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聴覚の基本|音の三要素・伝音路・受容器と聴覚伝導路ちょうかくのきほん

聴覚は音波(空気の振動)を適刺激とする感覚で、ヒトの可聴範囲は20〜20,000Hz、会話の音域は約200〜4,000Hzです。音は高さ(周波数)・強さ(dB/phon)・音色(波形)の三要素で感じ分けられ、外耳→中耳→内耳と伝わってコルチ器官の有毛細胞で電気信号に変換されます。伝導路は有毛細胞→蝸牛神経→脳幹→視床の内側膝状体→側頭葉の聴覚野で、国試ではこの順番と数値が繰り返し問われます。

聴覚の基本|聴覚の基本 1
読み方ちょうかく(聴覚)
受容器内耳・蝸牛管の基底膜上にあるコルチ器官の有毛細胞
適刺激音波(空気の振動)
可聴範囲20〜20,000Hz(会話は約200〜4,000Hz)
音の三要素高さ(周波数)・強さ(音圧)・音色(波形の形)
音の強さの単位dB=音圧の大きさ/phon=主観的な音の強さ
伝導路有毛細胞→蝸牛神経→脳幹→視床の内側膝状体→大脳皮質側頭葉の聴覚野
中枢側頭葉の聴覚野(言語理解はウェルニッケ野・連合野が関与)
国試での狙われ方可聴域の数値、dBとphonの区別、耳小骨3つの順、前庭窓、内側膝状体、方向定位の両耳差

音の三要素と可聴範囲

音は物理的には空気の振動(音波)で、ヒトはこれを高さ・強さ・音色の3つの要素に分けて感じ取ります。ヒトの耳が聞き取れる周波数の範囲(可聴範囲)は20〜20,000Hzで、日常会話に使われる音域は約200〜4,000Hzです。

要素何で決まるか国試ポイント
高さ周波数(Hz)高周波ほど高い音。会話は約200〜4,000Hz
強さ(音の大きさ)音圧dB=音圧の大きさ、phon=主観的な音の強さ
音色波形の形同じ高さ・強さでも楽器で違って聞こえる理由
音の高さは周波数で決まる。会話は約200〜4,000Hz
音の高さは周波数で決まる。会話は約200〜4,000Hz

音の強さの表し方(dBとphon)

音の強さには2つの表し方があり、国試では区別が問われます。dB(デシベル)は音圧の大きさという物理量、phon(ホン)は主観的な音の強さを表す心理量です。スライドでは0dB・30dB・60dB・90dB・120dBの目盛りで音の大きさが示されています。

dBは音圧の大きさ、phonは主観的な音の強さ
dBは音圧の大きさ、phonは主観的な音の強さ

音の方向がわかるしくみ(両耳聴)

音源の方向がわかるのは両耳で聴いているからです。音源に近い耳ほど早く・強く音が届き、遠い耳には遅く・弱く届きます。この時間差と強さの差を脳が分析することで、音の方向を識別できます(方向定位)。

両耳に届く時間差・強さの差から音の方向を識別する
両耳に届く時間差・強さの差から音の方向を識別する

外耳・中耳の伝音(鼓膜と耳小骨)

聴覚器は外耳・中耳・内耳の3つに分けられます。外耳は耳介+外耳道からなり、音波を集めて鼓膜へ伝えます。鼓膜は外耳と中耳の境にある膜で、音波を受けてふるえ、その振動が耳小骨を通って内耳へ伝わります。

中耳にはツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の3つの耳小骨があり、鼓膜の振動を増幅して前庭窓へ伝えます。さらに中耳には防御システムとして鼓膜張筋アブミ骨筋があり、強い音が入ると収縮して鼓膜の振動を弱め、アブミ骨の動きを制限し、鼓膜・内耳への負担を減らします。

部位構成はたらき
外耳耳介+外耳道音波を集めて鼓膜へ伝える
鼓膜外耳と中耳の境の膜音波でふるえ、耳小骨へ振動を伝える
中耳(耳小骨)ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨鼓膜の振動を増幅し前庭窓へ伝える
中耳(筋)鼓膜張筋・アブミ骨筋強い音で収縮し、鼓膜の振動を弱め耳を保護する
耳小骨はツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の順で前庭窓へ伝える
耳小骨はツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の順で前庭窓へ伝える

内耳の受容器(蝸牛とコルチ器官)

内耳には蝸牛(かぎゅう)があり、蝸牛管の基底膜の上にコルチ器官が乗っています。コルチ器官の有毛細胞が聴覚の受容器で、伝わってきた音の振動をキャッチして聴覚情報(電気信号)に変換し、聴神経へ送ります。

蝸牛管の基底膜上にコルチ器官があり、有毛細胞が受容器
蝸牛管の基底膜上にコルチ器官があり、有毛細胞が受容器

聴覚伝導路(音が脳へ届く道)

耳で受けた音が脳で理解されるまでの道すじは、国試で順番そのものが問われます。

  1. 有毛細胞…音の振動を電気信号に変える
  2. 蝸牛神経…電気信号を脳へ伝える
  3. 脳幹…信号を中継し情報を整理する
  4. 視床の内側膝状体…聴覚情報の重要な中継地点
  5. 大脳皮質側頭葉の聴覚野…音の高さ・大きさ・音色などを認識

さらに高次の処理として、ウェルニッケ野(側頭葉後部)が言葉の意味を理解し、連合野(前頭葉・頭頂葉など)が文脈や状況と結びつけて理解を深めます。

段階部位はたらき
1有毛細胞音の振動を電気信号に変える
2蝸牛神経電気信号を脳へ伝える
3脳幹信号を中継し情報を整理する
4視床の内側膝状体聴覚情報の重要な中継地点
5大脳皮質側頭葉の聴覚野音の高さ・大きさ・音色を認識
6ウェルニッケ野(側頭葉後部)言葉の意味を理解する
7連合野(前頭葉・頭頂葉など)文脈や状況と結びつけて理解を深める
有毛細胞→蝸牛神経→脳幹→内側膝状体→聴覚野
有毛細胞→蝸牛神経→脳幹→内側膝状体→聴覚野
国試ポイント
① ヒトの可聴範囲は20〜20,000Hz、会話の音域は約200〜4,000Hz。
② 音の三要素は高さ(周波数)・強さ(音圧)・音色(波形)。高周波ほど高い音。
③ dB=音圧の大きさ(物理量)、phon=主観的な音の強さ。ここは入れ替えの引っかけに注意。
④ 外耳=耳介+外耳道。鼓膜は外耳と中耳の境。耳小骨はツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の順で前庭窓へ。
⑤ 強い音では鼓膜張筋とアブミ骨筋が収縮して耳を保護する(中耳の防御システム)。
⑥ 聴覚の受容器は蝸牛管の基底膜上にあるコルチ器官の有毛細胞。
・ 伝導路は有毛細胞→蝸牛神経→脳幹→視床の内側膝状体→側頭葉の聴覚野。中継核は「内側」膝状体(視覚は外側膝状体)。
・ 音の方向定位は両耳に届く時間差と強さの差を脳が分析することで成立する。
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