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両医学の理論(東洋医学・西洋医学)の考え方と治則の国試ポイントりょういがくのりろん

両医学の理論とは、現代の鍼灸師が東洋医学と西洋医学の両方の理論を身につけて治療にあたるという考え方です。鍼灸は経穴・奇穴・阿是穴などの体表の部位に刺激を与えて行う治療であり、治療部位の選択には「証」に基づく東洋医学的な考え方と、病態・機能障害に基づく西洋医学的な考え方の両方があります。最終的な治療目的は体表に表れる異常(虚実・圧痛・硬結)を明らかにして改善することで、治則としては補法・瀉法、本治法・標治法、同病異治・異病同治が問われます。

両医学の理論|両医学の理論 1
読み方りょういがくのりろん
定義現代の鍼灸師が東洋医学の理論と西洋医学の理論の両方を身につけ、互いに補い合わせて治療に活かす考え方
鍼灸の刺激部位経穴(東洋医学で定められた基本のツボ)・奇穴(経穴以外の特定の部位)・阿是穴(圧痛・硬結・しこりなどの反応点)
東洋医学的な選穴証(体全体の状態やバランス)を評価し、経絡・経穴を参考に選穴する。気・血・水の状態、臓腑のバランス、陰陽・虚実、五行の偏りをみる
西洋医学的な選穴病態・機能障害をもとに選穴する。痛み・症状の部位、筋・筋膜の問題、関節の動き・可動域、神経の圧迫・炎症をみる
治療の目的体表に表れる異常(虚実・圧痛・硬結)を明らかにして改善すること。四診法(望診・聞診・問診・切診)で把握する
西洋医学に基づく鍼灸客観的データ(解剖学・検査画像・血液検査・理学検査)を重視して治療法を決定し、鍼刺激・灸刺激・鍼通電の生理作用を利用する
治則(東洋医学)虚は補法(関連経脈・母子関係の母を利用)/実は瀉法(関連経脈・子の関係を利用)、本治法と標治法、標本同治・標本兼治、同病異治・異病同治
国試での狙われ方経穴・奇穴・阿是穴の定義の区別、東洋医学的/西洋医学的選穴の対比、急なれば標を治し緩なれば本を治す、同病異治と異病同治の入れ替え、内臓-体性反射

両医学の理論とは — 東洋医学と西洋医学は互いに補い合う

現代の鍼灸師には両医学の理論を身につけることが大切とされます。西洋医学は科学的な検査・診断で原因を明らかにし、東洋医学は体のバランスや自然の法則を理解して整えます。両者は対立するものではなく相互補完の関係にあり、両方を学ぶことで理解が深まり臨床に活かせます。

観点西洋医学東洋医学
よりどころ検査結果(血液検査・画像検査・生化学検査)気・血・水/陰陽/五行
ねらい科学的な検査・診断で原因を明らかにする体のバランスや自然の法則を理解し整える
主な内容解剖学・生理学、検査・診断、症状・原因の特定経絡・気血の流れ、陰陽・バランス、体質・全体の調和
キーワード詳しく理解する全体をみる
東洋医学と西洋医学は互いに補い合う関係にある(相互補完)
東洋医学と西洋医学は互いに補い合う関係にある(相互補完)

鍼灸の刺激部位 — 経穴・奇穴・阿是穴

鍼灸は経穴・奇穴・阿是穴などの体表の部位に刺激を与えて行う治療です。一人ひとりに合わせた刺激で、体質・状態を見極めて的確に刺激を与え、自然治癒力を高めて症状改善をめざします。三者の定義の区別は頻出です。

名称定義(スライド記載)ねらい
経穴東洋医学で定められた基本のツボ全身のバランスを整える
奇穴経穴以外の特定の部位特定の症状へアプローチ
阿是穴圧痛・硬結・しこりなどの反応点局所の症状緩和をめざす
経穴・奇穴・阿是穴 — 体表への刺激で治療する
経穴・奇穴・阿是穴 — 体表への刺激で治療する

治療部位の選択と治療の目的 — 証でみるか、病態でみるか

治療部位の選択には東洋医学的な考え方と西洋医学的な考え方があります。東洋医学的には「証」に基づき全体をみて経穴を選び、西洋医学的には原因部位や構造に基づき刺激部位を選びます。両方の考え方を組み合わせ、症状と所見を総合 → 問題部位を特定 → 最適な刺激部位を決めるという流れが示されています。

そして最終的な治療目的は、体表に表れる異常を明らかにして改善することです。四診法(望診・聞診・問診・切診)を用い、体表の虚実・圧痛・硬結をみて判断します。

選穴の立場評価するもの決め方
東洋医学的気・血・水の状態/臓腑のバランス/陰陽・虚実/五行の偏り証に基づき、全体をみて経穴を選ぶ
西洋医学的痛み・症状の部位/筋・筋膜の問題/関節の動き・可動域/神経の圧迫・炎症原因部位や構造に基づき、刺激部位を選ぶ
治療の目的=体表に表れる異常(虚実・圧痛・硬結)を明らかにして改善する
治療の目的=体表に表れる異常(虚実・圧痛・硬結)を明らかにして改善する

西洋医学に基づく鍼灸 — 客観的データ・生理作用・局所と関連部位

西洋医学に基づく鍼灸は客観的データを重視して治療法を決定します。解剖学・検査画像・血液検査・理学検査から患者データ(解剖学的情報、検査画像・所見、血液データ、理学検査結果、既往歴・生活背景、症状・経過など)を集めて整理し、総合して治療法を決めます。また鍼刺激や灸刺激の生理作用を利用し、鍼通電など現代機器も応用します。

アプローチ内容ねらい
鍼刺激ツボを刺激して神経を活性化生体反応を引き出す
灸刺激温熱刺激で血流アップ体の働きを整える
鍼通電電気刺激で効果を増強現代機器の応用
局所への鍼灸障害や問題のある局所を確認し直接アプローチ(痛み・腫脹・硬結・圧痛)局所の症状改善
関連部位への鍼灸神経走行・血管分布を考え、局所周囲や離れた部位の反応点(圧痛・硬結)をみる局所症状の改善
内臓-体性反射の利用内臓の問題に関連して体表に現れる反応部位(緊張・硬結・圧痛)に施術症状改善を期待
神経刺激を目的とした鍼神経走行・解剖生理を踏まえ深部の神経を的確に狙う(梨状筋下孔部=坐骨神経が梨状筋の下を通過する部位、大腿後部=坐骨神経の走行に沿って深部を刺激)神経機能の調整で痛み・しびれを改善
神経刺激を目的とした鍼 — 梨状筋下孔部・大腿後部と鍼通電
神経刺激を目的とした鍼 — 梨状筋下孔部・大腿後部と鍼通電

東洋医学的な治則 — 補法と瀉法

証を立てたあとの治療原則です。虚を補うときは関連経脈や母子関係を利用し、実を瀉すときは関連経脈や子の関係を利用します。五行の母子関係を使う点が国試の要点です。

段階虚証(補法)実証(瀉法)
①状態不足している状態過剰・充実した状態
②関連経脈虚している経脈や表裏経脈を補う実している経脈や表裏経脈を瀉す
③五行母子関係=五行の母の関係を利用子の関係=五行の子の関係を利用
④手技補法で臓腑・経脈・経穴を補う瀉法で臓腑・経脈・経穴を瀉す
虚を補う方法 — 関連経脈・母子関係を活用
虚を補う方法 — 関連経脈・母子関係を活用

本治法と標治法/同病異治と異病同治

本治法と標治法は、病気の本質と現れた症状を区別して治療する考え方です。「本」は正気・病因・深い病位・先病、「標」は邪気・症状・体表・後病を指します。優先順位は急なれば標を治し、緩なれば本を治す。急性症状が強いときは標治を優先し、落ち着いてから本を治します。本も標もともに重要な場合は標本同治(本と標を同時に治療する)を行い、どちらも重要なときに用いるものを標本兼治としています。

さらに、同病異治は同じ病気でも証が違えば治療法が異なること、異病同治は異なる病気でも証が同じなら同じ治療を行うことです。病名(西洋医学)だけでなく証(東洋医学)を重視するのが東洋医学の特徴です。

用語意味具体例・ポイント
正気・病因・深い病位・先病原因や本質
邪気・症状・体表・後病現れた症状
本治法原因や本質を中心に治療慢性=体質・機能低下・原因疾患など
標治法現れた症状を中心に治療急性=炎症・発熱・痛みなど
急なれば標を治す急性症状が強いときは標治を優先痛み・発熱・咳・頭痛などの急性症状
緩なれば本を治す急を要しないときは本病を治療だるい・疲れやすい・持病・体力低下など
標本同治/標本兼治本と標を同時に治療する/どちらも重要なときに用いる慢性疾患に急性症状が加わることもある
同病異治同じ病気でも証が違えば治療法が異なる病因・季節・年齢・性別・体質で変わる(寒がり・虚弱→温めて補う治療/のぼせ・実熱→清熱・瀉火の治療)
異病同治異なる病気でも証が同じなら同じ治療を行う胃炎と頭痛でも「疲れやすい・食欲不振・冷え・お腹が張る・だるい」と同じ証なら同じ治療法
急は標・緩は本 — 先に治すものを見極める
急は標・緩は本 — 先に治すものを見極める
国試ポイント
① 経穴=東洋医学で定められた基本のツボ、奇穴=経穴以外の特定の部位、阿是穴=圧痛・硬結・しこりなどの反応点。三者の定義の入れ替えが引っかけ。
② 東洋医学的選穴は「証」に基づき経絡・経穴を参考にする、西洋医学的選穴は「病態・機能障害」に基づく。どちらの立場かを問う問題に注意。
③ 治療の目的は体表に表れる異常を明らかにして改善すること。四診法(望診・聞診・問診・切診)でみる指標は虚実・圧痛・硬結。
④ 補法は関連経脈や母子関係(五行の母)を利用し、瀉法は関連経脈や子の関係を利用する。母と子の入れ替えが定番の引っかけ。
⑤ 本=正気・病因・深い病位・先病、標=邪気・症状・体表・後病。「急なれば標を治し、緩なれば本を治す」、両方重要なら標本同治。
⑥ 同病異治=同じ病気でも証が違えば治療が異なる/異病同治=異なる病気でも証が同じなら同じ治療。二語の入れ替えが最頻出。
・ 西洋医学に基づく鍼灸では客観的データ(解剖学・検査画像・血液検査・理学検査)を重視し、内臓-体性反射を利用して体表の反応部位に施術する。
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