大動脈瘤は、大動脈の壁が正常径の1.5倍以上に局所的にふくらんだ状態です。原因の多くは動脈硬化で、男性・喫煙者に多くみられますが、多くは無症状のまま経過し健診で偶然発見されることも少なくありません。瘤が大きくなるほど破裂リスクが上昇するため、血圧管理と適切な手術適応の判断が重要です。
| 読み方 | だいどうみゃくりゅう |
|---|---|
| 分類(部位) | 胸部大動脈瘤(上行・弓部・下行・胸腹部大動脈)と腹部大動脈瘤に大別 |
| 分類(形状) | 紡錘状動脈瘤(血管の全周が均等にふくらむ)と嚢状動脈瘤(血管の一部がこぶ状にふくらむ) |
| 原因 | 動脈硬化が最多(中膜の破壊による血管壁の脆弱化)。胸部大動脈瘤ではマルファン症候群・ベーチェット病なども原因となる |
| 好発 | 男性・喫煙者に多い。腹部大動脈瘤は胸部大動脈瘤の約2倍の頻度で発生し、約2〜3%にみられる |
| 主症状 | 多くは無症状。健診で偶然発見されることが多い |
| 破裂リスク | 瘤径が大きいほど上昇(腹部で4cm以下は低リスク、5cm以上は高リスク) |
| 治療 | 血圧管理が基本。腹部大動脈瘤は径5cm以上、胸部大動脈瘤は径6cm以上で手術適応となる |
大動脈瘤とは、大動脈の壁が正常径の1.5倍以上に局所的に拡大した状態を指します。加齢や動脈硬化により血管壁が脆弱化することで発生し、多くは自覚症状がないまま進行するため「静かに拡大する病気」ともいわれます。
破裂すると急激な痛みやショックを引き起こす致死的な病態となるため、早期発見と経過観察・血圧管理が重要です。
大動脈瘤はまず発生する部位によって胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤に大別されます。胸部大動脈瘤はさらに下表の4部位に分けられます。
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| 上行大動脈 | 心臓から上に向かう部分にできる瘤 |
| 弓部大動脈 | 弓状にカーブする部分にできる瘤 |
| 下行大動脈 | 胸の中を下に向かう部分にできる瘤 |
| 胸腹部大動脈 | 胸からお腹にかけて連続する部分にできる瘤 |
大動脈瘤は形の違いによっても2つのタイプに分類されます。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 紡錘状動脈瘤 | 血管の全周が均等にふくらむタイプ |
| 嚢状動脈瘤 | 血管の一部がこぶのように限局してふくらむタイプ |
大動脈瘤の原因として最も多いのは動脈硬化です。血管壁にプラーク(コレステロール)が蓄積して血管壁が肥厚・硬化し、動脈硬化の進行により血管の中膜が破壊されると血管壁が弱くなり、その部分が拡張して瘤を形成します。
ただし胸部大動脈瘤では、動脈硬化以外にマルファン症候群やベーチェット病が原因となることもあります。
大動脈瘤は無症状のまま経過することが多いのが特徴です。自覚症状に乏しく本人が気づきにくいため、健康診断や他疾患の画像検査で偶然発見されるケースが少なくありません。
大動脈瘤は瘤の径が大きいほど破裂リスクが高くなります。治療の基本は血圧管理で、瘤が一定の大きさ以上になった場合には破裂リスクを下げるために手術(人工血管置換術・ステントグラフト内挿術など)の適応が検討されます。
| 部位 | 破裂リスクの目安 | 手術適応の目安 |
|---|---|---|
| 腹部大動脈瘤 | 4cm以下は低リスク、5cm以上は高リスク | 径5cm以上 |
| 胸部大動脈瘤 | 大きいほど破裂リスクが上昇 | 径6cm以上 |