出血傾向とは、止血機構のどこかに異常があり「止血しにくい」状態のことです。小さな刺激でも出血したり、いったん出血すると長引いたりします。国試では血小板・血管壁・凝固系・線溶系という4つの原因分類と、出血部位(表在か深部か)から原因を推定する鑑別が繰り返し問われます。
| 読み方 | しゅっけつけいこう |
|---|---|
| 定義 | 止血機構に異常があり、止血しにくい状態。小さな刺激でも出血し、出血が長引く |
| 原因の4分類 | ①血小板の異常 ②血管壁の異常 ③凝固系の異常 ④線溶系の異常 |
| 代表疾患 | 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、紫斑病・血管炎、血友病、ビタミンK欠乏、肝疾患、DIC |
| 随伴症状 | 点状出血・紫斑・皮下出血・鼻出血・歯肉出血・血尿・消化管出血・月経過多・術後出血過多 |
| 鑑別のキモ | 表在(皮膚・粘膜)=血小板/血管壁、深部(筋肉・関節)=凝固異常、後出血・漏出性=線溶異常 |
| 主な検査 | 出血時間(一次止血)、血液検査(血小板数・貧血)、凝固線溶検査(PT・APTT・フィブリノゲン) |
| 治療 | 原因疾患に応じて。ITPは副腎皮質ステロイド薬・脾臓摘出術、血友病は欠乏凝固因子の補充 |
出血傾向とは、止血機構に異常があり、止血しにくい状態を指します。特定の病名ではなく「症候(主訴)」であり、背景に必ず原因疾患があります。
鍼灸・あマ指の臨床では、刺鍼部の止血が悪い・強い揉み返しや皮下出血が出る患者で疑うべき症候であり、施術前の問診・観察が重要になります。
血管が破れて出血すると、通常は次の4段階で止血します。このどこかに異常があると出血傾向が起こるのが基本の考え方です。
国試では一次止血=血小板、二次止血=凝固因子(フィブリン)の対応をまず押さえます。
| 順番 | 段階 | 内容 |
|---|---|---|
| ① | 血管収縮 | 損傷部の血流を減らす |
| ② | 一次止血 | 血小板が傷口に粘着・凝集し、血小板血栓をつくる |
| ③ | 二次止血 | 血液凝固因子が働きフィブリンを形成し、強い血栓をつくる |
| ④ | 線溶 | 止血後、血栓が溶かされて元に戻る |
出血傾向の原因は、次の4つに整理するのが基本です。国試では「どの系統の異常か」を問う出題が中心になります。
| 分類 | 異常の内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| ① 血小板の異常 | 血小板の数や機能に異常がある(数の減少・機能低下) | 血小板減少(ITPなど)、血小板機能異常 |
| ② 血管壁の異常 | 血管がもろくなり出血しやすくなる | 紫斑病、血管炎 |
| ③ 凝固系の異常 | 凝固因子が不足・異常を起こしフィブリンがつくれない | 血友病、ビタミンK欠乏、肝疾患、DIC |
| ④ 線溶系の異常 | 血栓を溶かす働きが過剰になり止血しにくい | 線溶亢進、DICの線溶優位型 |
出血傾向では、通常より出血しやすい・止まりにくい症状が全身のさまざまな部位に現れます。
皮膚・粘膜・尿・消化管など、部位と特徴をセットで覚えると鑑別に直結します。
異常の種類によって出血しやすい部位と出血の特徴が異なります。ここが鑑別の最重要ポイントです。
まとめると 表在=血小板・血管壁、深部=凝固、後出血=線溶 です。
| 異常の種類 | 出血部位 | 出血徴候 |
|---|---|---|
| 血小板・血管壁の異常 | 体表部、皮膚、粘膜 | 点状出血、小斑状出血、粘膜出血(歯肉出血など) |
| 凝固異常 | 深部、皮下、筋肉、関節 | 大斑状出血、筋肉内出血、関節内出血、後出血(外傷後に遅れて出血) |
| 線溶異常 | 深部組織に多い | 後出血、漏出性出血(血栓が溶解し止血が保てない) |
検査は「血小板・血管・凝固系・線溶系のどこに異常があるか」を見極めるために行います。
治療は原因疾患に応じて行います。不足しているものを補うという発想が基本です。
| 原因疾患 | 主な治療 |
|---|---|
| 特発性血小板減少性紫斑病(ITP) | 副腎皮質ステロイド薬、脾臓摘出術など |
| 血友病 | 欠乏している凝固因子の補充(凝固因子製剤) |