深部反射(腱反射)とは、腱や筋を打腱器で叩いて筋が収縮するかをみる神経学的検査です。反射弓のどこかが障害されると減弱・消失し、上位ニューロン(錐体路)障害では抑制が外れて亢進します。国試ではこの「低下=反射弓障害/亢進=上位ニューロン障害」というルールと、各反射の叩打部位・反応・神経根がセットで問われます。
| 読み方 | しんぶはんしゃ(深部反射/腱反射) |
|---|---|
| 分類 | 神経学的診察(反射検査)※表在反射・病的反射と対をなす |
| 目的・意義 | 反射の変化から神経障害の部位(上位ニューロンか反射弓か)を推定する |
| 手技・方法 | 打腱器で腱・筋を叩打し、筋収縮(関節運動)の有無と強さをみる。左右差を必ず比較する |
| 減弱・消失 | 反射弓の障害=末梢神経障害・多発性神経炎・脊髄前角の障害・脊髄後索の障害・脊髄癆など |
| 亢進 | 上位ニューロン障害=脳血管障害などで大脳皮質運動領・錐体路が障害され抑制が外れる |
| 強い亢進の所見 | クローヌス(間代/連続的な反復運動)が出現する |
| 代表的神経根 | 上腕二頭筋C5〜6・上腕三頭筋C6〜7・橈骨C6〜8・膝蓋腱L2〜4・アキレス腱S1〜2 |
深部反射は、腱や筋を打腱器で叩いて筋肉が反応するかを見る検査です。叩打による筋の急激な伸張が筋紡錘を刺激し、求心路→脊髄→遠心路(反射弓)を介して筋が収縮します。
深部反射の低下・消失は、反射の通り道である反射弓が壊れたときに起こります。つまり下位運動ニューロンや感覚路側の障害を示唆します。
「通り道が壊れる → 信号が伝わらない → 反射は弱くなる」と単純化して覚えます。
深部反射は普段、上位ニューロン(大脳皮質など)によって抑制されています。そのため脳血管障害などで大脳皮質運動領・錐体路が障害されると、抑制の指令が届かなくなり反射が強くなります。
錐体路障害では、深部反射亢進に加えて病的反射(バビンスキー徴候など)の出現も併せてチェックします。
国試では「反射名・叩打部位・反応・支配神経/神経根」の4点セットで問われます。表で一気に整理しましょう。
| 反射 | 叩く場所 | 反応 | 神経 |
|---|---|---|---|
| 眼輪筋反射 | 外眼角の皮膚 | 閉眼 | 三叉神経 → 橋 → 顔面神経 |
| 下顎反射 | オトガイ部 | 閉口 | 三叉神経 → 橋 → 三叉神経 |
| 上腕二頭筋反射 | 上腕二頭筋腱 | 肘屈曲 | 筋皮神経 C5〜6 |
| 上腕三頭筋反射 | 肘頭上の三頭筋腱 | 肘伸展 | 橈骨神経 C6〜7 |
| 橈骨反射 | 橈骨茎状突起 | 前腕屈曲・回外 | 橈骨神経 C6〜8 |
| 尺骨反射 | 尺骨茎状突起 | 前腕回内 | 正中神経 C6〜T1 |
下肢では膝蓋腱反射とアキレス腱反射が頻出です。肢位(姿勢)まで含めて出題されます。
| 反射 | 叩く場所 | 反応 | 神経 | 肢位のポイント |
|---|---|---|---|---|
| 膝蓋腱反射 | 膝蓋靭帯 | 膝関節伸展 | 大腿神経 L2〜4 | 膝を少し曲げた状態で叩く |
| アキレス腱反射 | アキレス腱 | 足関節底屈 | 脛骨神経 S1〜2 | 足を軽く背屈させた状態で叩く |
覚えることは大きく2つ。「低下=反射弓障害/亢進=上位ニューロン障害」のルールと、神経根の数字です。
語呂は「二頭は5・6、三頭6・7、膝は2・3・4、アキレス1・2」。橈骨は6〜8まで幅があるので別枠でチェックしておきましょう。