アフロの手アフロの手

室内空気汚染と水・食品衛生の基準値・影響・対策しつないくうきおせんとみず・しょくひんのえいせい

室内空気汚染とは、建材・家具・暖房器具・タバコ・防虫剤・カビ・ダニなどによって室内の空気が汚れ、頭痛・めまい・アレルギー・ぜん息などの原因となる状態です。原因化学物質の代表がホルムアルデヒドとVOC(揮発性有機化合物)で、これによる不調がシックハウス症候群、ごく少量で反応するのが化学物質過敏症(MCS)です。本ページではこのデッキに含まれる水(人体の約60〜65%)・水道水の水質基準・上下水道・残留農薬・食品添加物までまとめて解説します。

室内空気汚染と水・食品の衛生|室内空気汚染と水・食品の衛生 1
読み方しつないくうきおせん
定義室内の空気が汚れることで、頭痛・めまい・アレルギー・ぜん息などの原因になる状態
原因・発生源建材(接着剤・塗料)、家具(合板・接着剤)、暖房器具(燃焼による一酸化炭素や窒素酸化物)、タバコ、防虫剤、カビ、ダニ
主な化学物質ホルムアルデヒド、VOC(揮発性有機化合物:トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン)
人体への影響頭痛、めまい、吐き気、目や喉の刺激、倦怠感、動悸、息苦しさ、皮膚のかゆみ、アレルギー
関連する病態シックハウス症候群、化学物質過敏症(MCS)
対策1時間に1〜2回、5〜10分程度窓を開けて換気。室内の湿気を減らす。空気清浄機や掃除。低ホルムアルデヒド・低VOC製品を選ぶ
同デッキの関連テーマ水(人体の約60〜65%)、水道水(水道法)、上水道、下水道、残留農薬、食品添加物(食品衛生法)
国試での狙われ方ホルムアルデヒド/VOCとシックハウスの関係、水道水の水質基準値、上下水道の工程順、残留基準・食品添加物の根拠法

室内空気汚染の原因と対策

室内の空気が汚れることで、頭痛・めまい・アレルギー・ぜん息などの原因になることがあります。発生源は身近な生活用品や設備です。

対策の基本は換気です。1時間に1〜2回、5〜10分程度窓を開けて換気しましょう。あわせて室内の湿気を減らす、空気清浄機や掃除で汚れを減らすことが挙げられます。

室内空気汚染の7つの発生源と換気の目安
室内空気汚染の7つの発生源と換気の目安

シックハウス症候群と化学物質過敏症(MCS)

新しい建物やリフォームした部屋などで、化学物質によって体に不調が出ることがあります。原因物質と症状を整理します。

シックハウス症候群の原因

症状:頭痛/めまい/吐き気/目や喉の刺激

予防のポイント:新しい家具や建材は十分に換気してから使用する/換気をこまめに行う(窓を開ける、換気扇を使う)/低ホルムアルデヒド製品やVOCの少ない製品を選ぶ。

化学物質過敏症(MCS)は、ごく少量の化学物質に反応してさまざまな体調不良が起こる病気です。原因は香水・柔軟剤・消臭剤などの香り、洗剤・漂白剤などの化学製品、塗料・接着剤、自動車の排気ガスやガソリンのにおい、タバコの煙、コピー機・印刷物のインク、新築・リフォームの建材や家具のにおいなど。症状は頭痛・倦怠感(だるさ)・めまいが代表で、ほかに吐き気・動悸・息苦しさ・皮膚のかゆみなども起こります。原因物質を避けることが予防・改善につながります。

シックハウス症候群化学物質過敏症(MCS)
きっかけ新築・リフォームした建物日常生活のごく少量の化学物質
主な原因ホルムアルデヒド、VOC香り・洗剤・塗料・排気ガス・タバコ・インクなど幅広い
症状頭痛、めまい、吐き気、目や喉の刺激頭痛、倦怠感、めまい、吐き気、動悸、息苦しさ、皮膚のかゆみ
対策発生源を減らす+こまめな換気原因物質を避ける、香りの強い製品を使いすぎない、換気
シックハウス症候群の原因物質と症状
シックハウス症候群の原因物質と症状

VOC(揮発性有機化合物)の代表例

VOCは常温で気体になりやすく、空気中に放散されて健康に影響を与える化学物質の総称です。建材・接着剤・塗料などから放散されます。

長期間にわたって少しずつ放散され、頭痛・目や喉の刺激・めまい・アレルギーなどの原因になることがあります。VOCは新築やリフォーム直後の住宅、新しい家具を使い始めたときに特に濃度が高くなることがあります。対策はこまめな換気、観葉植物を置く(一部のVOCを低減)、低VOC製品を選ぶことです。

物質主な用途
ホルムアルデヒド建材や接着剤などに使用される
トルエン塗料、接着剤、インクなどに使用される
キシレン塗料、印刷インク、接着剤などに使用される
エチルベンゼン塗料、接着剤、ゴム製品などに使用される
スチレンプラスチック、断熱材、接着剤などに使用される
VOCの代表例と放散源
VOCの代表例と放散源

水と人体の水分出納

人体の約60〜65%は水です。水は体温の調節、栄養素の運搬、老廃物の排出、関節や内臓の保護、消化・吸収のサポートという役割を果たします。成人は約2.5L/日の水を出し入れしており、水分のバランスが崩れると脱水やむくみなど体調不良の原因になります。

体に入る水(約2.5L/日)体から出る水(約2.5L/日)
飲み物約1.2L約0.9L
食事(食べ物)約1.0L尿約1.5L
体内でつくられる水約0.3L呼気(息)約0.1L
合計約2.5L便約0.1L
合計約2.5L
成人の1日の水分出納(約2.5L)
成人の1日の水分出納(約2.5L)

水道水の水質基準と上下水道

水道水は、安心して飲めるように水道法で水質基準が定められています。浄水場での処理は①ろ過 → ②沈殿 → ③消毒(塩素)の流れです。ろ過は砂やろ材の層で細かいゴミや濁りを取り除き、沈殿は水の流れをゆるやかにして重い汚れを底に沈め、消毒は塩素を加えて病原菌などの有害な微生物を殺菌します。

上水道は川や湖の水をきれいにして家庭まで安全な飲料水を届けるしくみで、流れは①取水 → ②浄水場 → ③配水 → ④家庭(取水→浄水場→配水池→配水管→家庭の蛇口)です。

下水道は生活排水・雨水を集めて処理し、きれいな水にして自然に戻すしくみで、流れは①発生源 → ②下水管へ → ③下水処理場 → ④放流。下水処理の工程は①沈砂池 → ②最初沈殿池 → ③反応タンク(微生物が汚れを分解する)→ ④最終沈殿池 → ⑤消毒(塩素などで消毒)です。下水道の目的は①水質保全 ②感染症予防 ③公衆衛生向上の3つ。

項目基準値の例(上限)
一般細菌100個/mL以下
大腸菌検出されないこと
塩化物イオン200mg/L以下
有機物(TOC)3mg/L以下
pH値5.8以上 8.6以下
残留塩素0.1mg/L以上
水道水の水質基準の例と浄水場の3工程
水道水の水質基準の例と浄水場の3工程

残留農薬と食品添加物

残留農薬とは、農薬が食品に残ることです。農薬は農作物の病害虫や雑草を防ぐために使用されますが、収穫後や加工後もごくわずかに食品に残ることがあります。厚生労働省は食品ごとに「残留基準(ppm:1kg中の農薬の最大残留量)」を定めています。残留基準とは、人が一生涯その食品を毎日食べ続けても健康に悪影響がないと考えられる量として設定された基準です。国が定めた基準値以下であれば健康に害はないとされ、残留農薬が多すぎる食品は流通や販売が禁止されます。よく洗う・皮をむく・加熱するなどで減らすことができます。

食品添加物は、食品の製造・加工・保存の目的で食品に加えられる物質です。目的は保存・着色・甘味・香料・酸化防止・乳化・増粘の7つが挙げられています。使用は必要最小限にとどめられ、安全性が確認されたものだけが使用されます。食品添加物は「食品衛生法」に基づき、安全性の評価・使用基準の設定・監視/検査・表示の義務が定められ、使用した食品には原則として「〇〇(添加物の名称)」と表示することが義務づけられています。

食品の例残留基準の例主な農薬の例
キャベツ0.05 ppmクロルピリホス、イミダクロプリド など
トマト0.3 ppmアセタミプリド、フェンプロパトリン など
米(玄米)0.2 ppmイミダクロプリド、ピリミホスメチル など
みかん0.1 ppmジノテフラン、マラチオン など
いちご0.2 ppmスピノサド、フルアジナム など
食品ごとに定められた残留基準(ppm)
食品ごとに定められた残留基準(ppm)
国試ポイント
① シックハウス症候群の二大原因物質はホルムアルデヒドとVOC。VOCの代表例はトルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン。
② 換気の目安は1時間に1〜2回、5〜10分程度。化学物質過敏症(MCS)は「ごく少量」で反応する点がシックハウスとの違い。
③ 成人の水分出納は入・出とも約2.5L/日。出る側で最多は尿の約1.5L、次いで汗0.9L。人体の水分は約60〜65%。
④ 水道水の水質基準は水道法。一般細菌100個/mL以下、大腸菌は検出されないこと、pH 5.8〜8.6、残留塩素は0.1mg/L以上(上限ではなく下限の引っかけに注意)。
⑤ 浄水場はろ過→沈殿→消毒(塩素)、下水処理は沈砂池→最初沈殿池→反応タンク→最終沈殿池→消毒。反応タンクは微生物による分解が要点。
⑥ 残留農薬の残留基準は厚生労働省が食品ごとにppmで設定。食品添加物の根拠法は食品衛生法で、表示は原則義務。
📖 室内空気汚染と水・食品の衛生をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習