このページは「再生」=組織が傷ついたあとに、同じ種類の細胞や組織で補われる現象そのもの、とくに組織ごとの再生能の差を扱います(肉芽組織や瘢痕でふさぐ過程は兄弟ページ「創傷治癒」が担当)。壊れた部分を元と同じ細胞で修復することが再生の本質で、上皮・血液は再生しやすく、神経細胞・骨格筋・心筋細胞は再生しにくいのが国試の最頻出対比です。
| 読み方 | さいせい |
|---|---|
| 定義 | 組織が傷ついたあとに、同じ種類の細胞や組織で補われる現象(壊れた部分を元と同じ細胞で修復すること) |
| 生理的再生 | 古くなった細胞が減り、新しい細胞が増えて入れ替わる、日常的に起こる再生 |
| 生理的再生の代表例 | 表皮・消化管上皮・造血細胞・口腔粘膜・腟粘膜など |
| 再生しにくい細胞 | 神経細胞・骨格筋・心筋細胞(障害されると元通りになりにくく、瘢痕化することがある) |
| 再生の分類(3つ) | ①未分化芽細胞の増殖による再生 ②新生芽組織の増殖による再生 ③欠損部よりの延長による再生 |
| 末梢神経の再生 | 切断された神経線維が伸びて再生する。シュワン細胞が通り道(道案内)になる。うまく接合しないと切断神経腫を作ることがある |
| 再生の機転(停止のしくみ) | 接触抑制、ケイロンなどの抑制因子、成長因子、成長ホルモン、インスリン、性ホルモン |
| 国試での狙われ方 | 再生しやすい組織/しにくい組織の判別、シュワン細胞の役割、切断神経腫、再生の停止に関わる因子 |
再生とは、組織が傷ついたあとに、同じ種類の細胞や組織で補われる現象です。つまり「壊れた部分を、元と同じ細胞で修復すること」を指します。
再生は傷ついたときだけに起こるものではありません。体の中では古くなった細胞が減り、新しい細胞が増えて入れ替わっています。これは日常的に起こる再生で、生理的再生と呼ばれます。
すべての細胞が再生できるわけではありません。とくに神経細胞・骨格筋・心筋細胞は再生しにくく、そのため障害されると元通りになりにくく、瘢痕化することがあります。ここが国試最大の分かれ目です。
再生しにくい細胞は、いったん壊れると元のようには戻りにくい、と覚えましょう。
| 区分 | 代表される細胞・組織 | 障害されたときの結果 |
|---|---|---|
| 再生しやすい | 表皮・粘膜上皮、造血細胞(上皮・血液) | 同じ種類の細胞で補われ、元に戻りやすい |
| 再生しにくい | 神経細胞、骨格筋、心筋細胞 | 元通りになりにくく、瘢痕化することがある |
| 例外的に再生することがある | 末梢神経 | 切断された神経線維が伸びて再生する(シュワン細胞が通り道) |
体の組織は、いろいろな方法で「元に戻る」ため、再生のしくみは3つに分けて整理されます。組織ごとに異なる再生のしくみを押さえることがポイントです。
| 分類 | どこで見られるか | しくみ |
|---|---|---|
| ①未分化芽細胞の増殖による再生 | 表皮・粘膜上皮・骨髄・睾丸など | 基底部にある芽細胞や、骨髄芽球・精祖細胞などが増えて、新しい細胞に分化する |
| ②新生芽組織の増殖による再生 | 結合組織・軟骨・骨組織などの再生 | それぞれの芽細胞(線維芽細胞・骨芽細胞・軟骨芽細胞)が増殖して、その組織に特有の基質を作る |
| ③欠損部よりの延長による再生 | 末梢神経 | 切断された神経線維が伸びて再生する。ただし、うまく接合しないと神経線維が不規則に伸びて切断神経腫を作ることがある |
切れた神経は、シュワン細胞を通り道にして再生します。シュワン細胞が神経再生の道しるべ(ガイド)になる、というのが最重要ポイントです。
うまく接合しない場合(不良再生)は、神経がもつれて増殖し切断神経腫ができます。
再生が一定の大きさで止まる機転には、いくつかの因子が関わっていると考えられています。「増やす因子」と「抑える因子」のバランスで再生は止まります。
| 因子 | はたらき |
|---|---|
| ①接触抑制 | 細胞どうしが触れると、増殖が止まりやすくなる |
| ②ケイロンなどの抑制因子 | 再生を抑える“ブレーキ役”の物質が働く |
| ③成長因子 | 細胞の増殖や修復を調節するシグナル |
| ④成長ホルモン | 体の成長や組織の再生を助ける |
| ⑤インスリン | 代謝や細胞活動を支えて再生にも関わる |
| ⑥性ホルモン | 組織の成長や再生に影響する |
一発暗記:再生は『同じ細胞で元に戻す修復』。上皮・血液はよく再生。心筋・神経は戻りにくい。末梢神経はシュワン細胞が道案内!