ペインフルアーク徴候(有痛弧徴候)とは、肩関節を外転していくときに特定の角度(外転60〜120°)だけ痛みが出る所見です。主に棘上筋腱の損傷でみられ、120°を超えると痛みが軽くなる/消えるのがポイント。「肩を上げる途中だけ痛い」なら棘上筋を疑う、が一発暗記のコツです。
| 読み方 | ぺいんふるあーくちょうこう(有痛弧徴候) |
|---|---|
| 分類 | 肩関節の徒手検査法(整形外科的テスト) |
| 目的・意義 | 棘上筋腱損傷(腱板損傷・肩峰下インピンジメント)の検出 |
| 手技・方法 | 肩関節を他動的(自動的にも)に0°から180°まで外転させ、痛みの出る角度をみる |
| 陽性所見 | 外転60〜120°の範囲で肩の痛みが増強する |
| 120°以上 | 痛みが消失または軽減することがある |
| 下降時 | 下ろすときも120〜60°で再び痛む |
| 鑑別 | 五十肩(肩関節周囲炎)などと区別する |
ペインフルアーク徴候は、肩関節を外転するときに、ある特定の角度帯でだけ痛みが出る所見です。「painful arc(痛みの弧)」の名のとおり、外転運動という弧を描く動きの途中の一部分だけが痛くなります。
「肩を上げて途中で痛ければ棘上筋を疑う」と覚えます。
国試で最も問われるのは角度の数値です。肩関節を他動的に外転すると、外転60〜120°の範囲で痛みが強くなります。この角度帯そのものを「ペインフルアーク(有痛弧)」と呼びます。
| 外転角度 | 痛みの有無 | 解説 |
|---|---|---|
| 0〜60° | 痛みは軽い/出にくい | 棘上筋腱がまだ肩峰下に挟まれていない |
| 60〜120° | 強い痛み(=陽性) | 損傷した棘上筋腱が肩峰下で圧迫・摩擦される |
| 120°以上〜180° | 痛みが消失または軽減 | 腱が肩峰下を通り抜けるため圧迫が解ける |
| 下降時120〜60° | 再び痛む | 下ろす途中で再び同じ角度帯を通過するため |
外転をさらに進めて120°以上になると、痛みがなくなる、または軽くなることがあります。これは損傷した棘上筋腱が肩峰下の狭い部分を通過し終え、挟み込み(インピンジメント)から解放されるためです。
肩の痛みで紛らわしいのが五十肩(肩関節周囲炎)です。両者の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | ペインフルアーク徴候(棘上筋腱損傷) | 五十肩(肩関節周囲炎) |
|---|---|---|
| 痛みの出方 | 外転60〜120°の途中だけ痛い | 動かす全域で痛みやすい |
| 120°以上 | 痛みが軽減・消失することがある | 痛みは続き、そもそも上がらない |
| 可動域 | 上げ切ることは可能なことが多い | 可動域制限(拘縮)が強い |
| 特徴的所見 | 有痛弧(painful arc) | 結髪・結帯動作の障害、夜間痛 |