足の厥陰肝経は、足の第1趾(母趾)内側の大敦(LR1)にはじまり、下腿内側・大腿内側・鼠径部を経て、胸部の期門(LR14)で終わる全14穴の経絡です。このページでは、井木穴・滎穴・兪土穴・経金穴・合水穴の五要穴、肝の原穴=太衝、絡穴=蠡溝、郄穴=中都、肝の募穴=期門、八会穴の臓会=章門まで、各穴の読み方・コード・取穴部位・寸法・主な作用をスライドの内容そのままに一覧表とセクションで整理します。
| 読み方 | あしのけついんかんけい |
|---|---|
| 経穴数 | 14穴(LR1 大敦 〜 LR14 期門) |
| 流注の起始 | 大敦(LR1)/足の親指の内側、爪の生え際の角から約0.1寸 |
| 流注の終止 | 期門(LR14)/胸部、乳頭の直下の高さ、第6肋間・前正中線の外側4寸 |
| 井木穴 | 大敦(LR1) |
| 滎穴(スライド表記「築穴」) | 行間(LR2) |
| 兪土穴・肝の原穴 | 太衝(LR3) |
| 経金穴 | 中封(LR4) |
| 絡穴 | 蠡溝(LR5)/内果上5寸 |
| 郄穴 | 中都(LR6)/内果上7寸 |
| 合水穴 | 曲泉(LR8) |
| 肝の募穴 | 期門(LR14) |
| 脾の募穴・八会穴の臓会 | 章門(LR13) |
| 経絡全体の主な作用 | 肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮める/ストレスや緊張の緩和/頭痛・めまい・目の疲れ/生理不順や月経痛の緩和 |
足の厥陰肝経はLR1 大敦からLR14 期門までの全14穴。足の母趾からはじまり、内くるぶし周辺・下腿内側・膝内側・大腿内側・鼠径部を上行し、側腹部を経て胸部で終わります。各穴の取穴部位と要穴の区分は下表のとおりです。
| No. | 穴名 | 読み | コード | 要穴・特徴 | 取穴部位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大敦 | だいとん | LR1(Dàdūn) | 井木穴 | 足の親指の内側、爪の生え際の角から約0.1寸(爪の角) |
| 2 | 行間 | こうかん | LR2(Xíngjiān) | 滎穴(スライドは「築穴」と表記) | 足の親指と人差し指の間の付け根、やや足の甲側のくぼみ(第1・2中足骨間) |
| 3 | 太衝 | たいしょう | LR3(Tàichōng) | 兪土穴・肝の原穴 | 足の甲側、第1・2中足骨の間の付け根、やや足の中側(近位部) |
| 4 | 中封 | ちゅうほう | LR4(Zhōngfēng) | 経金穴 | 内くるぶしの後ろ側、くるぶしの先端とアキレス腱の間のくぼみ(舟状骨粗面のやや下方) |
| 5 | 蠡溝 | れいこう | LR5(Lígōu) | 絡穴 | 内くるぶしの上方5寸(指幅4本分)、脛骨の内側縁の前方のくぼみ(脛骨の内側面のやや前方) |
| 6 | 中都 | ちゅうと | LR6(Zhōngdū) | 郄穴 | 内くるぶしの上方7寸、脛骨の内側縁の前方で、腓骨内側面のやや後縁 |
| 7 | 膝関 | しつかん | LR7(Xīguān) | 膝関穴 | すねの内側、内くるぶしの上方13寸、脛骨の内側縁の後方(下腿の内側) |
| 8 | 曲泉 | きょくせん | LR8(Qūquán) | 合水穴 | 膝の内側、膝窩横紋の中央で、大腿二頭筋腱と半腱様筋腱の間にあるくぼみ |
| 9 | 陰包 | いんぽう | LR9(Yīnbāo) | 陰包穴 | 膝の内側、脛骨内側顆の後下方で、腓腹筋内側頭の後縁にあるくぼみ(脛骨の内側後縁の後ろ) |
| 10 | 足五里 | あしごり | LR10(Zúwǔlǐ) | 足五里穴 | 鼠径部の外側で、上前腸骨棘の下縁から下方3寸のところ(大腿直筋の外側縁) |
| 11 | 陰廉 | いんれん | LR11(Yínlián) | 陰廉穴 | 鼠径部の外側で、上前腸骨棘の下縁から下方2寸のところ(大腿直筋の外側縁) |
| 12 | 急脈 | きゅうみゃく | LR12(Jímài) | 急脈穴 | 下腹部、臍の中央から下へ2.5寸のところ、鼠径部の内側縁の上方 |
| 13 | 章門 | しょうもん | LR13(Zhāngmén) | 脾の募穴・八会穴の臓会 | 側腹部、肋骨弓の下縁の先端から垂直に下へ11寸のところ(第11肋骨の遊離端の下方) |
| 14 | 期門 | きもん | LR14(Qímén) | 肝の募穴 | 胸部、乳頭の直下の高さで、第6肋間、前正中線の外側4寸のところ(第6肋間の前腋窩線上) |
大敦(だいとん/Dàdūn・LR1)は、足の厥陰肝経の井木穴です。肝の気が出入りする大切なポイントで、肝の働きを整え、心身のバランスをサポートします。
【取穴部位】足の親指の内側、爪の生え際の角から約0.1寸(爪の角)。
ワンポイント:爪の角をやさしく押すのがコツ。
行間(こうかん/Xíngjiān・LR2)は、足の厥陰肝経の滎穴です。イライラや怒りの感情を鎮め、肝の気の巡りをスムーズにすることで、心身のリフレッシュをサポートします。
【取穴部位】足の親指と人差し指の間の付け根、やや足の甲側のくぼみ(第1・2中足骨間)。
ワンポイント:深呼吸しながらやさしく押すと、リラックス効果が高まります。
※スライド上では「築穴」と表記されていますが、五要穴の区分としては滎(火)穴にあたる穴です。
太衝(たいしょう/Tàichōng・LR3)は、足の厥陰肝経の兪土穴であり、肝の原穴です。肝の気の巡りを整え、ストレスや緊張を和らげ、全身のバランスを調整します。
【取穴部位】足の甲側、第1・2中足骨の間の付け根、やや足の中側(近位部)。
ワンポイント:気の流れの要となる大切なポイント。ストレスがたまった時におすすめ。刺激は親指で強すぎない程度に、1回につき3〜5秒・1日数回が目安です。
中封(ちゅうほう/Zhōngfēng・LR4)は、足の厥陰肝経の経金穴です。肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮め、心身のバランスをサポートします。
【取穴部位】内くるぶしの後ろ側、くるぶしの先端とアキレス腱の間のくぼみ(舟状骨粗面のやや下方)。
ワンポイント:肝の気が滞るときにおすすめのツボ。刺激は親指でやや強めに。
下腿内側にならぶ蠡溝=絡穴(内果上5寸)と中都=郄穴(内果上7寸)は、国試で寸法の入れ替えが狙われる組み合わせです。蠡溝の5寸は「指幅4本分」が目安。
どちらも「肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮める/ストレスや緊張の緩和/頭痛・めまい・目の疲れ/生理不順や月経痛の緩和」が主な作用で、中都にはさらに「足のむくみや疲れの改善」が挙げられています。
| 穴名 | コード | 要穴 | 内果からの高さ | 取穴部位 |
|---|---|---|---|---|
| 蠡溝(れいこう) | LR5(Lígōu) | 絡穴 | 上方5寸(指幅4本分) | 脛骨の内側縁の前方のくぼみ(脛骨の内側面のやや前方) |
| 中都(ちゅうと) | LR6(Zhōngdū) | 郄穴 | 上方7寸 | 脛骨の内側縁の前方で、腓骨内側面のやや後縁 |
| 膝関(しつかん) | LR7(Xīguān) | 膝関穴 | 上方13寸 | すねの内側、脛骨の内側縁の後方(下腿の内側) |
膝関(しつかん/Xīguān・LR7)は、足の厥陰肝経の膝関穴です。肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮め、心身のバランスをサポートします。
【取穴部位】すねの内側、内くるぶしの上方13寸、脛骨の内側縁の後方(下腿の内側)。
ワンポイント:気分が落ち込んだり、イライラした時に刺激してみましょう。
曲泉(きょくせん/Qūquán・LR8)は、足の厥陰肝経の合水穴です。肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮め、心身のバランスをサポートします。五要穴のうち、最も体幹側に位置する穴です。
【取穴部位】膝の内側、膝窩横紋の中央で、大腿二頭筋腱と半腱様筋腱の間にあるくぼみ。
ワンポイント:気分が落ち込んだり、イライラした時におすすめ。深呼吸しながら刺激してリラックスにつなげましょう。
陰包(いんぽう/Yīnbāo・LR9)は、足の厥陰肝経の陰包穴です。肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮め、心身のバランスをサポートします。
【取穴部位】膝の内側、脛骨内側顆の後下方で、腓腹筋内側頭の後縁にあるくぼみ(脛骨の内側後縁の後ろ)。
ワンポイント:感情が高ぶったり、イライラした時に。深呼吸しながら刺激するとリラックス効果が高まります。
鼠径部まわりには足五里(上前腸骨棘の下縁から下方3寸)と陰廉(同じく下方2寸)がならび、いずれも大腿直筋の外側縁が目印です。3寸と2寸の違いが識別のポイント。急脈(LR12)は下腹部、臍の中央から下へ2.5寸で、鼠径部の内側縁の上方にあります。
3穴とも主な作用は「肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮める/ストレスや緊張の緩和/頭痛・めまい・目の疲れ/生理不順や月経痛の緩和/足のむくみや疲れの改善」です。
| 穴名 | コード | 基準点 | 距離 | 取穴部位の目印 |
|---|---|---|---|---|
| 足五里(あしごり) | LR10(Zúwǔlǐ) | 上前腸骨棘の下縁 | 下方3寸 | 鼠径部の外側、大腿直筋の外側縁 |
| 陰廉(いんれん) | LR11(Yínlián) | 上前腸骨棘の下縁 | 下方2寸 | 鼠径部の外側、大腿直筋の外側縁 |
| 急脈(きゅうみゃく) | LR12(Jímài) | 臍の中央 | 下方2.5寸 | 下腹部、鼠径部の内側縁の上方 |
章門(しょうもん/Zhāngmén・LR13)は、足の厥陰肝経に属しながら脾の募穴であり、同時に八会穴の臓会でもあります。経絡と募穴の帰属が一致しない代表例として国試頻出です。
【取穴部位】側腹部、肋骨弓の下縁の先端から垂直に下へ11寸のところ(第11肋骨の遊離端の下方)。
ワンポイント:イライラやストレスがたまった時、気分が落ち込んだ時におすすめのツボ。
期門(きもん/Qímén・LR14)は、足の厥陰肝経の肝の募穴であり、この経絡の最終穴です。肝の気の巡りを整え、イライラや怒りを鎮め、心身のバランスをサポートします。
【取穴部位】胸部、乳頭の直下の高さで、第6肋間、前正中線の外側4寸のところ(第6肋間の前腋窩線上)。
ワンポイント:イライラした時や、胸のつかえ・張りを感じた時におすすめのツボ。
各スライドで共通して示されている刺激の目安と注意事項です。