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下肢の骨・関節まとめ|寛骨から足弓まで国試頻出ポイントを総整理かしこつかんせつまとめ

下肢帯(寛骨・骨盤)から自由下肢(大腿骨・下腿骨・足の骨)、そして股関節・膝関節・足関節を支える靭帯まで、下肢の骨と関節はつながりで覚えると得点源になります。寛骨臼=股関節、膝関節に腓骨は関与しない、ショパール関節=横足根関節など、国試で狙われる急所を1ページに凝縮しました。

下肢の骨・関節まとめ|下肢の骨・関節まとめ 1
寛骨を構成する3骨腸骨・坐骨・恥骨(思春期以降に癒合)
寛骨臼の役割大腿骨頭がはまる股関節の関節窩
骨盤の性差(女性)骨盤上口は横楕円形・骨盤腔は広い・恥骨下角は大きい
大腿骨頚体角の正常値約120〜130°
足根骨の数7個(距骨・踵骨・舟状骨・内側/中間/外側楔状骨・立方骨)
膝関節に関与する下腿骨脛骨のみ(腓骨は関与しない)
膝関節の主要靭帯前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯・膝蓋靭帯
横足根関節(ショパール関節)の構成距踵舟関節+踵立方関節
足弓の種類内側縦足弓・外側縦足弓・横足弓の3種類

下肢帯(寛骨)の構造と要点

下肢は体幹と接続する下肢帯(寛骨・骨盤)と、実際に動く自由下肢(大腿骨〜足の骨)に大きく分けられます。まずは土台となる寛骨から押さえましょう。寛骨は腸骨・坐骨・恥骨という3つの骨が癒合してできた1つの骨で、思春期頃までは3骨が軟骨結合(Y字軟骨)でつながっていますが、成人ではほぼ完全に癒合し境界が消失します。国試ではこの「3骨癒合」という成り立ちそのものが繰り返し問われます。

国試での引っかけポイントは「寛骨臼=股関節の関節窩」であって、膝関節や仙腸関節と混同させる出題が多いことです。寛骨臼は股関節専用と覚えておきましょう。

寛骨は腸骨・坐骨・恥骨が癒合した骨。寛骨臼は股関節の関節窩、坐骨結節は座位で体重を受ける。
寛骨は腸骨・坐骨・恥骨が癒合した骨。寛骨臼は股関節の関節窩、坐骨結節は座位で体重を受ける。

骨盤の靭帯と骨盤軸・骨盤の性差

寛骨と仙骨をつなぐ靭帯は、骨盤を安定させると同時に大坐骨孔・小坐骨孔という2つの重要な孔を作ります。ここは坐骨神経など多くの神経・血管の通り道になるため、解剖学だけでなく臨床科目でも頻出です。

靭帯名走行できる孔
仙棘靭帯腸骨の後上縁〜仙骨の棘突起大坐骨切痕と合わせて大坐骨孔を形成
仙結節靭帯仙骨の結節〜坐骨結節小坐骨切痕と合わせて小坐骨孔を形成

大坐骨孔・小坐骨孔の境目にあるのが坐骨棘で、産科の内診や会陰神経ブロックの際の触診指標としても重要です。さらに、仙骨岬角の中心から恥骨結合までを結ぶ骨盤軸は、分娩時に胎児が通る経路の目印として国試で問われます。

骨盤には明確な男女差があり、これは分娩に適応した女性骨盤の広さに由来します。

項目男性骨盤女性骨盤
骨盤上口の形ハート形横楕円形
骨盤腔狭い(漏斗形)広い(円筒形)
恥骨下角小さい(鋭角)大きい(鈍角)

「女性骨盤は広く恥骨下角が大きい」というセットで覚えると、分娩に関する設問にも応用できます。骨盤軸と骨盤腔がともに広く確保されていることで、分娩がスムーズに進行します。

男性骨盤は狭くハート形、女性骨盤は広く横楕円形。恥骨下角も女性の方が大きい。
男性骨盤は狭くハート形、女性骨盤は広く横楕円形。恥骨下角も女性の方が大きい。

自由下肢の骨:大腿骨・下腿骨(脛骨・腓骨)・足の骨

自由下肢の骨は大腿骨(1本)→下腿骨(脛骨・腓骨の2本)→足の骨(多数)という順番で覚えると整理しやすい構造です。

特徴重要な部位名
大腿骨人体最大の長骨大腿骨頭・大転子・小転子・頚体角120〜130°
脛骨内側・太い・体重支持脛骨粗面・前縁(弁慶の泣き所)・内果
腓骨外側・細い・体重支持ほぼなし外果
膝蓋骨種子骨大腿四頭筋腱内、膝蓋腱反射に関与

足の骨は近位から足根骨(7個)→中足骨(5本)→指骨(14個:母指2節・他指3節)の順に並びます。足根骨7個の内訳は距骨・踵骨・舟状骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨・立方骨です。特に距骨は足関節を構成する唯一の足根骨で上に脛骨が乗って距腿関節を作り、踵骨は足根骨の中で最大の骨で後方の踵骨隆起にアキレス腱が付着します。

大腿骨は人体最大の長骨で頚体角120〜130°、脛骨は体重支持、腓骨は外果を作る細い骨、膝蓋骨は種子骨。
大腿骨は人体最大の長骨で頚体角120〜130°、脛骨は体重支持、腓骨は外果を作る細い骨、膝蓋骨は種子骨。

股関節・膝関節を安定させる靭帯

股関節と膝関節は、それぞれ役割の異なる靭帯によって安定化されています。

股関節の靭帯

股関節(寛骨臼と大腿骨頭による球関節)は腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯の3つの靭帯が大腿骨頭を包み込むように付着し、強く安定化しています。この3靭帯は寛骨を構成する3骨(腸骨・坐骨・恥骨)それぞれから伸びている点も合わせて覚えると効率的です。

膝関節の靭帯

膝関節は大腿骨と脛骨(腓骨は関与しない)から構成される関節で、運動学的には蝶番関節と顆状関節の性質を併せ持ちます。主要な靭帯は次の4つです。

靭帯走行・付着働き
前十字靭帯(ACL)大腿骨〜脛骨(膝関節内)脛骨の前方動揺を防ぐ/損傷が多い
後十字靭帯(PCL)大腿骨〜脛骨(膝関節内)脛骨の後方動揺を防ぐ
内側側副靭帯(MCL)大腿骨内側上顆〜脛骨内側縁膝の外反を防ぐ
外側側副靭帯(LCL)大腿骨外側上顆〜腓骨頭膝の内反を防ぐ
膝蓋靭帯膝蓋骨〜脛骨粗面(大腿四頭筋腱の続き)膝蓋腱反射に関与

加えて、大腿骨と脛骨の間には線維軟骨でできた内側半月・外側半月があり、衝撃吸収とズレ防止のクッションとして働きます。国試では「外側側副靭帯は腓骨頭に付着する=腓骨は側副靭帯の付着部としては登場するが、膝関節自体の構成骨ではない」というひっかけがよく出題されるので注意しましょう。

膝関節は大腿骨と脛骨で構成(腓骨は関与しない)。靭帯は十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯・膝蓋靭帯の4つ。
膝関節は大腿骨と脛骨で構成(腓骨は関与しない)。靭帯は十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯・膝蓋靭帯の4つ。

足関節・足根関節(ショパール・リスフラン)と足弓

足関節周辺は靭帯損傷や関節の名称が国試で頻出する分野です。まず足関節(距腿関節)は外側靭帯(前距腓靭帯・後距腓靭帯・踵腓靭帯)で補強されており、中でも前距腓靭帯は足関節捻挫(内反捻挫)で最も損傷しやすい靭帯として繰り返し出題されます。

足根骨同士の関節は、内反・外反という動きに関与する3関節(距骨下関節・距踵舟関節・踵立方関節)と、機能的なまとまりを持つ2つの複合関節に整理できます。

関節名別名構成機能的な意味
横足根関節ショパール関節距踵舟関節+踵立方関節足の横断面での可動性、後足部と中足部の境界
足根中足関節リスフラン関節足根骨と中足骨の間足の横断部位として外傷(リスフラン損傷)でも重要

また、足底の底側踵舟靭帯(スプリング靭帯)は舟状骨を支えて内側縦足弓を保持する重要な靭帯で、ここが緩むと扁平足の一因になります。足弓は3種類あり、いずれも靭帯や筋によって維持され、歩行時の衝撃吸収に働きます。

ショパール関節(横足根関節)=距踵舟関節+踵立方関節、リスフラン関節(足根中足関節)、足弓は内側縦・外側縦・横の3種類。
ショパール関節(横足根関節)=距踵舟関節+踵立方関節、リスフラン関節(足根中足関節)、足弓は内側縦・外側縦・横の3種類。
国試ポイント
① 寛骨は腸骨・坐骨・恥骨の3骨が癒合した骨で、3骨が交わる部分が寛骨臼(股関節の関節窩)になる。
② 大坐骨孔=仙棘靭帯+大坐骨切痕、小坐骨孔=仙結節靭帯+小坐骨切痕。境界にあるのが坐骨棘で産科の触診指標。
③ 女性骨盤は骨盤上口が横楕円形・骨盤腔が広い・恥骨下角が大きい(男性はハート形・狭い・小さい)。分娩に有利な構造。
④ 大腿骨頚体角は約120〜130°。この角度から外れると内反股・外反股など股関節疾患の原因になる。
⑤ 膝関節の構成骨は大腿骨と脛骨のみで腓骨は関与しない。ただし外側側副靭帯は腓骨頭に付着する点に注意。
⑥ 足関節捻挫で最も損傷しやすいのは前距腓靭帯(内反捻挫が多いため)。
・ 距骨は足関節を構成する唯一の足根骨、踵骨は足根骨最大でアキレス腱が付着する踵骨隆起を持つ。
・ ショパール関節(横足根関節)=距踵舟関節+踵立方関節、リスフラン関節(足根中足関節)=足根骨と中足骨の間。名称と構成の対応を混同しやすいので要注意。
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