頸部脊柱管狭窄症は、頸椎の脊柱管が狭くなり脊髄(頸髄)が圧迫される病気です。もともと脊柱管が狭い「発育性」と、動作や姿勢でさらに狭くなる「動的狭窄」があり、手指のしびれ・巧緻運動障害・歩行障害・排尿障害といった頸髄症状が中心となります。国家試験では変形性頸椎症や後縦靭帯骨化症との区別が重要です。
頸部脊柱管狭窄症は、頸椎の脊柱管が狭くなり、その中を通る脊髄(頸髄)が圧迫される病気です。脊髄が圧迫されることで、首の痛みだけでなく手足のしびれや運動の障害が起こります。
初期には首の痛み・しびれ・だるさとして自覚されますが、本質は脊髄圧迫による症状です。
頸部脊柱管狭窄症は病態によって2つのタイプに分けて理解します。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 発育性脊柱管狭窄 | もともと(生まれつき)脊柱管が狭い |
| 動的脊柱管狭窄 | 椎体の後方すべりなどにより、動くと脊柱管が狭くなる |
国家試験では、脊髄・神経を圧迫する頸椎疾患を区別して覚えることが重要です。圧迫の原因が疾患ごとに異なります。
| 疾患 | 圧迫の原因 | 圧迫されるもの |
|---|---|---|
| 変形性頸椎症 | 椎間板の変性や骨棘形成 | 神経の圧迫 |
| 頸部脊柱管狭窄症 | 脊柱管の狭小化 | 脊髄の圧迫 |
| 後縦靭帯骨化症 | 後縦靭帯の骨化 | 脊髄の圧迫 |
発症年齢と性差は国試頻出です。
本疾患の主症状は、脊髄圧迫による頸髄症状(脊髄症状)です。首の痛みだけでなく、脊髄症状が重要です。
症状は上肢から下肢・体幹へ広がりうる点が特徴です。
初期症状として重要なのが手指のしびれです。約80%で手指のしびれから始まり、多くは両側性で、じんじん・ピリピリした感覚や感覚鈍麻を訴えます。頸椎での神経(脊髄)の圧迫が原因です。
進行すると巧緻運動障害がみられ、指先の細かい動作に支障が出ます。頸髄障害の重要所見です。
病気が進行すると、下肢や体幹にも症状がおよびます。頸髄が圧迫されることで以下が起こります。
歩行や排尿に影響が及ぶのは進行例のサインです。
診断はX線・MRI・CTで評価します。それぞれの代表的所見を押さえましょう。
| 検査 | 撮影 | 代表所見 |
|---|---|---|
| X線 | 側面像(中立位) | 脊柱管前後径 12mm以下 |
| X線 | 屈曲・伸展像 | 2mmの後方すべり |
| MRI | 矢状断(T2強調像) | くも膜下腔の間隙消失・脊髄圧迫 |
| CT | 軸位断(椎体レベル) | 扁平な二等辺三角形の脊柱管 |
治療は保存療法と手術療法に分かれ、治療の中心は手術です。
予後は症例による差が大きい点に注意します。