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頸部脊柱管狭窄症の病態・症状・診断・治療

頸部脊柱管狭窄症は、頸椎の脊柱管が狭くなり脊髄(頸髄)が圧迫される病気です。もともと脊柱管が狭い「発育性」と、動作や姿勢でさらに狭くなる「動的狭窄」があり、手指のしびれ・巧緻運動障害・歩行障害・排尿障害といった頸髄症状が中心となります。国家試験では変形性頸椎症や後縦靭帯骨化症との区別が重要です。

頸部脊柱管狭窄症|頸部脊柱管狭窄症 1

頸部脊柱管狭窄症とは(病態)

頸部脊柱管狭窄症は、頸椎の脊柱管が狭くなり、その中を通る脊髄(頸髄)が圧迫される病気です。脊髄が圧迫されることで、首の痛みだけでなく手足のしびれや運動の障害が起こります。

初期には首の痛み・しびれ・だるさとして自覚されますが、本質は脊髄圧迫による症状です。

脊柱管が狭くなり脊髄を圧迫する病気
脊柱管が狭くなり脊髄を圧迫する病気

2つのタイプ(発育性と動的)

頸部脊柱管狭窄症は病態によって2つのタイプに分けて理解します。

タイプ特徴
発育性脊柱管狭窄もともと(生まれつき)脊柱管が狭い
動的脊柱管狭窄椎体の後方すべりなどにより、動くと脊柱管が狭くなる

他の頸椎疾患との区別

国家試験では、脊髄・神経を圧迫する頸椎疾患を区別して覚えることが重要です。圧迫の原因が疾患ごとに異なります。

疾患圧迫の原因圧迫されるもの
変形性頸椎症椎間板の変性や骨棘形成神経の圧迫
頸部脊柱管狭窄症脊柱管の狭小化脊髄の圧迫
後縦靭帯骨化症後縦靭帯の骨化脊髄の圧迫
変形性頸椎症・後縦靭帯骨化症とは区別して覚える
変形性頸椎症・後縦靭帯骨化症とは区別して覚える

疫学(好発年齢・性差)

発症年齢と性差は国試頻出です。

40代以降・男性に多い
40代以降・男性に多い

主な症状は頸髄症状

本疾患の主症状は、脊髄圧迫による頸髄症状(脊髄症状)です。首の痛みだけでなく、脊髄症状が重要です。

症状は上肢から下肢・体幹へ広がりうる点が特徴です。

首の痛みだけでなく脊髄症状が重要
首の痛みだけでなく脊髄症状が重要

手指のしびれと巧緻運動障害

初期症状として重要なのが手指のしびれです。約80%で手指のしびれから始まり、多くは両側性で、じんじん・ピリピリした感覚や感覚鈍麻を訴えます。頸椎での神経(脊髄)の圧迫が原因です。

進行すると巧緻運動障害がみられ、指先の細かい動作に支障が出ます。頸髄障害の重要所見です。

手指のしびれで始まることが多く(約80%)ほとんど両側性
手指のしびれで始まることが多く(約80%)ほとんど両側性

歩行障害・排尿障害

病気が進行すると、下肢や体幹にも症状がおよびます。頸髄が圧迫されることで以下が起こります。

歩行や排尿に影響が及ぶのは進行例のサインです。

進行すると歩行・排尿にも影響
進行すると歩行・排尿にも影響

診断のポイント(X線・MRI・CT)

診断はX線・MRI・CTで評価します。それぞれの代表的所見を押さえましょう。

検査撮影代表所見
X線側面像(中立位)脊柱管前後径 12mm以下
X線屈曲・伸展像2mmの後方すべり
MRI矢状断(T2強調像)くも膜下腔の間隙消失・脊髄圧迫
CT軸位断(椎体レベル)扁平な二等辺三角形の脊柱管
X線・MRI・CTで評価する
X線・MRI・CTで評価する

治療と予後

治療は保存療法と手術療法に分かれ、治療の中心は手術です。

予後は症例による差が大きい点に注意します。

治療の中心は手術、予後は症例で差が大きい
治療の中心は手術、予後は症例で差が大きい
国試ポイント
① 頸部脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなり脊髄(頸髄)が圧迫される病気で、40代以降・男性に多い(男女比約2:1)
② 主症状は頸髄症状。手指のしびれで始まることが多く(約80%)、ほとんど両側性
③ 巧緻運動障害(ボタンかけ・箸)、進行すると歩行障害・排尿障害が出現
④ 診断:X線で前後径12mm以下・2mmの後方すべり、MRIでくも膜下腔間隙消失、CTで扁平な二等辺三角形
⑤ 治療の中心は手術(椎弓形成術・前方固定術)。重症例や1年以上罹病例、動的狭窄は予後不良
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