慢性腎不全とは、腎機能障害が進行し、体液の恒常性を維持できなくなる病態です。進行すると高窒素血症・高リン血症・高カリウム血症・尿毒症などを起こし、最終的に末期腎不全へと至ります。国試では原因疾患・検査値の変化・治療(食事療法/透析/腎移植)の組み合わせが頻出です。
| 読み方 | まんせいじんふぜん(Chronic Renal Failure:CRF) |
|---|---|
| 主な原因疾患 | 糖尿病性腎症・慢性糸球体腎炎・腎硬化症・多発性嚢胞腎・慢性腎盂腎炎 |
| 好発 | 高齢者に多い(透析導入時の平均年齢は約69.7歳、高齢化に伴い増加傾向) |
| 病態 | GFR(糸球体濾過量)の低下により水・電解質異常と尿毒症物質の蓄積が進行する |
| 主症状 | 全身倦怠感・浮腫・高血圧・悪心嘔吐・貧血・皮膚瘙痒感など多彩な症状 |
| 検査所見 | BUN・クレアチニン上昇、K上昇、Ca低下、P上昇、クレアチニンクリアランス低下 |
| 合併症 | 尿毒症、腎性貧血、腎性骨異栄養症(骨軟化症)、代謝性アシドーシス、易感染性 |
| 治療 | 食事療法(たんぱく質・食塩・カリウム制限)、薬物療法、重症例で血液透析・腹膜透析・腎移植 |
慢性腎不全は、腎機能障害が進行し、体液の恒常性を維持できなくなる病態です。腎臓は本来、老廃物の排泄、体液量の調整、電解質の調整、血圧の調整、ホルモンの分泌という役割を担っていますが、これらの機能が徐々に失われていきます。
慢性腎不全が進行し透析療法を行っている患者は多く、国試でも患者数の規模感が問われることがあります。
慢性腎不全の原因として頻度が高い疾患と、病態を悪化させる生活習慣・要因を整理します。
| 原因として多いもの | 悪化させる要因 |
|---|---|
| 糖尿病性腎症 | 高血圧 |
| 慢性糸球体腎炎 | 高たんぱく食 |
| 腎硬化症 | 高リン食 |
| 多発性嚢胞腎 | 脂質異常症 |
| 慢性腎盂腎炎 | ― |
GFR(糸球体濾過量)の低下により老廃物や水・電解質が体内にたまり、全身に多彩な症状が出現します。
| 分類 | 主な症状 |
|---|---|
| 全身・神経 | 易疲労性・集中力低下・不眠・頭痛・痙攣・昏睡 |
| 循環・呼吸 | 高血圧・不整脈・労作時息切れ・起座呼吸・心膜炎 |
| 消化器 | 悪心・嘔吐・食欲不振・便秘・下痢 |
| 血液・皮膚 | 貧血・出血傾向・皮膚瘙痒・皮下出血 |
| その他 | 甲状腺機能障害・骨軟化症・アミロイドーシス・易感染性 |
尿検査・血液検査・画像検査の3方向から腎機能低下を評価します。国試では検査値の変化の方向(上昇/低下)を正確に覚えることが重要です。
| 検査区分 | 主な所見 |
|---|---|
| 尿検査 | たんぱく尿、血尿、尿比重・浸透圧の低下、尿中β2ミクログロブリン上昇、尿中NAG上昇 |
| 血液検査 | BUN上昇、クレアチニン上昇、Na低下・K上昇、Ca低下・P上昇、尿酸上昇、β2ミクログロブリン上昇、クレアチニンクリアランス低下 |
| 画像・その他 | 画像検査で腎萎縮、腎血流低下、出血時間延長、血小板機能異常 |
治療の基本は薬物療法・食事療法・生活指導であり、重症度に応じて血液透析・腹膜透析、さらには腎移植を考慮します。