生体の恒常性(ホメオスタシス)は神経系・内分泌系・免疫系の3つがクロストークすることで維持されています。鍼灸刺激は受容器→神経系→内分泌系・免疫系という流れで生体防御機能を調節します。国試では「鍼刺激はNK細胞活性を高める(自然免疫を活性化する)」一方で、「獲得免疫への影響は明確ではない」という対比が最頻出です。
| 読み方 | しんきゅうとめんえきけいのちょうせつ |
|---|---|
| 定義 | 鍼灸刺激が神経系・内分泌系を介して免疫系の働きを変化させる作用機序 |
| 刺激の流れ | 鍼灸刺激 → 受容器刺激 → 神経系 → 内分泌系・免疫系 → 生体防御機能の調節 |
| 恒常性の3系 | 神経系・内分泌系・免疫系のクロストーク=ホメオスタシス |
| 免疫を抑制する物質 | ノルアドレナリン(交感神経から分泌)、CGRP(知覚神経から分泌)、コルチゾール |
| 免疫を活性化する物質 | βエンドルフィン(脳・下垂体)、サブスタンスP(知覚神経)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)、甲状腺刺激ホルモン(TSH) |
| 鍼刺激で増えるサイトカイン | IL-1、IL-6、IFN-γ、TNF-α |
| 自然免疫への影響 | マクロファージ活性↑、サイトカイン産生↑、NK細胞活性↑(増加の報告あり) |
| 獲得免疫への影響 | リンパ球数・抗体産生の増加報告はあるが結果は一定せず「明確ではない」 |
| 国試での狙われ方 | 伝達物質・ホルモンの抑制/活性化の振り分け、HPA軸の順序、NK細胞活性↑、獲得免疫は「明確ではない」 |
生体の恒常性(ホメオスタシス)は、神経系・内分泌系・免疫系という3つの系が互いに情報をやりとり(クロストーク)することで保たれています。鍼灸刺激はこのネットワークに入り込むことで、生体防御機能を調節すると考えられています。
免疫器官には自律神経が分布しており、神経系は神経伝達物質を介して免疫細胞の機能を調節しています。
| 作用 | 物質 | 分泌元 | 免疫への作用 |
|---|---|---|---|
| 抑制 | ノルアドレナリン | 交感神経 | 免疫活性を抑制 |
| 抑制 | CGRP | 知覚神経 | 免疫活性を抑制 |
| 活性化 | β-エンドルフィン | 脳・下垂体 | 免疫活性を促進 |
| 活性化 | サブスタンスP | 知覚神経 | 免疫活性を促進 |
ストレスがかかると視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)が働き、副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。順序は国試頻出です。
| ホルモン | 免疫への作用 |
|---|---|
| コルチゾール | 免疫抑制(マクロファージ活性↓・好中球作用↓・T細胞アポトーシス誘導) |
| 成長ホルモン(GH) | T細胞増殖↑ |
| プロラクチン(PRL) | T細胞活性↑・マクロファージ活性↑ |
| 甲状腺刺激ホルモン(TSH) | 抗体産生↑ |
鍼刺激は自然免疫を活性化する方向に働くことが報告されています。流れを順序どおり覚えましょう。
| サイトカイン | 主な働き |
|---|---|
| IL-1 | 炎症反応の促進、免疫細胞の活性化 |
| IL-6 | 炎症反応の促進、免疫細胞の増殖・活性化 |
| IFN-γ | マクロファージ活性化、抗ウイルス作用 |
| TNF-α | 炎症反応の促進、腫瘍・感染防御 |
獲得免疫の主体はT細胞・B細胞・抗体(免疫グロブリン)です。
鍼刺激によりリンパ球数が増加した、抗体産生が増加したという報告はありますが、研究によって結果が異なり一定していません。したがって国家試験では「鍼刺激による獲得免疫への影響は明確ではない」が正解ポイントとなります。自然免疫(NK細胞活性↑)との対比で問われやすい引っかけです。