骨格筋は中枢神経の指令を受け、運動ニューロンによって収縮します。指令を伝えるのは通常の筋線維を収縮させるα運動ニューロンと、筋紡錘の錘内筋線維を支配するγ運動ニューロンの2種類です。国試では運動単位・神経支配比・神経筋接合部(アセチルコリンとAChE)・筋紡錘(Ia群)とゴルジ腱器官(Ib群)・α-γ連関が繰り返し問われます。
| 読み方 | こっかくきんのしんけいしはい |
|---|---|
| 定義 | 骨格筋が中枢神経からの指令を運動ニューロンを介して受け、収縮するしくみ |
| 支配する神経 | α運動ニューロン(通常の筋線維=錘外筋線維を収縮)、γ運動ニューロン(筋紡錘の錘内筋線維を収縮) |
| 運動単位 | 1つの運動ニューロンと、それが支配する筋線維のまとまり。ニューロンが興奮すると支配筋線維は同時に収縮する |
| 神経支配比 | 1つの運動ニューロンが支配する筋線維数。細かい運動をする筋(眼・指)は小さい、大きな力を出す筋(大腿・上腕)は大きい |
| 神経伝達物質 | アセチルコリン(ACh)。神経筋接合部で受容体に結合し終板電位を発生、閾値に達すると活動電位→筋収縮 |
| 分解酵素 | AChE(アセチルコリンエステラーゼ)がAChを分解し、刺激が長く残り続けないようにする |
| 感覚受容器 | 筋紡錘=筋の伸び(長さ)を感知・Ia群求心性線維/ゴルジ腱器官(腱受容器)=腱の張力を感知・Ib群求心性線維 |
| 国試での狙われ方 | 運動単位の定義、神経支配比の大小、FF型・S型・FR型の特徴、ACh/AChE、Ia群とIb群の区別、α-γ連関、筋緊張の役割 |
骨格筋は自分で勝手に動くのではなく、中枢神経の指令で収縮します。その指令を筋へ伝えるのが運動ニューロンで、α運動ニューロンとγ運動ニューロンの2種類があります。
「収縮=α、センサー調整=γ」と対にして覚えると混同しません。
| α運動ニューロン | γ運動ニューロン | |
|---|---|---|
| 支配するもの | 通常の筋線維(錘外筋線維) | 錘内筋線維(筋紡錘の中) |
| はたらき | 骨格筋を収縮させる | 筋紡錘の感度を調節する |
| 線維の太さ | 太い | α運動ニューロンより細い |
| 関連キーワード | 運動単位・神経支配比 | α-γ連関 |
運動単位とは、1つの運動ニューロンと、それが支配する筋線維のまとまりのこと。その運動ニューロンが興奮すると、支配されている筋線維は同時に収縮します。
1つの運動ニューロンが何本の筋線維を支配するかを神経支配比といいます。
「細かい動き=少数支配/大きな力=多数支配」が国試の頻出の対比です。
| 項目 | 細かい運動をする筋 | 大きな力を出す筋 |
|---|---|---|
| 神経支配比 | 小さい | 大きい |
| 支配のしかた | 少数支配(少ない筋線維を支配) | 多数支配(多くの筋線維を支配) |
| 例 | 眼・指 | 大腿・上腕 |
| 特徴 | 繊細な調節が可能 | 強い張力を発揮 |
運動単位は収縮速度と疲労しやすさで3型に分けられます。
| 型 | 収縮 | 力・疲労 | 主なはたらき |
|---|---|---|---|
| FF型 | 速い収縮 | 強い力/疲労しやすい | 瞬発運動 |
| S型 | 遅い収縮 | 疲労しにくい | 持久運動・姿勢保持 |
| FR型 | 速い収縮 | 比較的疲労に強い(中間タイプ) | 中間的な運動 |
運動ニューロンの興奮が筋へ伝わる場所が神経筋接合部です。伝達の流れは次の通り。
放出されたAChはAChE(アセチルコリンエステラーゼ)によって分解されます。これにより刺激が長く残り続けない=収縮が終われるようになっています。「神経筋接合部の伝達物質=アセチルコリン、分解酵素=AChE」はセットで暗記です。
筋の状態をモニターする受容器は2つ。どちらが伸び(長さ)でどちらが張力か、そしてIa群かIb群かが最頻出の識別ポイントです。
| 受容器 | 場所 | 感知するもの | 求心性線維 | 主な役割 |
|---|---|---|---|---|
| 筋紡錘 | 筋の中 | 筋の伸び(長さ) | Ia群求心性線維 | 伸張反射・筋の長さの調節 |
| ゴルジ腱器官(腱受容器) | 腱 | 腱の張力 | Ib群求心性線維 | 筋の過剰収縮を防ぐ・筋緊張の調節 |
随意運動では、α運動ニューロンとγ運動ニューロンが同時に働きます。これをα-γ連関(α-γ協同活動)といい、筋が収縮して短くなっても筋紡錘の感度が保たれるという重要な意味があります。
筋緊張(トーヌス)とは、骨格筋が安静時でも完全にはゆるまず、ある程度の緊張を保っている状態のこと。
また筋電図(EMG)は筋の電気活動を記録する検査で、運動神経の興奮・神経筋接合部の伝達・筋そのものの状態を調べることができます。