地球環境問題は、公衆衛生の中でも「原因物質」と「対策・国際条約」の組み合わせが国家試験で特に問われやすい分野です。オゾン層破壊=フロン→モントリオール議定書(1987)、地球温暖化=CO2などの温室効果ガス→京都議定書(1997)・パリ協定(2015)、酸性雨=SOx・NOx→pH5.6以下、という3本柱をまず固めましょう。ここでは環境ホルモンから飢餓問題まで、スライド9枚の内容を表と箇条書きで整理します。
| 読み方 | ちきゅうかんきょうもんだい |
|---|---|
| 定義 | 人間活動によって地球規模で生じる環境の悪化と、それに伴う健康・生態系への影響の総称 |
| 主な項目 | 環境ホルモン/オゾン層の破壊/地球温暖化/酸性雨/砂漠化/熱帯雨林の減少/生物種の減少/食糧大量生産と飢餓 |
| 代表的な原因物質 | フロン(CFC)・ハロン、CO2・メタン(CH4)・一酸化二窒素(N2O)・フロン類、硫黄酸化物(SOx)・窒素酸化物(NOx)、PCB・DDT・ダイオキシン・ビスフェノールA |
| 基準値 | 酸性雨=pH5.6以下。パリ協定=産業革命前比+2℃より十分低く、1.5℃に抑える努力 |
| 国際条約・対策 | ウィーン条約(1985)/モントリオール議定書(1987)/IPCC/京都議定書(1997)/パリ協定(2015) |
| 関連キーワード | LCA(製造から廃棄までの環境負荷評価)、マイクロプラスチック(海洋汚染・生物濃縮) |
| 国試での狙われ方 | 「原因物質」と「対策・国際条約」の組み合わせを入れ替えた誤答選択肢が頻出 |
環境ホルモンとは、体内のホルモン作用を乱す化学物質のことです。作用のしくみは2通りあります。
代表的な物質はPCB・DDT・ダイオキシン・ビスフェノールA・フタル酸エステル・ノニルフェノール。プラスチック製品、農薬・殺虫剤、工業製品・塗料、洗剤・化粧品、食品の包装材など身の回りの製品や環境に含まれています。
主な影響は、生殖機能障害(不妊や性機能の低下)、発育異常(胎児や子どもの正常な発育を妨げる)、性比異常(生まれる子の性別のバランスが崩れる)、野生動物の減少、精子数減少です。
オゾン層は太陽からの有害な紫外線を吸収し、健康や地球の生態系を守っています。冷蔵庫・エアコン・スプレーなどのフロン(CFC)、消火器などのハロンから放出される塩素(Cl)がオゾン(O3)を分解します(Cl+O3→Cl+O2)。結果として①オゾンホール形成 ②紫外線増加 ③皮膚がん ④白内障 ⑤農作物への被害が生じます。
地球温暖化は温室効果ガスの増加により地球の平均気温が長期的に上昇することです。主な温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)・メタン(CH4)・一酸化二窒素(N2O)・フロン類。影響は①気温上昇 ②氷河融解 ③海面上昇 ④異常気象 ⑤干ばつ ⑥生態系の変化です。
| 環境問題 | 原因物質 | 国際的な取り組み(年) | 内容 |
|---|---|---|---|
| オゾン層の破壊 | フロン(CFC)・ハロン | ウィーン条約(1985) | オゾン層の保護に関する国際的な協力を確認 |
| オゾン層の破壊 | フロン(CFC)・ハロン | モントリオール議定書(1987) | フロンなどのオゾン層破壊物質の生産や使用を段階的に規制 |
| 地球温暖化 | CO2・CH4・N2O・フロン類 | IPCC(気候変動に関する政府間パネル) | 地球温暖化に関する科学的な評価を行い各国に情報を提供する国際機関 |
| 地球温暖化 | CO2・CH4・N2O・フロン類 | 京都議定書(1997) | 先進国に対して温室効果ガスの削減目標を定めた国際的な取り決め |
| 地球温暖化 | CO2・CH4・N2O・フロン類 | パリ協定(2015) | すべての国が参加し、平均気温上昇を産業革命前比2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える努力をする |
酸性雨とは、大気中の汚染物質が雨や雪に溶け込み、通常よりも酸性度が強くなった雨(pH5.6以下)のことです。原因物質は次の2つで、大気中で化学反応を起こし硫酸(H2SO4)や硝酸(HNO3)に変化します。
影響は①森林枯死(土壌や水が酸性化し木の根が傷む) ②湖沼の酸性化(魚や水生生物がすめなくなる) ③建造物の腐食(建物・橋・石像を溶かし金属をさびさせる)。原因物質は風に乗って広い地域に運ばれるため、国境をこえて別の国や地域の自然・文化財にも影響を与えます。
いずれも「原因」と「影響」の対応で問われます。
| 問題 | 定義 | 主な原因 | 主な影響 |
|---|---|---|---|
| 砂漠化 | 乾燥・半乾燥地域で土地の劣化が進み、緑や生産力が失われて砂漠のようになること | ①過放牧 ②森林伐採 ③過度な農業 ④干ばつ | ①農地の減少 ②食料不足 |
| 熱帯雨林の減少 | 「地球の肺」とよばれ多くの生き物のすみかであり気候を安定させる熱帯雨林が減少すること | ①焼畑農業 ②違法伐採 ③農地開発(パーム油・大豆など) | ①生物多様性の減少 ②CO2吸収量の低下 ③地球温暖化の促進 |
| 生物種の減少 | さまざまな原因で生きものの種類が減ってきていること | ①森林破壊 ②環境汚染 ③温暖化 ④外来種 | ①生物多様性の喪失 ②生態系バランスの崩壊 |
世界では農業技術の進歩や貿易の発達により食料を大量に生産できるようになっている一方で、十分に食べることができない人々(飢餓人口)が存在します。同じ地球上でも大きなちがいがあり、その原因は次の3つです。
対策としては、食べ物を大切にする(食品ロスを減らす)、フェアトレード商品を選ぶ、世界の食料問題に関心を持つ・支援することが挙げられます。
まとめスライドでは、上記に加えてLCAとマイクロプラスチックが挙げられています。
スライドは「『原因物質』と『対策・国際条約』の組み合わせが国家試験で特に問われやすい」と結んでいます。
| 項目 | 原因物質・キーワード | 対策・要点 |
|---|---|---|
| 環境ホルモン | PCB、DDT、ビスフェノールA、フタル酸エステル(ダイオキシンも) | ホルモン作用を乱す |
| オゾン層破壊 | フロン | モントリオール議定書 |
| 地球温暖化 | CO2、メタン、N2O、フロン | 京都議定書・パリ協定 |
| 酸性雨 | SOx・NOx | pH5.6以下 |
| LCA | - | 製造から廃棄までの環境負荷評価 |
| マイクロプラスチック | - | 海洋生物への影響と食物連鎖への取り込み(海洋汚染・生物濃縮) |