筋には骨格筋・心筋・平滑筋の3種類があり、このうち心筋と平滑筋は不随意筋で、骨格筋と違って自律的に働きます。心筋は横紋あり・自動性ありで機能的合胞体として心臓全体が協調して収縮し、活動電位と不応期が長いため強縮しません。平滑筋は横紋なし・自律神経支配で、ゆっくり持続的に収縮し疲労しにくく、内臓や血管壁に多く存在します。
| 読み方 | しんきんとへいかつきん |
|---|---|
| 定義 | 心筋=心臓を動かす筋、平滑筋=内臓や血管壁をつくる筋。ともに不随意筋 |
| 横紋の有無 | 心筋=横紋あり/平滑筋=横紋なし(骨格筋は横紋あり) |
| 支配神経 | 心筋=自動性あり(不随意)/平滑筋=自律神経支配 |
| 収縮の性質 | 心筋=活動電位が長く強縮しない/平滑筋=ゆっくり持続的に収縮 |
| 存在する場所 | 心筋=心臓/平滑筋=胃腸管・膀胱・尿管・子宮・血管壁 |
| 特徴的なしくみ | 心筋=機能的合胞体(隣の細胞と電気的につながる)/平滑筋=ペースメーカー細胞による自動性 |
| 疲労・再生 | 心筋・平滑筋ともに疲労しにくい。平滑筋は再生しやすい |
| 国試での狙われ方 | 横紋の有無・随意/不随意・自動性・強縮の可否・機能的合胞体という語句 |
ヒトの筋は大きく骨格筋・心筋・平滑筋の3つに分けられます。このうち骨格筋だけが自分の意志で動かせる随意筋で、心筋と平滑筋は主に不随意筋です。
「意志で動かせるか」「横紋があるか」の2軸で整理すると、心筋は横紋あり・不随意という“例外”の位置にあり、ここが国試で最も狙われます。
心筋は心臓を動かす筋です。顕微鏡で見ると骨格筋と同じく横紋がありますが、意志では動かせない不随意筋で、外から刺激がなくても興奮する自動性を持ちます。
「横紋があるから随意筋」は誤りです。横紋の有無と随意/不随意は別の話だと覚えてください。
| 項目 | 心筋のようす |
|---|---|
| 横紋 | あり |
| 随意性 | 不随意筋 |
| 自動性 | あり(外からの刺激なしで興奮) |
| 活動電位 | 骨格筋より長い |
| 強縮 | しない |
| 疲労 | しにくい |
心筋の筋線維は、隣の細胞と電気的につながっています。そのため多数の細胞がまとまって1つの細胞のように働き、これを機能的合胞体と呼びます。
電気信号がスムーズに伝わるため、心房・心室がそれぞれ一斉に収縮し、ポンプとして有効な拍出ができます。用語そのものが穴埋め・選択肢で問われます。
骨格筋は刺激を連続して与えると収縮がつながって強縮(テタヌス)を起こしますが、心筋は起こしません。理由は活動電位の持続時間が長く、不応期も長いからです。
もし心臓が強縮してしまうと収縮したまま緩まず、血液を送り出せません。心筋は1回の刺激で1回だけ収縮する単収縮をくり返します。
| 比較項目 | 心筋 | 骨格筋 |
|---|---|---|
| 活動電位 | 長い | 短い |
| 不応期 | 長い | 短い |
| 連続刺激の結果 | 単収縮のまま(強縮しない) | 強縮する(テタヌス) |
| 意味 | ポンプ機能の維持に必須 | 強い力を持続的に出せる |
平滑筋は細長い紡錘形の細胞で、内臓や血管の壁に見られます。横紋がなく、自律神経の支配を受ける不随意筋です。
ゆっくり持続的に働く性質は、内臓運動・血管収縮に向いています。
| 存在部位 | はたらきの例 |
|---|---|
| 胃腸管 | 蠕動運動による内容物の移送 |
| 膀胱 | 蓄尿と排尿 |
| 尿管 | 尿の輸送 |
| 子宮 | 分娩時の収縮 |
| 血管壁 | 血管の収縮・拡張による血圧調節 |
平滑筋にも自動性があります。胃腸管・膀胱・尿管・子宮などには自動的に興奮する細胞(ペースメーカー細胞)があり、その興奮が周囲へ広がって筋が動きます。
「自動性は心筋だけ」と思い込むのが典型的な引っかけです。平滑筋にも自動性があります。
3種類の筋を一覧で比較します。国試ではこの表がそのまま出題されると考えてよい範囲です。
心筋は「横紋あり・不随意・自動性あり・機能的合胞体・活動電位が長い・強縮しない・疲労しにくい」、平滑筋は「横紋なし・不随意・自律神経支配・ゆっくり持続的に収縮・疲労しにくい・再生しやすい」とまとめて覚えましょう。
| 項目 | 骨格筋 | 心筋 | 平滑筋 |
|---|---|---|---|
| 横紋 | あり | あり | なし |
| 随意性 | 随意筋 | 不随意筋 | 不随意筋 |
| 支配 | 運動神経支配 | 自動性あり | 自律神経支配 |
| 収縮速度 | 速い | ―(活動電位が長い) | ゆっくり |
| 強縮 | する | しない | 持続的に収縮する |
| 疲労 | しやすい | しにくい | しにくい |
| 再生 | ― | ― | しやすい |