腰椎の高さの目安。ASISを結ぶ線と混同しないこと。
③ 寛骨は腸骨・恥骨・坐骨がY字軟骨で癒合したもの。Y字軟骨の中心は寛骨臼にあたる。
④ 股関節は臼状関節(球関節の一種)。安定性は関節唇・深い寛骨臼・強靭な靭帯による。
⑤ 腸骨大腿靭帯(Y靭帯)は人体最強の靭帯で、股関節の伸展・外旋を制限する。
⑥ 大腿骨頸部骨折(関節包内骨折)は血流が絶たれやすく骨頭壊死・偽関節を起こしやすい。
・ 坐骨結節は座位で体重を支える点でハムストリングスの起始。仙腸関節は半関節で可動性はごくわずか。
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