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要穴の種類と覚え方|五行穴・五要穴・八会穴・下合穴・四総穴の一覧ようけつ / Command points / Specific points

要穴とは、臨床や国家試験で特に重要とされる経穴のグループの総称です。このページでは、経気の流れを五行に当てはめた五行穴(井・栄・兪・経・合)、臓腑の診断治療に使う五要穴(背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴)、組織別の八会穴、六腑の下合穴、そして四総穴・根結穴・標本穴までを、スライドの一覧表そのままに整理しました。穴名・取穴部位・主治・語呂合わせをまとめて確認できます。

要穴|要穴 1
読み方ようけつ
分類経穴(臨床・国試で特に重要な経穴グループの総称)
主な種類五行穴(五兪穴)・五要穴・八会穴・下合穴・四総穴・根結穴・標本穴
五行穴(五兪穴)井穴・栄穴・兪穴・経穴・合穴の5つ(手足の末端から肘・膝へ並ぶ)
五要穴背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴の5つ
八会穴章門(臓会)・中脘(腑会)・膻中(気会)・膈兪(血会)・陽陵泉(筋会)・太淵(脈会)・大杼(骨会)・懸鐘(髄会)
下合穴足三里(胃)・上巨虚(大腸)・下巨虚(小腸)・陽陵泉(胆)・委中(膀胱)・委陽(三焦)
四総穴合谷(顔面・頭部)・列欠(頭頸部)・委中(腰背部)・足三里(腹部)
五行穴の語呂「せいしん ゆけい ごう!」(井→栄→兪→経→合)
五要穴の語呂「はい ぼ げん らく げき!」(背部兪穴→募穴→原穴→絡穴→郄穴)
八会穴の語呂「章中膻膈 陽太大懸」
下合穴の語呂「三巨陽委」
四総穴の語呂「顔 合谷・首 列欠・腰 委中・腹 三里」

五行穴(五兪穴)とは|井・栄・兪・経・合

五行穴(五兪穴)は、経絡を流れる「経気(けいき)」の変化を自然界の"五行"に当てはめた重要な経穴です。古典では「井・栄・兪・経・合」の5つに分類され、手足の末端から肘・膝へ向かって並んでいます

経気の流れは「湧き出る → 流れる → 注ぐ → 広がる → 深く入る」と変化し、これを自然界の「井戸の水 → 小川 → 川 → 大河 → 海」にたとえてイメージします。

五行との関係:各穴には五行属性が割り当てられており、陰経と陽経で配当が異なるのが特徴です。スライドでは陽経の配当を「木・火・土・金・水」、陰経の配当を「金・水・木・火・土」と示しています。

五兪穴名称と位置五行特徴(経気の状態)主治臨床イメージ(よく使う場面)代表的な穴
① 井穴(せいけつ)手足の指先経気が湧き出る場所心下満を主る(胸苦しさ・意識障害・熱病・急性症状 など)開竅作用・救急的治療・気付けに使用少商(しょうしょう)・至陰(しいん)・湧泉(ゆうせん) など
② 栄穴(えいけつ)手足の指のつけ根〜手首・足首付近経気が少し流れ始める場所身熱を主る(発熱・炎症・のぼせ・熱感 など)熱証に有効・炎症、イライラに使用魚際(ぎょさい)・内庭(ないてい)・然谷(ねんこく) など
③ 兪穴(ゆけつ)手首・足首と肘・膝の中間付近経気が勢いよく注ぐ場所体重節痛を主る(関節痛・身体の重だるさ・湿邪 など)関節疾患に使用・湿邪、倦怠感に有効太白(たいはく)・太渓(たいけい)・後渓(こうけい) など
④ 経穴(けいけつ)手首・足首と肘・膝のやや近位(上方)経気がさらに流れ広がる場所喘咳寒熱を主る(咳・喘息・寒熱往来・呼吸器症状 など)呼吸器疾患に重要・気逆、外感病に有効復溜(ふくりゅう)・陽谿(ようけい)・経渠(けいきょ) など
⑤ 合穴(ごうけつ)肘・膝の近く経気が深く入り込む場所逆気而泄を主る(下痢・嘔吐・胃腸症状・気逆 など)六腑病に特によく使用・消化器症状に有効足三里(あしさんり)・曲池(きょくち)・陰陵泉(いんりょうせん) など
五行穴(五兪穴)の一覧。経気は井戸の水→小川→川→大河→海のように変化する
五行穴(五兪穴)の一覧。経気は井戸の水→小川→川→大河→海のように変化する

五行穴の主治まとめと覚え方(語呂)

国家試験では「五兪穴とその主治の組み合わせ」が超重要ポイントです。下の表はそのまま暗記してしまいましょう。

覚え方(語呂)は「せいしん ゆけい ごう!」。井(心下満)→ 栄(身熱)→ 兪(体重節痛)→ 経(喘咳寒熱)→ 合(逆気而泄)の順に並びます。

五兪穴主治
井穴(せいけつ)心下満を主る
栄穴(えいけつ)身熱を主る
兪穴(ゆけつ)体重節痛を主る
経穴(けいけつ)喘咳寒熱を主る
合穴(ごうけつ)逆気而泄を主る

五要穴とは|背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴

五要穴は、臨床で特に重要とされる5種類の代表的な経穴のグループの総称です。①背部兪穴 ②募穴 ③原穴 ④絡穴 ⑤郄穴の5つを指します。

使い分けイメージ:背部兪穴は慢性疾患・虚証の調整に、募穴は急性症状・実証の改善に、原穴は臓腑の虚実を根本から調整、絡穴は経絡同士の連絡・気血調整に、郄穴は急性の痛み・炎症に有効です。

覚え方(語呂合わせ)は「はい ぼ げん らく げき!」。背中で臓腑を見る(背部兪穴)→ 胸腹部で臓腑を見る(募穴)→ 原気を調整する(原穴)→ 経絡をつなぐ(絡穴)→ 急性の痛み・炎症に効く(郄穴)。

要穴主な役割適する病証
背部兪穴臓腑の機能調整・慢性症状の改善慢性疾患・虚証
募穴臓腑の異常反映・急性症状の改善急性疾患・実証
原穴臓腑の虚実調整・体質改善虚証・慢性疾患・体質改善
絡穴経絡の連絡・気血循環の調整慢性症状・しびれ・左右差
郄穴急性の痛み・炎症・出血への効果急性疼痛・炎症・痙攣
五要穴の特徴と役割。「はい・ぼ・げん・らく・げき!」で覚える
五要穴の特徴と役割。「はい・ぼ・げん・らく・げき!」で覚える

背部兪穴(はいぶゆけつ)とは|五臓六腑に対応する背中の反応点

背部兪穴は、背中にあり五臓六腑に対応する兪穴の総称です。足太陽膀胱経上に並ぶ、臓腑の背中の"反応点"で、臓腑の異常が反応しやすく、慢性疾患に使われやすく、診断・治療の両方で重要です。

どこにあるの? 背骨の両側、約1.5寸(指2本分)のところに左右対称に存在します。首のつけ根(大椎)から腰部まで、膀胱経の背中のライン上にあり、胸椎レベル(T1〜T12)、腰椎レベル(L1〜L5)、仙骨部に対応します。

反応の見方(例):圧痛が強い=その臓腑に異常あり(実証・病邪あり)/硬くしこり状=慢性化・瘀血・寒湿が関与/熱感・発赤=熱証・炎症がある/だるさ・無力感=気血不足・虚証を示す。

よく使われる疾患(例):慢性疾患(慢性咳嗽、喘息、胃炎、慢性下痢、便秘、腰痛、膝痛 など)/虚証(気虚、血虚、腎虚、脾虚、心虚 など)/自律神経失調症、不眠、冷え症、疲労感、アレルギー体質 など。

覚え方(語呂)は「肺心肝(胆)脾胃腎・大腸小腸膀胱三焦!」

臓腑名背部兪穴名位置(第何胸椎の高さ)主な作用・主治(例)
肺兪(はいゆ)第3胸椎棘突起下外方1.5寸咳嗽、喘息、気短、息切れ、皮膚の乾燥 など
心兪(しんゆ)第5胸椎棘突起下外方1.5寸心悸、不眠、健忘、不安、動悸、顔色不良 など
肝兪(かんゆ)第9胸椎棘突起下外方1.5寸イライラ、頭痛、めまい、月経不順、目の疲れ など
脾兪(ひゆ)第11胸椎棘突起下外方1.5寸食欲不振、腹部膨満、倦怠感、下痢、内臓下垂 など
胃兪(いゆ)第12胸椎棘突起下外方1.5寸胃痛、嘔吐、げっぷ、消化不良、食欲不振 など
腎兪(じんゆ)第2腰椎棘突起下外方1.5寸腰痛、耳鳴り、頻尿、性機能低下、冷え など
大腸大腸兪(だいちょうゆ)第4腰椎棘突起下外方1.5寸便秘、下痢、腹部膨満、腹痛、痔疾 など
膀胱膀胱兪(ぼうこうゆ)第2仙骨棘突起下外方1.5寸排尿障害、腰痛、下肢のしびれ、冷え など
小腸小腸兪(しょうちょうゆ)第1腰椎棘突起下外方1.5寸下痢、腹痛、消化吸収不良、便秘 など
胆兪(たんゆ)第10胸椎棘突起下外方1.5寸口苦、めまい、黄疸、頭痛、側頭部痛 など
三焦三焦兪(さんしょうゆ)第14胸椎棘突起下外方1.5寸(スライド表記のまま)のぼせ、むくみ、喉の渇き、排尿異常 など
五臓六腑に対応する主な背部兪穴の一覧と、臨床での使い方
五臓六腑に対応する主な背部兪穴の一覧と、臨床での使い方

募穴(ぼけつ)とは|五臓六腑の「気」が集まる胸腹部の穴

募穴は胸腹部に存在し、五臓六腑の「気」が集まる重要な経穴です。「募(ぼ)」には"集まる""募る"という意味があり、臓腑の状態が体表へ現れやすい場所と考えられます。

募穴の主な特徴:①急性症状に使われやすい(実証・急性病に反応しやすく、急な痛み・発熱・炎症・気滞などの症状に多用)②内臓疾患への反応が強い(圧痛・緊張・硬さ・冷え・熱感などがよく出る)③腹診との関係が深い(虚実・寒熱・気滞・瘀血などを判断する材料になる)。

部位別のイメージ:胸部の募穴=呼吸器・心の症状に関係/上腹部の募穴=消化器・肝脾の症状に関係/下腹部の募穴=腸・泌尿器・婦人科の症状に関係。

背部兪穴との違い:背部兪穴は「背中にある/臓腑の"状態"を反映/慢性疾患・虚証に使う/治療は補法が中心」、募穴は「胸腹部にある/臓腑の"気が集まる場所"/急性症状・実証に使う/治療は瀉法が多い」。

覚え方(語呂)は「ぼ!ぼ! お腹に出るよ」=募穴は臓腑の気がお腹に集まる場所!

臓腑募穴名位置主な作用・主治(例)
中府(ちゅうふ)鎖骨の下、胸部の外側咳嗽、喘息、胸痛、呼吸困難、気の上逆 など
巨闕(こけつ)胸部の正中線上、みぞおち心痛、不整脈、不眠、動悸、胸苦しさ など
期門(きもん)乳頭の直下、第6肋間脇痛、胸脇苦満、イライラ、月経不順 など
章門(しょうもん)第11肋骨の端の下食欲不振、腹部膨満、倦怠感、下痢 など
中脘(ちゅうかん)みぞおちとへその中間胃痛、嘔吐、げっぷ、消化不良、胃炎 など
大腸天枢(てんすう)へそから指2本分外側便秘、下痢、腹痛、ガス溜まり、腸炎 など
小腸関元(かんげん)へその下、指4本分腹痛、下痢、消化吸収不良、婦人科疾患 など
膀胱中極(ちゅうきょく)へその下、指4本分(正中)排尿異常、頻尿、遺尿、下腹部痛 など
京門(きょうもん)第12肋骨端の下腰痛、冷え、浮腫、耳鳴り、生殖機能低下 など
五臓六腑に対応する代表的な募穴一覧と、腹診での反応の見方
五臓六腑に対応する代表的な募穴一覧と、腹診での反応の見方

原穴(げんけつ)とは|臓腑のエネルギー調整ポイント

原穴は、臓腑の「原気(げんき)」が集まり、留まる重要な経穴です。「原気」とは、生命活動の根本となるエネルギーであり、先天の気(腎精)・臓腑を働かせる基本的な力のこと。原穴は「臓腑のエネルギー調整ポイント」として重要です。

主な作用:①各経脈の虚実調整(気の過不足や気滞・実熱・寒証などのバランスを調整)②臓腑機能の調整(所属する臓腑と深く関係し、臓腑の働きを正常に整える)③慢性疾患・体質改善(気を補い、正気を高めるため、慢性的な不調の根本改善に適する)。

陰経と陽経の違い陰経(6本)は原穴と兪穴が一致する(例:太白=脾経、太渓=腎経 など)。陽経(6本)は原穴が兪穴とは別に存在する(例:太淵〔肺経〕、合谷〔大腸経〕 など)。※国家試験でも頻出ポイント!

臨床での使い方(例):気虚・疲労・免疫低下 → 太淵・太白・太渓/精神不安・不眠・動悸 → 神門・大陵/ストレス・イライラ・頭痛 → 太衝/消化不良・胃痛・食欲不振 → 衝陽/肩こり・頭痛・便秘・歯痛 → 合谷。

覚え方(語呂)は「げんきな体は原穴から!」

経絡名臓腑名原穴位置(取り方の目安)
手太陰肺経太淵(たいえん)手関節の橈側、橈骨動脈の橈側
手少陰心経神門(しんもん)手関節の小指側、尺側手根屈筋腱の橈側
手厥陰心包経心包大陵(だいりょう)手関節の掌側、橈側手根屈筋腱の尺側
手少陽三焦経三焦支溝(しこう)手関節の背側、尺骨茎状突起の後方
手陽明大腸経大腸合谷(ごうこく)手の甲、第1・2中手骨間のやや橈側
手太陽小腸経小腸後渓(こうけい)手関節の小指側、尺骨茎状突起の後方
足太陰脾経太白(たいはく)足内側の第1中足骨基部の後下方
足少陰腎経太渓(たいけい)内くるぶしとアキレス腱の間の陥凹部
足厥陰肝経太衝(たいしょう)足の甲、第1・2中足骨間の後方陥凹部
足少陽胆経丘墟(きゅうきょ)外くるぶし前下方の陥凹部
足陽明胃経衝陽(しょうよう)足の甲、第2中足骨基部の前方陥凹部
足太陽膀胱経膀胱京骨(けいこつ)外くるぶし後方の陥凹部
十二経脈の代表的な原穴一覧。多くは手関節・足関節の近くにある
十二経脈の代表的な原穴一覧。多くは手関節・足関節の近くにある

絡穴(らくけつ)とは|表裏の経絡をつなぐ連絡ポイント

絡穴は、表裏関係にある経絡同士を"連絡する"重要な経穴です。「絡(らく)」には"つなぐ・ネットワーク"という意味があり、経絡の気血の流れを調整する"連絡ポイント"として臨床で非常に重要です。

主な作用:①経絡同士をつなぐ(表裏関係にある経絡の気の流れを連絡・協調させる交通整理役)②気血の偏り調整(多すぎる・少なすぎる・滞るなどの状態、左右差・上下のバランスを整える)③慢性症状に使用(急性よりも慢性的な流れの悪さに強く、慢性疼痛・しびれ・循環障害・痰湿などに多用)。

表裏経(ペアになる経絡):肺経⇔大腸経/心包経⇔三焦経/心経⇔小腸経/脾経⇔胃経/肝経⇔胆経/腎経⇔膀胱経。

絡穴の反応と病証絡脈実(からくみゃくじつ)=経絡の流れが滞り、過剰になった状態で、痛み・腫れ・張り・圧痛が強い・熱感・発赤 など。絡脈虚(からくみゃくきょ)=経絡の流れが不足した状態で、しびれ・麻木・脱力感・だるさ・冷え・感覚の鈍さ など。

覚え方(語呂)は「らく=つなぐ橋!」=絡穴が、経絡同士をつなぎ気血の流れをスムーズにする!

経絡絡穴名位置(目安)主な作用・適応(例)表裏関係
肺経列欠(れっけつ)前腕橈側、橈骨茎状突起の上頭頸部痛・咽喉痛・感冒・咳・呼吸器症状など大腸経
心包経内関(ないかん)前腕掌側、橈側手根屈筋腱と長掌筋腱の間(手首より2寸上)吐き気・嘔吐・胸痛・動悸・不安・自律神経症状など三焦経
心経通里(つうり)前腕掌側、尺側手根屈筋腱の橈側(手首より1寸上)不眠・動悸・心痛・のどの違和感・精神不安など小腸経
脾経公孫(こうそん)足内側、第一中足骨底の前方胃腸虚弱・腹痛・下痢・消化器症状など胃経
胃経豊隆(ほうりゅう)下腿前外側、外くるぶしと膝の中間点の外方で脛骨際痰湿・めまい・頭重・胃もたれ・咳など脾経
肝経蠡溝(れいこう)下腿内側、内くるぶしの上方5寸、脛骨の後縁月経不順・生理痛・精神不安・しびれ・ストレスなど胆経
十二経脈の代表的な絡穴一覧と表裏関係。絡穴は経絡同士をつなぐ「橋」
十二経脈の代表的な絡穴一覧と表裏関係。絡穴は経絡同士をつなぐ「橋」

郄穴(げきけつ)とは|急性症状に効く救急ポイント

郄穴は、経絡を流れる「経気」や「気血」が深く集まる重要な経穴です。「郄(げき)」には"深いすき間""気血が集まる場所"という意味があります。つまり郄穴は、急に起きた異常へ素早く反応する穴として使われます。

主な作用:①急性痛に有効(急に起こった痛み・発作・痙攣・捻挫など、急性病の特効穴)②炎症・激痛に使う(炎症・腫脹・発赤・熱感・激しい痛みに強い効果)③陰経は血証に使われやすい(出血・瘀血・月経異常などに多用)。

郄穴と絡穴の違い:役割は絡穴=経絡同士を連絡する/郄穴=経気が深く集まる。性質は絡穴=調整・緩和(慢性向き)/郄穴=急性・強い反応(急性向き)。得意な病は絡穴=慢性症状・気血の偏り/郄穴=急性症状・激痛・炎症・出血。主な作用は絡穴=気血の調整・疎通/郄穴=止痛・消炎・止血。ポイント:絡穴=慢性 郄穴=急性・激痛

郄穴の反応と病証郄穴実=激しい痛み・腫れ・熱感・発赤・圧痛が強い・急性発症。郄穴虚=だるさ・無力感・しびれ・冷え・痛みが長引く・慢性化しやすい。

覚え方(語呂)は「げき!と痛い時は郄穴!」

経絡郄穴名(読み)部位(目安)主な作用・適応(例)特徴・ポイント
肺経孔最(こうさい)前腕橈側、尺沢と太淵の間急性の咳・喘息・喀血・咽頭痛・呼吸器疾患など急性呼吸器症状の代表穴
胃経梁丘(りょうきゅう)大腿前面、膝蓋骨の外上方急性胃痛・嘔吐・膝の痛み・下肢の痛みなど急性胃痛の特効穴として有名
心経陰郄(いんげき)前腕の内側、神門と通里の間不正出血・動悸・心痛・不眠・舌の強ばりなど陰経の郄穴=血証に使う代表穴
心包経郄門(げきもん)前腕の内側、間使と内関の間胸痛・狭心症・動悸・嘔吐・精神不安など心包の郄穴、胸部の急性痛に有効
膀胱経金門(きんもん)下腿後面、アキレス腱の外側急性腰痛・足のしびれ・背部痛・膝裏の痛みなど腰・下肢の急性痛によく使用
胆経外丘(がいきゅう)下腿外側、外果の上方約7寸胸脇部痛・耳鳴り・頭痛・下肢のしびれなど側頭部の痛みに有効
十二経脈の代表的な郄穴一覧。郄穴は急性の痛み・炎症に素早く対応する穴
十二経脈の代表的な郄穴一覧。郄穴は急性の痛み・炎症に素早く対応する穴

陰経の郄穴と血証の関係

陰経の郄穴は、血を調整し、出血を止めたり、瘀血の痛みを改善する作用が強いとされています。※陰経の郄穴は「出血・瘀血・血痛」に対して特に有効!

陰経郄穴主な作用代表的な病症の例
陰郄(心経)血を調え、出血を止める不正出血・舌の強ばり・動悸
地機(脾経)血虚・血熱を調整月経痛・帯下・出血傾向
郄門(心包経)血を巡らせ、胸痛を和らげる心痛・狭心症・瘀血による痛み
通里(心経)血行を改善し、痛みを緩和不眠・動悸・舌の強ばり

八会穴(はちえけつ)とは|臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄の専門穴

八会穴は、人体を構成する重要な要素(臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄)が"集まる(会する)穴"です。それぞれの組織や機能に強く作用する代表穴として使います。

よく使う組み合わせ(例):章門+太衝(肝脾不和・ストレス)/膻中+内関(胸苦しさ・動悸)/膈兪+三陰交(血虚・月経異常)/陽陵泉+委中(筋痙攣・側腹部痛)。

覚え方(語呂)は「章中膻膈 陽太大懸」=章門(しょうもん)・中脘(ちゅうかん)・膻中(だんちゅう)・膈兪(かくゆ)・陽陵泉(ようりょうせん)・太淵(たいえん)・大杼(だいじょ)・懸鐘(けんしょう)。

分類八会穴場所(目安)主な作用・適応(例)主に関わる組織・機能
臓会章門(しょうもん)第11肋骨、季肋部肝・脾など五臓の機能調整、消化不良、腹満、肝脾不和など五臓(肝・心・脾・肺・腎)
腑会中脘(ちゅうかん)臍上4寸六腑の機能調整、胃腸症状全般、嘔吐、腹満、胃痛など六腑(胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦)
気会膻中(だんちゅう)両乳頭を結ぶ線の中点気の調整、胸苦しさ、動悸、息切れ、呼吸器症状、ストレスなど気(宗気・衛気など全身の気)
血会膈兪(かくゆ)第7胸椎棘突起下傍開1.5寸血の異常に有効、血虚・瘀血の調整、貧血、月経異常、めまいなど血(血虚・瘀血・出血など)
筋会陽陵泉(ようりょうせん)腓骨頭前下方の陥凹部筋・腱の異常、痙攣、運動器疾患、側腹部痛、胆疾患など筋・腱・靭帯
脈会太淵(たいえん)橈骨動脈の拍動部、手関節前面の陥凹部血脈の調整、呼吸循環の改善、咳嗽、動悸、脈の異常など脈(血管・脈の流れ)
骨会大杼(だいじょ)第1胸椎棘突起下傍開1.5寸骨の異常、頸肩部痛、背部痛、脊柱の症状など骨(骨格・関節)
髄会懸鐘(けんしょう)外踝の後下方、アキレス腱の外側(スライド表記のまま)髄・神経の異常、めまい、耳鳴り、下肢の痺れ、麻痺など髄(骨髄・脊髄・神経)
八会穴一覧と主な作用。「章中膻膈 陽太大懸」で覚える
八会穴一覧と主な作用。「章中膻膈 陽太大懸」で覚える

下合穴(げごうけつ)とは|六腑の気が下肢で合流する重要穴

下合穴は、六腑の気が下肢で合流する穴です。特に「六腑病の治療」において重要で、消化器症状をはじめ、下焦の機能を調整します。

八会穴と下合穴の違い:八会穴は「臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄のそれぞれに対応/組織や機能の異常を調整/全身の慢性病・体質改善に重要」。下合穴は「六腑の気が下肢で合流する穴/六腑病の治療に特化/消化器・排泄器・水分代謝に強い」。

覚え方(語呂)は「三巨陽委」=足三里(そくさんり)・上巨虚(じょうこきょ)・下巨虚(げこきょ)・陽陵泉(ようりょうせん)・委中(いちゅう)・委陽(いよう)。

※特に国家試験では、八会穴の名称と下合穴の対応関係がよく問われます!

六腑下合穴場所(目安)主な作用・適応(例)
足三里(そくさんり)膝蓋骨外下方3寸、脛骨の外側1横指胃痛、嘔吐、消化不良、食欲不振、疲労、免疫力低下など(万能穴)
大腸上巨虚(じょうこきょ)膝蓋骨外下方6寸、脛骨前縁の外側便秘、下痢、腹痛、腸炎、大腸機能の異常など
小腸下巨虚(げこきょ)膝蓋骨外下方9寸、脛骨前縁の外側腹痛、消化不良、吸収障害、小腸機能の異常など
陽陵泉(ようりょうせん)腓骨頭前下方の陥凹部胆嚢炎、胆石、側腹部痛、筋・腱の異常など
膀胱委中(いちゅう)膝窩横紋の中点腰痛、坐骨神経痛、排尿障害、下肢のしびれなど
三焦委陽(いよう)委中の外側1横指水分代謝異常、むくみ、排尿困難など

四総穴(しそうけつ)とは|顔・首・腰・腹の4大代表穴

四総穴は、身体を大きく4つの領域に分け、代表穴で治療する考え方です。「四総穴歌」に基づき、全身を効率よく治療する代表穴として用います。

覚え方は「顔 合谷・首 列欠・腰 委中・腹 三里」。四総穴は「顔・首・腰・腹」の4分類です!

穴名(よみ)主治部位経絡主な作用・適応(例)取り方のポイント
① 合谷(ごうこく)顔面・頭部(面口部)手の陽明大腸経顔面、歯痛、目の症状/鼻づまり、副鼻腔炎/咽喉痛、頭痛、発熱/外感の初期症状手の甲、親指と人差し指の骨が合うくぼみのやや人差し指側。
② 列欠(れっけつ)頭頸部(頭項部)手の太陰肺経頭痛、後頭部痛/頸部のこり、寝違え/咳嗽、呼吸器症状/風邪のひきはじめ手首の横ジワの上、橈骨茎状突起の上方やや外側。
③ 委中(いちゅう)腰背部(腰・背中)足の太陽膀胱経腰痛、背部痛/坐骨神経痛、下肢痛/下肢のしびれ、こむら返り/風邪の高熱時(清熱)膝の裏、膝窩横紋の中央にあるくぼみ。
④ 足三里(あしさんり)腹部(肚腹部)足の陽明胃経胃痛、腹痛、消化不良/下痢、便秘、食欲不振/疲労倦怠、体力低下/免疫力向上、万能穴膝のお皿の下の外側のくぼみから指4本分下、脛骨の外側。
四総穴一覧と主な主治。「顔 合谷・首 列欠・腰 委中・腹 三里」で覚える
四総穴一覧と主な主治。「顔 合谷・首 列欠・腰 委中・腹 三里」で覚える

根結穴(こんけつけつ)と標本穴(ひょうほんけつ)の違い

根結穴は、経絡の「根(始まり)」と「結(終わり)」を重視する理論です。経気の流れの起点と終点に働きかけて全体の流れを整え、上下・内外の循環関係を重視し、遠隔治療に優れます。例えば、足の経穴を使って頭痛を改善するなど、経絡全体の流れをみて治療します。

標本穴は、経絡の「標(症状が現れる場所)」と「本(原因となる根本)」を重視する理論です。症状が出ている場所(標)を治すと同時に、原因となる根本(本)も治します。原因と結果の関係を重視し、根本治療・再発予防に重要です。例えば、肩こり(標)を治しつつ、脾胃虚弱(本)を整えて再発を防ぐ、など。

覚え方のコツ:四総穴は「顔・首・腰・腹」の4分類! 根結は経絡の流れ、標本は原因と結果を意識しよう!

根結穴(こんけつけつ)標本穴(ひょうほんけつ)
意味経絡の「根(始まり)」と「結(終わり)」を重視する理論経絡の「標(症状が現れる場所)」と「本(原因となる根本)」を重視する理論
考え方経気の流れの起点と終点に働きかけて全体の流れを整える症状が出ている場所(標)を治すと同時に、原因となる根本(本)も治す
特徴上下・内外の循環関係を重視/遠隔治療に優れる原因と結果の関係を重視/根本治療・再発予防に重要
主な使い方経絡の流れを整える治療法(虚実・表裏・上下を調整)標治(症状の緩和)と本治(根本改善)を組み合わせて治療する
臨床イメージ足の経穴を使って頭痛を改善するなど、経絡全体の流れをみて治療肩こり(標)を治しつつ、脾胃虚弱(本)を整えて再発を防ぐ など

要穴の配穴法|兪募配穴と原絡配穴

兪募配穴(ゆぼはいけつ)とは、募穴と背部兪穴をセットで使う治療法です。臓腑の状態を効率よく調整できます。
例:肺疾患=肺兪(はいゆ)+中府(ちゅうふ)→ 咳・喘息・呼吸器症状に/胃疾患=胃兪(いゆ)+中脘(ちゅうかん)→ 胃痛・消化不良・胃炎に/腎疾患=腎兪(じんゆ)+京門(きょうもん)→ 腰痛・冷え・泌尿器症状に。
※臓腑治療では「兪(背部)+募(胸腹部)」の配合が基本!

原絡配穴(げんらくはいけつ)とは、原穴と絡穴を組み合わせて、経絡の調整効果を高める配穴法です。
例:太淵(原穴)+列欠(絡穴)→ 肺経の気の流れを調整/太衝(原穴)+蠡溝(絡穴)→ 肝経の気滞・ストレスに/太渓(原穴)+照海(絡穴)→ 腎経の虚・冷えに効果的。
※原穴+絡穴の組み合わせは経絡治療でよく使われる基本法!経絡調整・慢性症状に非常によく使われます。

原穴(げんけつ)絡穴(らくけつ)表裏経のペア
太淵(たいえん)列欠(れっけつ)肺経 → 大腸経
神門(しんもん)通里(つうり)心経 → 小腸経
太衝(たいしょう)蠡溝(れいこう)肝経 → 胆経
郄穴の解説スライド(別バージョン)。陰経の郄穴と血証の関係もあわせて確認
郄穴の解説スライド(別バージョン)。陰経の郄穴と血証の関係もあわせて確認
国試ポイント
① 【五兪穴と主治の組み合わせ】井穴=心下満、栄穴=身熱、兪穴=体重節痛、経穴=喘咳寒熱、合穴=逆気而泄。語呂は「せいしん ゆけい ごう!」。経気は手足の末端(井)から肘・膝(合)へ、井→栄→兪→経→合の順に流れる。
② 【原穴と絡穴の関係】原穴は十二経脈すべてに存在し、陰経では原穴と兪穴が一致する(太白=脾経、太渓=腎経など)が、陽経では原穴が兪穴とは別に存在する(合谷=大腸経など)。これは国試頻出。原穴+絡穴の「原絡配穴」、背部兪穴+募穴の「兪募配穴」もセットで押さえる。
③ 【八会穴と下合穴の対応】八会穴は臓会=章門、腑会=中脘、気会=膻中、血会=膈兪、筋会=陽陵泉、脈会=太淵、骨会=大杼、髄会=懸鐘(語呂「章中膻膈 陽太大懸」)。下合穴は胃=足三里、大腸=上巨虚、小腸=下巨虚、胆=陽陵泉、膀胱=委中、三焦=委陽(語呂「三巨陽委」)。四総穴は顔=合谷、首=列欠、腰=委中、腹=足三里。
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