輻輳反射(ふくそうはんしゃ)は、近くの物を見るときに両眼が内側に寄り、同時に瞳孔が縮む反射です。検者の指先などを被検者の目に近づけて注視させ、「寄り目+縮瞳」が起こるかを確認します。中枢は中脳にあり、上部脳幹の障害で消失するため、脳幹機能の評価にも用いられる重要な神経学的診察です。
| 読み方 | ふくそうはんしゃ |
|---|---|
| 分類 | 神経学的診察(脳神経・瞳孔反射) |
| 別名・関連 | 近見反応、輻輳-調節反射 |
| 目的・意義 | 中脳〜上部脳幹の機能評価、動眼神経系の評価 |
| 手技・方法 | 検者の指先などを被検者の眼前に近づけ、近くを注視させる |
| 観察点 | (1)両眼が内側に寄るか(輻輳)(2)瞳孔が縮むか(縮瞳) |
| 正常所見 | 両眼内転+両側縮瞳が起こる |
| 中枢 | 中脳(三叉神経中脳路核・動眼神経核が関与) |
| 異常(消失) | 上部脳幹障害で消失。対光反射とともに消失すれば異常 |
輻輳反射とは、近くの物を見るときに起こる反射のことです。遠くを見ている状態から視線を手前に移すと、両眼は鼻側(内側)に寄り、同時に瞳孔が小さくなります。この一連の反応をまとめて「近見反応」とも呼びます。
臨床では、検者が指先やペン先などを被検者の目に近づけて注視させ、この反応が起こるかを確認します。
輻輳反射の検査は特別な器具を必要とせず、検者の指1本でその場で実施できます。何を見ているのかを整理しておくと、国試でも実技でも迷いません。
| 手順 | 内容 | チェックする所見 |
|---|---|---|
| (1) | 被検者に遠くの一点を見てもらう | 開始時の眼位・瞳孔径を確認 |
| (2) | 検者の指先を被検者の眼前に置き、徐々に近づける | 指を注視し続けてもらう |
| (3) | 両眼の動きを見る | 両眼が内側に寄るか(輻輳) |
| (4) | 瞳孔の大きさを見る | 瞳孔が縮むか(縮瞳) |
| (5) | 左右差・反応の有無を判定 | 一側性の障害・反射消失の有無 |
輻輳反射の中枢は中脳です。ここが国試で最も問われる部分で、「輻輳反射の中枢はどこか」という形で頻出します。
両眼を内側に寄せるのは動眼神経支配の内直筋、縮瞳は動眼神経に混じって走る副交感線維(瞳孔括約筋)による反応です。輻輳反射は「動眼神経の運動成分+副交感成分」を同時に評価しているといえます。
上部脳幹が障害されると、輻輳反射は消失します。そのため輻輳反射は、意識障害患者などで脳幹機能が保たれているかを判断する手がかりになります。
反射の有無だけでなく、左右差・反応の速さ・瞳孔の大きさも合わせて観察し、他の脳神経所見と組み合わせて評価することが大切です。
細かく覚えようとせず、「近くを見る → 寄り目+縮瞳、中枢は中脳」の一本線でまとめてしまうのが最短です。
| 問われ方 | 答え |
|---|---|
| 輻輳反射とは | 近くを見ると両眼が内側に寄る反射 |
| 同時に起こる瞳孔変化 | 縮瞳 |
| 中枢はどこか | 中脳 |
| 関与する脳神経核 | 動眼神経核(+三叉神経中脳路核) |
| 障害でどうなるか | 上部脳幹障害で反射消失 |
| 異常と判断する組み合わせ | 対光反射+輻輳反射の両方が消失 |