僧帽弁狭窄症は、僧帽弁口が狭くなることで左房から左室への血液の流れが障害される心臓弁膜症です。主な原因はリウマチ熱で、中高年女性に多くみられます。放置すると左房拡大・心房細動・血栓塞栓症、さらに肺うっ血から右心不全へと進行することがあるため、国試では病態の流れと聴診所見をセットで押さえておきましょう。
| 読み方 | そうぼうべんきょうさくしょう |
|---|---|
| 分類 | 心臓弁膜症(狭窄性病変) |
| 主な原因 | リウマチ熱(溶連菌感染後)、弁の癒着・変形、僧帽弁の石灰化 |
| 好発 | 中高年女性に多い(近年は新規発症は減少傾向) |
| 弁口面積の目安 | 正常4〜5cm2 / 軽度狭窄 約2〜3cm2 / 高度狭窄 1cm2以下(1〜1.5cm2以下で症状が出やすい) |
| 主症状 | 労作時呼吸困難、咳嗽、起座呼吸、夜間発作性呼吸困難(発症まで約20年の経過をとることもある) |
| 聴診所見 | I音亢進、II音後のopening snap(開放音)、心尖部での拡張期ランブル |
| 主な合併症 | 左房拡大、心房細動、左房内血栓による塞栓症(脳塞栓・腎塞栓・末梢塞栓)、肺うっ血・肺高血圧、右心不全 |
| 検査・治療 | 胸部X線・心エコー(特に有用)・心電図で評価。内科的治療(利尿薬・強心薬・不整脈治療・抗凝固療法)+根治的治療(交連切開術・弁置換術・PTMC) |
僧帽弁狭窄症は、左房と左室の間にある僧帽弁口が狭くなり、拡張期に左房から左室へ血液が十分に流れ込めなくなる疾患です。その結果、血液が左房にたまりやすくなります。
僧帽弁狭窄症の代表的な原因はリウマチ熱です。以前は多かった原因ですが、近年は新規発症が減少しています。加齢に伴う石灰化でも起こります。
僧帽弁口面積は正常で4〜5cm2ありますが、狭窄が進むにつれて面積が小さくなり、症状の出やすさや心臓への負担が増していきます。
| 分類 | 弁口面積 | 状態 |
|---|---|---|
| 正常 | 4〜5cm2 | 血液がスムーズに流れる |
| 軽度狭窄 | 約2〜3cm2 | 通り道がやや狭く負担が生じ始める |
| 高度狭窄 | 1cm2以下(1〜1.5cm2以下) | 症状が出やすく、心臓への負担が大きい |
僧帽弁狭窄症が進行すると、左房に負担がかかることで様々な合併症を起こします。進行の流れとして僧帽弁狭窄→左房うっ滞→左房拡大→心房細動という経過をたどりやすいことがポイントです。
左房圧の上昇は肺静脈圧の上昇を経て肺うっ血・肺高血圧へと波及し、最終的に右心系への負担が増大して右心不全に至ることがあります。
主な自覚症状としては、労作時の息切れ・咳嗽・起座呼吸(横になると苦しく座ると楽になる)・夜間発作性呼吸困難があり、発症まで長い経過(約20年)をとることもあります。
| 聴診所見 | 内容 |
|---|---|
| I音亢進 | 僧帽弁の強い緊張と石灰化による |
| Opening snap(開放音) | II音の後、僧帽弁が開く瞬間に聞こえる"パチン"という音 |
| 拡張期ランブル | 心尖部で聴取される低調でザラザラした拡張期の雑音 |
診断には胸部X線・心エコー・心電図を組み合わせ、症状・身体所見とあわせて総合的に判断します。特に心エコーは左房拡大や弁口面積・圧較差を評価でき、診断の決め手となります。
治療は内科的治療と根治的治療に大別されます。