精神分析療法(精神分析法)はフロイトが創始した心理療法で、自由連想法を用いて患者に頭に浮かぶ考えを自由に話してもらい、夢の内容や無意識の欲求を手がかりに心の奥にある葛藤を探っていきます。適応となるのはヒステリー・強迫性障害など、症状に人格要因が強く関係するものです。国試では、シュルツの自律訓練法(自己暗示によるリラックス法)との人名・特徴の入れ替えが定番の引っかけです。
| 読み方 | せいしんぶんせきりょうほう(せいしんぶんせきほう) |
|---|---|
| 分類 | 心理療法(精神療法)/洞察的精神療法 |
| 創始者 | フロイト(Freud) |
| 中心となる技法 | 自由連想法(頭に浮かぶ考えを自由に話してもらう) |
| 手がかり | 夢の内容・無意識の欲求 → 心の奥にある葛藤を探る |
| 治療者の態度 | 感情的に巻き込まれず中立的な態度で聴き、適切な時期に分析的解釈を与える |
| 重要な4概念 | 転移・抵抗・無意識の葛藤・自己洞察 |
| 適応 | ヒステリー、強迫性障害など人格要因が強く関係する症状 |
| 対比される療法 | 自律訓練法(シュルツ/自己催眠・自己暗示によるリラックス法) |
精神分析法はフロイトによって創始された治療法です。患者の無意識に注目し、そこにある葛藤を意識化することで症状の改善をめざします。
ポイントは「自由に話してもらい、夢や無意識の手がかりから、心の奥にある葛藤を明らかにしていく」という流れです。
治療者は、患者の話に感情的に巻き込まれず中立的な態度で聴きます。そのうえで、適切な時期に分析的な解釈を与えることが求められます。治療過程では次の4つが重要です。
| 概念 | 内容 |
|---|---|
| 転移 | 患者が、過去の重要な人へ向けていた感情を治療者に向けること |
| 抵抗 | 無意識の内容が意識化されることを妨げる心の働き |
| 無意識の葛藤 | 相反する欲求や価値観が、無意識の中でぶつかり合うこと |
| 自己洞察 | 自分の心のしくみや感情に気づき、理解を深めること |
転移とは、患者が過去に向けていた感情を治療者に向けることです。感情の向き先に注目するのがコツで、向きによって次のように分けられます。
| 種類 | 患者が向ける感情 | 具体例 |
|---|---|---|
| 陽性転移 | 信頼・感謝など好意的な感情 | 「ありがとうございます!」と強く慕う |
| 陰性転移 | 憎悪・敵意など否定的な感情 | 「なんでわかってくれないの!」と怒りを向ける |
精神分析法は、ヒステリー・強迫性障害などに適応があります。症状として人格要因が強く関係するものが対象になる、というのが最大のポイントです。
精神分析法とセットで問われるのが自律訓練法です。シュルツが創始した自己催眠法の一種で、注意の集中と自己暗示をくり返し、身体機能や心理機能を自分で調整する方法です。目的は「自律神経の調整」「心身のリラックス」「ストレス反応の軽減」。適応は自律神経失調状態とストレス関連疾患(不眠・頭痛・胃痛など)です。
| 精神分析法 | 自律訓練法 | |
|---|---|---|
| 創始者 | フロイト | シュルツ |
| 性格 | 洞察的精神療法 | 自己催眠法の一種(リラックス法) |
| 方法 | 自由連想法・夢や無意識から葛藤を探る | 注意の集中と自己暗示のくり返し |
| キーワード | 転移・抵抗・無意識の葛藤・自己洞察 | 自律神経の調整・心身のリラックス・ストレス軽減 |
| 適応 | ヒステリー、強迫性障害など人格要因が強い症状 | 自律神経失調状態、ストレス関連疾患 |
自律訓練法の標準練習法では、次のような自己暗示を順に行います。最初は短時間から行い、徐々に時間を延ばします。
そのほかの心理療法には、森田療法(あるがままを受け入れる)、交流分析法、作業療法、集団療法、環境療法、ソーシャルケースワーク、読書療法などがあります。不安・緊張・焦燥・抑うつが強い場合には、必要に応じて薬物療法も併用されます。