鍼の手技は大きく、鍼を刺し入れる「刺鍼術式」と、刺入以外の刺激を用いる「特殊鍼法」に分けて覚えます。刺鍼術式の柱は捻鍼術・打鍼術・管鍼術の3つで、なかでも管鍼術は杉山和一が改良し日本で最も普及した術式です。さらに抜鍼時の補瀉、接触鍼法・鍉鍼・円鍼といった刺さない鍼、焠鍼法・刺絡法・鍼通電療法・皮内鍼法まで、名称と操作の対応を取り違えないことが得点の分かれ目になります。
| 読み方 | はりのしはりじゅつととくしゅしんぽう |
|---|---|
| 定義 | 鍼を刺入する操作(刺鍼術式)と、刺入以外の方法で経穴・経絡に刺激を与える手技(特殊鍼法)の総称 |
| 主な刺鍼術式 | 捻鍼術(回旋しながら刺入)/打鍼術(小槌で軽く打ち込む)/管鍼術(鍼管を使って刺入) |
| 日本独自の術式 | 管鍼術=杉山和一の改良により普及。鍼管により刺入がしやすく、痛みが少ない |
| 刺さない鍼 | 接触鍼法(刺さずにやさしく接触)/鍉鍼(押す)/円鍼(こする=擦過鍼法) |
| 熱・出血を伴う手技 | 焠鍼法(火で熱した鍼を用い、温める・痛みケア)/刺絡法(少量の血液を出して刺激) |
| 持続・電気刺激 | 鍼通電療法(マイクロカレント等の電気刺激)/皮内鍼法(皮内に留置して持続刺激) |
| 補瀉の操作 | 抜鍼法では、補法=抜鍼後に鍼孔を軽く圧して閉じる/瀉法=鍼孔を軽く広げて開く |
| 禁忌・注意 | 刺絡法は清潔操作・使い捨て・使用後の適切な管理(感染性廃棄物)が必須。焠鍼法は熱傷に注意 |
| 国試での狙われ方 | 術式名と操作の対応、管鍼術=杉山和一、補法と瀉法の鍼孔操作の逆転、刺さない鍼の器具名(鍉鍼・円鍼) |
まずは鍼を刺し入れる術式を3つ、操作イメージとセットで押さえます。名称だけを暗記すると「打鍼術=回旋」のような入れ替え問題で失点します。捻る/打つ/管を使うという動作の違いで覚えるのが確実です。
| 術式 | 読み | 操作の要点 | キーワード |
|---|---|---|---|
| 捻鍼術 | ねんしんじゅつ | 鍼を回旋しながら刺入する | 回旋・撚る |
| 打鍼術 | だしんじゅつ | 小槌で軽く打ち込む | 小槌・腹部 |
| 管鍼術 | かんしんじゅつ | 鍼管を使って刺入する | 鍼管・日本で普及 |
管鍼術は杉山和一の改良によって完成し、日本で最も広く用いられる刺鍼術式になりました。鍼管を皮膚に立てて鍼を保持することで、鍼が曲がらず、刺入部位が定まり、刺入時の痛みが少ないという利点があります。スライドでも、素の鍼から鍼管付きの鍼へと改良されていく流れが描かれています。
抜鍼法は鍼を抜く操作そのもので補瀉を行う手技です。国試では補法と瀉法の操作が入れ替えて出題されるため、方向で覚えます。補=閉じる(+を逃がさない)/瀉=開く(邪を出す)と結びつけると迷いません。
| 区分 | 抜鍼時の操作 | ねらい | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| 補法 | 鍼孔を軽く圧して閉じる | 気を漏らさず補う | 補うから閉じる |
| 瀉法 | 鍼孔を軽く広げて開く | 邪気を外に出す | 瀉すから開く |
皮膚を貫かずに刺激を与える手技群です。小児・高齢者・過敏な患者・虚証など、刺入刺激が強すぎる場面で選択されます。器具名と操作(押す/こする)の対応が問われます。
| 手技・器具 | 操作 | 刺入 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 接触鍼法 | 鍼先を皮膚にやさしく接触させる | なし | 小児・過敏な患者 |
| 鍉鍼 | 経穴を押す | なし | 虚証・浅い刺激で足りる例 |
| 円鍼(擦過鍼法) | 皮膚・経絡上をこする | なし | 広い範囲の軽い刺激 |
いずれも刺激が強く、安全管理が国試の出題点になる手技です。
刺絡法では血液に触れるため、スライドでも「清潔に」「使い捨て」「適切に管理」の3つが明示されています。使用した鍼は感染性廃棄物として適正に処理します。
| 手技 | 刺激の性質 | 目的・効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 焠鍼法 | 火で熱した鍼 | 温める/痛みケア | 熱傷・過度な加熱に注意 |
| 刺絡法 | 少量の出血 | 瀉血による刺激 | 清潔操作・使い捨て・適切な廃棄管理 |
近代的な機器・器具を用いる手技です。刺激の与え方(電気か、留置か)で区別します。
| 手技 | 刺激 | 器具 | キーワード |
|---|---|---|---|
| 鍼通電療法 | 電気刺激 | 通電装置・コード・鍼 | マイクロカレント/低周波 |
| 皮内鍼法 | 持続刺激 | 皮内鍼・固定用テープ | 留置して長く効かせる |