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脳塞栓症の病態・症状・診断・治療のうそくせんしょう

心臓や頸動脈・大動脈弓など別の場所でできた血栓(塞栓子)が脳血管に飛んで突然詰まるタイプの脳梗塞が脳塞栓症です。脳血栓症と違い数分で症状が完成するほど急激に発症し、心房細動をはじめとする心疾患が最大の危険因子となります。広範囲の大梗塞になりやすく、再開通による出血性梗塞や脳浮腫にも注意が必要です。

脳塞栓症|脳塞栓症 1
読み方のうそくせんしょう
分類脳梗塞(虚血性)/塞栓性・心原性脳塞栓が代表
発症様式突然・急激(数分で症状が完成)
最大の危険因子心疾患(心房細動・心筋梗塞・僧帽弁狭窄症・感染性心内膜炎など)
塞栓源心臓・頸動脈・大動脈弓のプラークや血栓
主な症状片麻痺・失語・病態失認などの皮質症状、意識障害
検査・診断CT・MRI・心電図・心エコー・頸動脈エコー
治療抗凝固療法(ヘパリン→ワルファリン)+脳浮腫対策、再発予防

脳塞栓症とは(病態と発症の特徴)

脳塞栓症は、脳以外の場所でできた血のかたまり(塞栓子)が血流に乗って脳の血管まで飛び、そこを突然詰まらせて起こる脳梗塞です。脳の動脈硬化がその場で進んで詰まる脳血栓症とは異なり、脳で新しく血栓ができるのではなく、別の場所から飛んできた血栓が原因である点が本質です。

脳梗塞の中でも急激に発症し、数分で症状が完成する
脳梗塞の中でも急激に発症し、数分で症状が完成する

危険因子と塞栓源(どこから血栓が来るのか)

脳塞栓症の最大の危険因子は心疾患です。心臓由来の血栓が脳へ飛ぶタイプを心原性脳塞栓症と呼び、脳塞栓症の代表です。塞栓子の供給源は心臓だけでなく、頸動脈や大動脈弓のプラーク・血栓も原因になります。

塞栓子の主な供給源は次の3つです。

原因となる心疾患ポイント
心房細動心内に血栓ができやすく、心原性脳塞栓の最多原因
心筋梗塞心内に血栓を形成し塞栓源となる
僧帽弁狭窄症弁膜症により心内に血栓ができやすい
感染性心内膜炎疣贅(感染性の塊)が塞栓子となる
心臓・頸動脈・大動脈弓の血栓が脳へ飛んで詰まる
心臓・頸動脈・大動脈弓の血栓が脳へ飛んで詰まる

症状の特徴(大梗塞・皮質症状・意識障害)

塞栓子が太い血管を一気に詰まらせるため、病変が広い範囲に及ぶ大梗塞になりやすく重症化しやすいのが特徴です。大脳皮質を含む梗塞となることが多く、片麻痺だけでなく多彩な皮質症状を伴います。

「片麻痺だけではない」皮質症状が出るのは、大脳皮質の障害で症状が多彩になるためで、脳塞栓症を疑う重要な手がかりになります。

大脳皮質の障害により失語・病態失認など多彩な症状を伴う
大脳皮質の障害により失語・病態失認など多彩な症状を伴う

急性期に注意する合併症(再開通・脳浮腫・脳ヘルニア)

脳塞栓症では急性期に特有の合併症があり、国試でも狙われます。

合併症キーワード
出血性梗塞急性期に再開通しやすい→再灌流で出血
脳浮腫発症後3〜4日目がピーク・意識レベル低下
脳ヘルニア瞳孔散大・対光反射消失・意識状態の変化
脳浮腫は発症後3〜4日目がピークで意識レベルが低下する
脳浮腫は発症後3〜4日目がピークで意識レベルが低下する

診断と塞栓源の検索

脳塞栓症の診断では、脳の評価に加えて塞栓源をどこから来たか探すことが重要です。大脳皮質を含む梗塞は心原性塞栓症を強く疑う所見です。

CT・MRIに加え心電図・心エコー・頸動脈エコーで塞栓源を検索する
CT・MRIに加え心電図・心エコー・頸動脈エコーで塞栓源を検索する

治療のポイント

治療は抗凝固療法と脳浮腫対策の両輪で予後改善を目指し、再発予防も重視します。

治療の流れはヘパリン→ワルファリンと覚えると整理しやすく、急性期の再発にも注意します。

抗凝固療法(ヘパリン→ワルファリン)と脳浮腫対策を両輪で行う
抗凝固療法(ヘパリン→ワルファリン)と脳浮腫対策を両輪で行う
国試ポイント
① 脳塞栓症は他部位でできた血栓が脳血管に飛んで詰まるタイプで、数分で症状が完成するほど急激に発症する
② 最大の危険因子は心疾患。心房細動が最多で、心筋梗塞・僧帽弁狭窄症・感染性心内膜炎も塞栓源となる(心原性脳塞栓)
③ 塞栓源は心臓・頸動脈・大動脈弓。大脳皮質を含む大梗塞になりやすく、失語や病態失認など皮質症状を伴う
④ 急性期は閉塞血管が再開通しやすく、出血性梗塞をきたすリスクがある
⑤ 脳浮腫は発症後3〜4日目がピークで意識レベルが低下、進行すると瞳孔散大・対光反射消失など脳ヘルニア徴候が出る
⑥ 治療は抗凝固療法(ヘパリン→ワルファリン)と脳浮腫対策が中心
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