公害とは、事業活動などによって生じ、人の健康や生活環境に被害を与えるものをいいます。環境基本法で定められた典型7公害(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭)と、四大公害病の原因物質と症状、水質指標BOD・COD・DOの違いが国家試験の最頻出ポイントです。さらに生体内蓄積と生物濃縮の区別、POPs(残留性有機汚染物質)とストックホルム条約まで押さえておきましょう。
| 読み方 | こうがいとかんきょうおせん |
|---|---|
| 定義 | 公害とは、事業活動などによって生じ、人の健康や生活環境に被害を与えるものをいう |
| 典型7公害 | ①大気汚染 ②水質汚濁 ③土壌汚染 ④騒音 ⑤振動 ⑥地盤沈下 ⑦悪臭 |
| 四大公害病 | 四日市ぜんそく(SO2)・イタイイタイ病(カドミウム)・水俣病(メチル水銀)・新潟水俣病(メチル水銀) |
| 水質環境基準の指標 | DO(溶存酸素)・BOD(生物化学的酸素要求量)・COD(化学的酸素要求量)・SS(浮遊物質量)・大腸菌群数・全窒素/全リン |
| 感覚公害 | 騒音・振動・悪臭。個人差が大きく、苦情件数が多い |
| 主な法規制 | 悪臭防止法(22種類の特定悪臭物質を指定、臭気指数でも評価)/POPsはストックホルム条約(2001年採択)で国際規制 |
| 国試での狙われ方 | 公害病の原因物質と症状の組合せ、BOD・COD・DOの違い、生物濃縮と生体内蓄積の区別、POPsの特徴と条約名 |
公害とは、事業活動などによって生じ、人の健康や生活環境に被害を与えるものを指します。国試では次の典型7公害を確実に覚えます。
このうち騒音・振動・悪臭は「感覚公害」と呼ばれ、感じ方に個人差が大きく、苦情件数が多いのが特徴です。
| 区分 | 主な原因 | 生活・健康への影響 |
|---|---|---|
| 大気汚染 | 工場の煙・自動車排気ガス | 呼吸器疾患など |
| 水質汚濁 | 工場排水・生活排水 | 健康被害・生態系の破壊 |
| 土壌汚染 | 工場排水・農薬・化学肥料・廃棄物 | 地下水汚染・農作物汚染 |
| 騒音 | 工場・建設作業・交通機関 | 睡眠の妨げ・聴力の低下 |
| 振動 | 工事・重機の作業 | 生活への支障 |
| 地盤沈下 | 地下水の過剰くみ上げ・トンネル工事・地盤の圧密 | 洪水・建物の傾き・排水不良 |
| 悪臭 | 工場・畜産業・ごみ/し尿処理・飲食店 | 快適な生活環境の悪化 |
大気汚染は工場や自動車の排出ガスなどが原因で、空気が汚れ健康被害を引き起こします。
水質の環境基準には健康を守るための基準(人の健康を保護するための基準)と、生活環境を守るための基準(水生生物の保全や快適な生活環境のための基準)の2種類があります。
| 指標 | 意味 | 評価の向き |
|---|---|---|
| DO(溶存酸素) | 水に溶けている酸素量 | 多いほど水質が良い |
| BOD(生物化学的酸素要求量) | 河川の有機物汚染の指標 | 低いほど良い |
| COD(化学的酸素要求量) | 湖沼・海域の有機物汚染の指標 | 低いほど良い |
| SS(浮遊物質量) | 水中に浮遊している固形物の量 | 少ないほど良い |
| 大腸菌群数 | 糞便汚染の指標 | 少ないほど良い |
| 全窒素・全リン | 富栄養化の原因 | 少ないほど良い |
土壌汚染の原因は工場排水・農薬・化学肥料・廃棄物。特徴は①地下水汚染と密接に関係(汚染物質が雨や水に溶けて土壌を通り地下水にしみこむ)、②農作物汚染の原因となること。目に見えにくく回復に長い時間がかかるため、予防と早期対策が重要です。
騒音・振動の代表例は①航空機騒音 ②基地騒音 ③鉄道騒音。感覚公害のため個人差が大きく、生活環境に関する苦情の中でも特に件数が多いのが特徴です。影響は睡眠の妨げ・集中力の低下・イライラ/ストレス・聴力の低下・頭痛/めまいなど。対策は防音壁の設置、防音サッシ・二重窓、低騒音/低振動の設備、緑地帯の整備。
地盤沈下の原因は①地下水の過剰くみ上げ ②トンネル工事 ③地盤の圧密。影響は洪水(浸水被害の増大)・建物の傾き・排水不良。対策は地下水採取規制のほか、地下水のかん養、地盤の観測/監視の強化、地盤改良・補強工事、節水の推進。関東平野・濃尾平野・大阪平野・筑後/佐賀平野など平野部や海沿いで起こりやすく、一度起きると元に戻すことが難しい点が重要です。
悪臭は感覚公害の一つで、悪臭防止法により国が規制。22種類の特定悪臭物質を指定して濃度の基準で規制するほか、においの強さを人の嗅覚で測定し数値化した臭気指数でも評価されます。
| 臭気指数 | におい方の目安 |
|---|---|
| 10未満 | ほとんどにおわない |
| 10〜20 | 弱いにおい |
| 20〜30 | 楽に感知できるにおい |
| 30以上 | 強いにおい |
有害な化学物質は自然の中で分解されにくく、生き物の体内にたまったり、食物連鎖で濃度が高くなったりします。この2つの用語の区別は頻出です。
POPs(残留性有機汚染物質)の4特徴は①分解されにくい ②生物に蓄積する ③長距離移動する ④毒性が強い。代表物質はDDT・PCB・ダイオキシン・クロルデン・ヘプタクロルで、2001年に「ストックホルム条約」が採択され、製造・使用の制限や廃絶など国際的な取り組みが進められています。
環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)は、体内のホルモンの働きをまねたり、じゃましたりして正常な機能を妨げる物質で、微量でも影響があるのが特徴。影響は生殖機能障害・発育異常・生態系への影響。発生源はプラスチック製品(ビスフェノールA)、洗剤・化粧品(ノニルフェノール、パラベン)、農薬・防虫剤(DDT、クロルピリホス)、工業製品・排出物(ダイオキシン、PCB)など。
| POPs代表物質 | 説明 |
|---|---|
| DDT | かつて広く使用された農薬。生物濃縮性が高く、鳥の卵の殻を薄くするなどの影響が問題となった |
| PCB | 絶縁油などに使用された化学物質。環境中での残留性が高く、健康被害を引き起こす |
| ダイオキシン | 焼却施設などから発生する化学物質。非常に強い毒性を持つ |
| クロルデン(クロルデン類) | 殺虫剤として使用された農薬。環境中で長く残留し、生物に蓄積する |
| ヘプタクロル(ヘプタクロル類) | 土壌害虫の防除に使用された農薬。残留性・蓄積性が高い |
スライドのまとめでは、公害病の原因物質・症状と、BOD・COD・DOの違いが特に試験によく出題される重要ポイントと示されています。
| 四大公害病 | 原因物質 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 四日市ぜんそく | 二酸化硫黄(SO2) | 気管支ぜんそく・慢性気管支炎 |
| イタイイタイ病 | カドミウム | 骨軟化症・骨折・激しい痛み |
| 水俣病 | メチル水銀 | 感覚障害・運動失調・視野狭窄・中枢神経障害 |
| 新潟水俣病 | メチル水銀 | 水俣病と同様の神経症状 |