脳卒中(脳血管障害)のリハビリテーションでは、最終的にADLが自立するのは全体の約60%とされ、機能によって回復の見込みが大きく異なります。歩行は80〜90%が何らかの形で回復する一方、上肢機能が実用レベルまで戻るのは約20%にとどまります。回復は発症後3か月がゴールデンタイム、6か月までが集中訓練期で、その後も緩やかに改善が続くという時間経過を、数値とセットで押さえましょう。
| 読み方 | のうそっちゅうりはびりのかいふく(ADLじりつりつ) |
|---|---|
| ADL自立率 | 脳卒中患者全体で約60%が最終的にADL自立 |
| 歩行の回復 | 約80〜90%に回復の可能性(実用歩行の獲得は約70〜80%) |
| 上肢機能の回復 | 実用手レベルまで回復するのは約20%と低い |
| 回復のゴールデンタイム | 発症後3か月が最も回復しやすい時期 |
| 集中訓練期 | 発症後6か月まで。以降も緩やかに回復は続く |
| 主な訓練内容 | 歩行訓練・上肢機能訓練・言語訓練(失語症)・ADL訓練 |
| 国試での狙われ方 | 「ADL自立は約60%」「上肢<歩行」「6か月で回復は止まる→誤り」の正誤判定 |
脳卒中リハビリテーションの予後で最も問われるのが「どのくらい自立できるか」という数値です。全体としては約60%がADL自立に至りますが、機能ごとに見ると差が大きいのが特徴です。
「歩けるようになったのに手は使えない」という状態が典型で、これが国試の頻出パターンです。
| 項目 | 回復の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ADL全体の自立 | 約60% | 脳卒中患者全体の最終自立率 |
| 歩行 | 80〜90%が回復可能 | 実用歩行の獲得は約70〜80% |
| 上肢機能 | 約20% | 実用手レベルへの回復は困難なことが多い |
| 失語症 | 長期に緩徐改善 | 言語聴覚療法と長期支援が必要 |
| 心理・社会面 | 徐々に受容が進む | 障害受容の過程を支える関わりが重要 |
脳卒中の機能回復は発症直後から急激に立ち上がり、時間とともに緩やかになる曲線を描きます。ここは時期と数字をセットで暗記すべき最重要ポイントです。
国試では「6か月を過ぎると機能回復は起こらない」という断定的な選択肢が誤りとして出されます。緩やかに続くが正解です。
| 時期 | 回復の特徴 | リハビリの主眼 |
|---|---|---|
| 急性期(発症〜数週) | 全身状態が不安定 | 廃用症候群予防・良肢位保持・早期離床 |
| 発症〜3か月 | 最も急激に回復(ゴールデンタイム) | 早期からの積極的な機能訓練 |
| 3〜6か月 | 回復は続くがやや緩やかに | 歩行・上肢・言語の集中訓練 |
| 6か月以降 | 緩やかな改善が持続 | ADL訓練・体力向上・環境調整・在宅支援 |
回復曲線は6か月を境に傾きが小さくなりますが、プラトー(頭打ち)=終了ではありません。
機能ごとに難易度と訓練内容が異なります。歩行>上肢という回復率の順序を必ず押さえてください。
| 機能 | 回復率の目安 | 訓練・アプローチ |
|---|---|---|
| 歩行 | 80〜90% | 平行棒→装具・杖歩行→屋外歩行、バランス訓練 |
| 上肢 | 約20% | 分離運動促通、自助具、非麻痺側での代償 |
| 言語(失語症) | 長期に緩徐 | 言語聴覚療法、絵カード・書字などの代替手段 |
| 高次脳機能 | 個別性が大きい | 失行・失認への課題指向型アプローチ |
身体機能だけでなく、心理・社会面のリハビリテーションも国試で問われます。
特に自動車運転の可否は「麻痺があるから不可」と単純に決めない点が引っかけになります。
| 復帰領域 | 評価の観点 |
|---|---|
| 家庭復帰 | 家事・育児の遂行、日常生活の自立度、住宅改修の必要性 |
| 職場復帰 | 業務内容、職場環境の配慮、通勤手段、疲労耐性 |
| 自動車運転 | 運動麻痺・視野障害・失行・失認・注意機能、交通ルールの理解、安全性の総合評価 |