このページはPOMR(問題解決志向型診療録)の全体構造——POSの流れ、基礎データ、診察所見、問題リスト、初期計画——を扱います(SOAPによる日々の経過記録の書き方は姉妹ページ「POMR(経過記録)」が担当)。POMRはPOS(問題解決志向システム)に基づき、患者の問題ごとに情報を整理する診療録で、評価・計画・経過を記録して問題を明確にし対応することを目的とします。国試ではPOSの5段階の順序と基礎データに何が含まれるか、初期計画の3本柱(診断・治療・教育)が狙われます。
| 読み方 | ピー・オー・エム・アール(問題解決志向型診療録) |
|---|---|
| 定義 | POS(問題解決志向システム)に基づき、患者の問題ごとに情報を整理して記録する診療録 |
| 構成要素(Pの4文字) | Problem(問題)/Observation(観察・情報)/Subjective(主観情報)/Plan(計画) |
| POSの流れ(5段階) | ①データ収集 → ②問題リスト作成 → ③計画立案 → ④実施 → ⑤評価 |
| 基礎データ | 病歴・主訴、現病歴・既往歴、家族歴、プロフィール(年齢・性別・職業・住所)、診断病名、画像所見、検査所見、服用薬物 |
| 診察所見 | 望診(視診)・聞診・切診(触診)、ROMや理学検査 |
| 問題リスト | ナンバリングして箇条書きにし、現在の問題と今後の問題を分けて優先順位を明確にする |
| 記録の一貫管理 | 初期計画(診断・治療・教育)→ 経過記録(SOAP)→ 最終経過記録。Flow sheetで一覧化 |
| 国試での狙われ方 | POSの5段階の順序、基礎データに含まれる項目、初期計画の3計画、望診・聞診・切診の内容の区別 |
POMRは問題解決志向型の診療録です。スライドでは次の4点が要点として示されています。
頭文字は、Problem(問題)/Observation(観察・情報)/Subjective(主観情報)/Plan(計画)として整理されます。ねらいは「問題を見える化し、最適なケアにつなげる」ことです。
POS(問題解決志向システム)は5つのステップで進みます。順序そのものが出題されます。
| 段階 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| ① | データ収集 | 患者の情報を収集・記録する |
| ② | 問題リスト作成 | 収集した情報から問題点を抽出する |
| ③ | 計画立案 | 目標や具体的な支援計画を立てる |
| ④ | 実施 | 計画に基づき支援を実施する |
| ⑤ | 評価 | 結果を評価し計画を見直す |
基礎データは問題抽出の基盤となる情報群です。診察所見に加え、診断病名・検査所見も基礎データとして重要とされます。
| 区分 | 含まれる情報 |
|---|---|
| 病歴・主訴 | 患者が訴える主たる症状 |
| 現病歴・既往歴 | 現在の経過とこれまでの病気 |
| 家族歴 | 家族の疾患情報 |
| プロフィール | 年齢・性別・職業・住所など |
| 診断病名 | 確定している病名(例:◯◯症候群) |
| 画像所見 | X線などの画像検査所見 |
| 検査所見 | 血液検査、CRP、HbA1c など |
| 服用薬物 | 現在使用している薬剤 |
診察所見は望診(視診)・聞診・切診(触診)の情報として記録します。ROMや理学検査も重要です。各診察の中身はスライドで次のように整理されています。
| 診察 | 相当するもの | 観察・確認する内容 |
|---|---|---|
| 望診(視診) | 見る診察 | 左右差の観察、四肢の動き、表情・肌の色つや、腫れ・変形、必要なら測定して数値化 |
| 聞診 | 聴診に相当(嗅診も含む) | 音・呼吸音・体臭を観察。胸部では聴診器が便利 |
| 切診(触診) | 触れる診察(鍼灸臨床で特に重要) | 脈診・腹診・切経・候背診。触れて異常を把握し、適切な圧で行う。温かい手で信頼関係 |
収集した情報から抽出した問題は、ナンバリングして箇条書きにします。
問題を見える化することが、そのまま最適なケアの選択につながります。
POMRでは記録を初期計画 → 経過記録 → 最終経過記録という流れで一貫管理します。
初期から最終までをつなげることで、質の高いケアが実現します(SOAPの各項目の詳細な書き方は「POMR(経過記録)」のページを参照)。