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細胞・神経細胞・組織の基礎|構造から神経伝達・筋収縮まで国試頻出ポイント総整理さいぼう・しんけいさいぼう・そしきのきそ

人体は細胞という最小単位から始まり、組織→器官→器官系→個体へと積み上がっていきます。この記事では細胞の構造・神経細胞(ニューロン)の情報伝達・グリア細胞・神経系の分類・筋組織の種類と収縮のしくみまで、国試で問われる解剖学の基礎をまとめて解説します。

細胞・神経細胞・組織の基礎|細胞・神経細胞・組織の基礎 1
細胞の基本構造細胞膜・細胞質・核の3つ
主な細胞小器官ミトコンドリア・ゴルジ装置・小胞体・リソソーム
生体の構成階層細胞→組織→器官→器官系→個体の5段階
ニューロンの構成要素樹状突起・細胞体・軸索・シナプス
主な神経伝達物質アセチルコリン・ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニン
主なグリア細胞星状膠細胞・希突起膠細胞・シュワン細胞・小膠細胞
筋組織の種類骨格筋・心筋・平滑筋の3種類
筋収縮の仕組みアクチンとミオシンによる滑走説

細胞の基本構造と細胞小器官

人体を構成する最小単位が細胞です。細胞は大きく細胞膜・細胞質・核の3つの基本構造からなります。細胞膜は細胞の外側を覆う膜で、内外を区切り物質の出入りを調節します。細胞質は細胞膜の内側にある部分で、さまざまな細胞小器官が存在し生命活動の場となります。核は細胞の中心にあり、遺伝情報(DNA)をもち細胞の働き全体をコントロールする司令塔です。

細胞質の中にはそれぞれ役割の異なる細胞小器官が存在し、互いに協力して細胞の生命活動を支えています。特に小胞体は粗面小胞体(タンパク質の合成・運搬)滑面小胞体(脂質の合成・解毒)で働きが異なる点が国試でよく問われます。

構造・小器官主な働き
細胞膜細胞の外側を覆う膜。内外を区切り物質の出入りを調節する
細胞質細胞膜の内側の部分。細胞小器官が存在し生命活動の場となる
細胞の中心。DNA(遺伝情報)をもち細胞の働きをコントロールする
ミトコンドリア細胞内でエネルギーを作り出す(呼吸)
ゴルジ装置タンパク質や脂質を加工・仕分けし小胞に入れて運び出す
小胞体(粗面)タンパク質の合成・運搬を行う
小胞体(滑面)脂質の合成・解毒などを行う
リソソーム不要になった物質や異物を分解し細胞内をきれいに保つ
細胞の基本構造(細胞膜・細胞質・核)
細胞の基本構造(細胞膜・細胞質・核)

細胞から個体へ:生体の構成階層

生体は細胞→組織→器官→器官系→個体の順に階層的に構成されています。同じ種類の細胞が集まって組織になり、いくつかの組織が集まって特定の機能をもつ器官を形成します。さらに複数の器官が協力して働く器官系のまとまりとなり、器官系が協力して成り立つひとつの生き物が個体です。この順序(細胞→組織→器官→器官系→個体)は国試で並べ替え問題としても頻出のため、丸ごと暗記しておく必要があります。

階層定義
細胞生物の最も基本的な単位
組織同じ種類の細胞が集まったもの
器官いくつかの組織が集まって特定の機能をもつもの
器官系複数の器官が協力して働くまとまり
個体器官系が協力して成り立つひとつの生き物
細胞→組織→器官→器官系→個体の構成階層
細胞→組織→器官→器官系→個体の構成階層

神経細胞(ニューロン)の構造と情報伝達のしくみ

神経細胞(ニューロン)は体の中で情報を受け取り、処理して、次の細胞へ伝える役割を担います。ニューロンは樹状突起(情報を受け取る)・細胞体(情報を処理する)・軸索(情報を送る)・シナプス(次の細胞へ情報を伝える)の4つの部分からなり、情報は樹状突起→細胞体→軸索→シナプスの順に伝わります。

神経細胞は電気信号で情報を伝えます。安静時は細胞内がマイナス(-)ですが、刺激を受けるとNa⁺(ナトリウムイオン)が細胞内へ流入し、細胞内がプラスに転じます。この状態を活動電位といい、活動電位が軸索を伝わることで神経情報が体のすみずみまで運ばれます。

活動電位が神経終末(シナプス前)に到達すると、電位依存性Ca²⁺チャネルが開いてCa²⁺が流入し、シナプス小胞が細胞膜と融合して神経伝達物質がシナプス間隙へ放出されます。放出された伝達物質は次の細胞の受容体に結合し、そこで新たな活動電位が発生することで情報が次々と伝わっていきます。

神経伝達の流れ内容
①活動電位が神経終末へ到達電気信号が軸索を伝わり神経終末に到達する
②Ca²⁺チャネルが開く電位依存性Ca²⁺チャネルが開き、Ca²⁺が神経終末内に流入する
③神経伝達物質が放出されるCa²⁺流入によりシナプス小胞が膜と融合し、伝達物質がシナプス間隙へ放出される
④受容体に結合する伝達物質が次の細胞の受容体に結合する
⑤次の細胞で活動電位が発生する受容体が刺激され新たな活動電位が発生し、情報が伝わる
ニューロンの構造(樹状突起・細胞体・軸索・シナプス)と活動電位
ニューロンの構造(樹状突起・細胞体・軸索・シナプス)と活動電位

神経伝達物質の種類と働き・グリア細胞と髄鞘

主な神経伝達物質にはアセチルコリン(ACh)・ノルアドレナリン(NA)・ドーパミン(DA)・セロトニン(5-HT)があり、ほかにも抑制性のGABAや興奮性のグルタミン酸などが存在します。それぞれ作用する部位や役割が異なるため、代表的な組み合わせを覚えておくことが重要です。

神経細胞(ニューロン)を支える補助細胞がグリア細胞(神経膠細胞)で、神経細胞の5〜10倍存在するといわれています。中枢神経では希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)が、末梢神経ではシュワン細胞が軸索の周囲を包む髄鞘を形成し、電気信号の伝導速度を高めています。髄鞘の切れ目であるランビエ絞輪を電気信号が飛び飛びに伝わる現象を跳躍伝導といい、神経伝導速度が大幅に速くなります。

種類働き・特徴
アセチルコリン(ACh)骨格筋を動かす(運動神経終末・神経筋接合部)
ノルアドレナリン(NA)交感神経に作用。血管収縮・心拍数上昇
ドーパミン(DA)運動制御・意欲。快楽・報酬系にも関与
セロトニン(5-HT)精神安定。気分の安定・睡眠の調節
星状膠細胞(アストロサイト)神経細胞への栄養供給、血液脳関門の形成
希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)中枢神経で髄鞘を形成
シュワン細胞末梢神経で髄鞘を形成
小膠細胞(ミクログリア)異物を食べる(貪食作用)。マクロファージ様細胞
髄鞘とグリア細胞、跳躍伝導のしくみ
髄鞘とグリア細胞、跳躍伝導のしくみ

神経系の分類:中枢神経系・末梢神経系と求心性・遠心性

神経系は大きく中枢神経系(CNS)末梢神経系(PNS)に分かれます。中枢神経系は脳と脊髄からなり、情報を受け取り処理・判断する司令塔です。末梢神経系は脳神経(12対)と脊髄神経(31対)からなり、中枢神経と体の各部をつなぐ連絡網の役割を果たします。

情報の流れには方向性があり、末梢から中枢へ感覚情報を送る流れを求心性(感覚入力)、中枢から末梢へ運動の命令を送る流れを遠心性(運動出力)といいます。またニューロンは機能によって感覚ニューロン(求心性)・運動ニューロン(遠心性)・介在ニューロン(連合ニューロン)の3種類に分類されます。

分類内容
中枢神経系(CNS)脳・脊髄。情報の中継・統合を行う司令塔
末梢神経系(PNS)脳神経(12対)・脊髄神経(31対)。体の各部と中枢をつなぐ
求心性神経末梢から中枢へ情報を送る(感覚入力)
遠心性神経中枢から末梢へ命令を送る(運動出力)
感覚ニューロン感覚器で受け取った情報を中枢神経へ伝える(求心性)
運動ニューロン中枢神経からの命令を筋肉や腺へ伝える(遠心性)
介在ニューロン中枢神経内で他のニューロン同士をつなぎ情報を統合・処理する
神経系の分類(中枢神経系・末梢神経系)と情報の流れ
神経系の分類(中枢神経系・末梢神経系)と情報の流れ

筋組織の種類:骨格筋・心筋・平滑筋と赤筋・白筋

筋組織は骨格筋・心筋・平滑筋の3種類に分けられます。骨格筋は体を動かす随意筋で横紋筋、心筋は心臓を動かす不随意筋で横紋筋、平滑筋は内臓や血管を動かす不随意筋で横紋がないという特徴があります。随意/不随意と横紋の有無の組み合わせは国試の頻出ポイントです。

骨格筋の筋線維はさらに白筋(速筋・TypeⅡ線維)赤筋(遅筋・TypeⅠ線維)に分けられます。白筋は短時間で大きな力を発揮し、ミトコンドリアや毛細血管・ミオグロビンが少なく疲れやすいのが特徴です。赤筋はミトコンドリア・毛細血管・ミオグロビンが豊富で長時間働き続けることができ、姿勢を保つ脊柱起立筋やヒラメ筋などに多く含まれます。

項目骨格筋心筋平滑筋
随意性随意筋不随意筋不随意筋
横紋の有無横紋筋横紋筋横紋なし
代表例腕を曲げる・歩く・走る心臓のポンプ作用胃腸の運動・血管の収縮
筋組織の3種類(骨格筋・心筋・平滑筋)
筋組織の3種類(骨格筋・心筋・平滑筋)

骨格筋の収縮メカニズム:アクチンとミオシンによる滑走説

骨格筋はアクチン(細い糸)ミオシン(太い糸)という2種類のフィラメントが滑り込むことで収縮します。この考え方を滑走説といい、アクチンとミオシン自体の長さは変わらず、互いに滑り込んで重なりが増えることで筋肉全体が短くなります。

筋肉の構造は筋肉→筋線維→筋原線維→サルコメア(筋節)という順に細かくなり、実際に収縮の中心となるのがサルコメア(Z帯からZ帯までの範囲)です。収縮の際は神経からの命令が伝わり、筋小胞体からCa²⁺が放出されてトロポニンに結合し、アクチンとミオシンが結合できる状態になります。ミオシンはATPを使ってアクチンを引き寄せ、アクチンが内側へ滑り込むことでサルコメアが短縮し、筋肉全体が収縮します。収縮時に短くなるのはサルコメア・I帯・H帯であり、A帯(ミオシンの長さ)は変化しない点が国試での引っかけポイントです。

収縮の流れ内容
神経から筋肉へ命令が伝わる
筋小胞体からCa²⁺が放出される
Ca²⁺がトロポニンに結合する
アクチンとミオシンが結合できる状態になる
ミオシンがATPを使ってアクチンを引く
アクチンが内側へ滑り込む
サルコメアが短くなる
筋肉全体が収縮する
アクチンとミオシンによる滑走説と筋収縮の流れ
アクチンとミオシンによる滑走説と筋収縮の流れ
国試ポイント
① 生体の構成階層は「細胞→組織→器官→器官系→個体」の順(並べ替え問題で頻出)
② 神経伝達物質はアセチルコリン=骨格筋(運動神経終末)、ノルアドレナリン=交感神経、ドーパミン=運動・報酬系、セロトニン=精神安定と対応を覚える
③ 髄鞘の形成細胞は中枢神経=希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)、末梢神経=シュワン細胞で異なる(頻出比較)
④ 求心性神経=感覚(末梢→中枢)、遠心性神経=運動(中枢→末梢)の方向を混同しないこと
⑤ 骨格筋=随意筋・横紋筋、心筋=不随意筋・横紋筋、平滑筋=不随意筋・横紋なしという組み合わせを正確に区別する
⑥ 赤筋(遅筋・TypeⅠ)は持久力が高くミトコンドリア・ミオグロビンが豊富、白筋(速筋・TypeⅡ)は瞬発力が高いが疲れやすい
・ 筋収縮時に短くなるのはサルコメア・I帯・H帯で、A帯(ミオシンの長さ)は変化しないという滑走説の引っかけポイントに注意
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