このページは、悪性腫瘍を組織型でどう分類するかに絞って解説します。悪性腫瘍はまず上皮性(=癌)と非上皮性(=肉腫)に分けられ、癌はさらに扁平上皮癌・腺癌・未分化癌の3つに分類されます。国試では「角化=扁平上皮癌」「腺腔形成=腺癌」「分化傾向が乏しく悪性度が高い=未分化癌」という組み合わせと、それぞれの好発部位が繰り返し問われます。
| 読み方 | あくせいしゅよう |
|---|---|
| 大分類 | 上皮性と非上皮性に分ける |
| 上皮性悪性腫瘍 | 癌という |
| 非上皮性悪性腫瘍 | 肉腫という |
| 癌の組織型分類 | 扁平上皮癌・腺癌・未分化癌 |
| 扁平上皮癌のポイント | 角化(ケラチン真珠)を示すことがある |
| 腺癌のポイント | 腺腔形成(管状・乳頭状・嚢胞状) |
| 未分化癌のポイント | 分化傾向が乏しく、増殖が盛ん・転移が速い・悪性度が高い |
| 肉腫の発生母地 | 骨・軟骨・筋肉・脂肪・血管・線維組織などの非上皮性組織 |
| 国試での狙われ方 | 癌と肉腫の由来の区別、3つの組織型と特徴の組み合わせ、好発臓器 |
悪性腫瘍は、発生母地となる組織によってまず2つに分けられます。ここを取り違えると以降の分類がすべて崩れるので、最優先で覚える部分です。
肉腫は非上皮性組織から発生する悪性腫瘍で、スライドでは発生母地として骨・軟骨・筋肉・脂肪・血管・線維組織が挙げられています。覚え方は「上皮から出たら『癌』、非上皮から出たら『肉腫』」です。
| 項目 | 癌 | 肉腫 |
|---|---|---|
| 発生母地 | 上皮性組織 | 非上皮性組織 |
| 呼び方 | 上皮性悪性腫瘍=癌 | 非上皮性悪性腫瘍=肉腫 |
| 代表的な発生組織 | 皮膚・口腔・食道・胃・大腸などの上皮 | 骨・軟骨・筋肉・脂肪・血管・線維組織 |
| 組織型の下位分類 | 扁平上皮癌・腺癌・未分化癌 | (スライドでは非上皮性組織由来の悪性腫瘍として提示) |
扁平上皮癌は、重層扁平上皮に似た性質をもつ癌です。組織学的には異型細胞の増殖とともに角化(ケラチン真珠)を示すことがあるのが最大の特徴で、国試ではこの一語で判別できます。
発生のしくみの例として、もともと線毛円柱上皮だった場所が扁平上皮化生を起こし、そこから癌化することがあります。慢性気管支炎などでは、この扁平上皮化生から癌化する経路が知られています。
腺癌(せんがん)は、腺腔を形成する腺組織から発生する癌です。腺癌は管状・乳頭状・嚢胞状などの形をとることがあります。
| 腺癌の形態パターン | 形成する構造 |
|---|---|
| 管状腺癌 | 腺管(管状構造)を形成する |
| 乳頭腺癌 | 乳頭状(指状)の構造を形成する |
| 嚢胞腺癌 | 嚢胞状の構造を形成する |
未分化癌は、扁平上皮癌や腺癌などへの分化傾向がはっきりしない癌です。つまり「何の細胞に似ているか分かりにくく、進行が速い癌」と理解します。
組織像では腺腔形成なし・角化真珠なしが決め手になります。「角化があれば扁平上皮癌、腺腔があれば腺癌、どちらも無ければ未分化癌」という順で判断できます。
国試で最も狙われるのが、この3つの組み合わせです。特徴を1語で言い切れるようにしておきましょう。
| 組織型 | 似ている(由来する)もの | 組織学的な決め手 | 代表的な好発部位 |
|---|---|---|---|
| 扁平上皮癌 | 重層扁平上皮に似た性質 | 角化(ケラチン真珠) | 皮膚・口腔・舌・咽頭・食道・肛門・呼吸器・子宮頸部 |
| 腺癌 | 腺腔を形成する腺組織 | 腺腔形成(管状・乳頭状・嚢胞状) | 胃・大腸・膵臓・胆嚢・気管支末梢・腎臓・子宮体部・乳腺・卵巣・内分泌腺 |
| 未分化癌 | 分化傾向がはっきりしない | 腺腔形成なし・角化真珠なし、配列の乱れ | (分化傾向が乏しく悪性度が高い) |