静脈は末梢から心臓へ血液を戻す血管の総称で、原則として静脈血(酸素の少ない血液)が流れます。ただし例外として肺静脈だけは動脈血が流れる点が国試最頻出です。この記事では肺静脈・上大静脈・下大静脈・奇静脈系・門脈系という5つの主要な静脈ルートを、それぞれの走行と国試での狙われ方とともに整理します。
| 読み方 | じょうみゃく |
|---|---|
| 血液の性状(原則) | 静脈血(酸素の少ない血液) |
| 唯一の例外 | 肺静脈のみ動脈血が流れる |
| 主な本幹 | 上大静脈・下大静脈 |
| 胸壁の側副路 | 奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈 |
| 特殊な静脈系 | 門脈(消化管・脾臓の血液を肝臓へ運ぶ) |
| 国試での狙われ方 | 肺静脈=動脈血、門脈圧亢進症と側副循環(食道静脈瘤・痔核・メデューサの頭)が頻出 |
肺で酸素を受け取った血液は、肺静脈を通って心臓の左心房へ戻ります。静脈でありながら動脈血が流れる、心臓に直接注ぐ唯一の血管という点が国試の超頻出ポイントです。
| 血管 | 流れている血液 | 向かう先 | 血管の種類 |
|---|---|---|---|
| 肺動脈 | 静脈血(酸素が少ない) | 肺(ガス交換へ) | 動脈 |
| 肺静脈 | 動脈血(酸素が多い) | 心臓の左心房 | 静脈 |
静脈系の本幹は上大静脈(SVC)と下大静脈(IVC)です。全身からの静脈血を集めて、いずれも右心房へ注ぎます。
| 項目 | 上大静脈(SVC) | 下大静脈(IVC) |
|---|---|---|
| 集める場所 | 頭部・上肢・胸部 | 腹部・骨盤・下肢 |
| 主な合流静脈 | 内頭静脈・鎖骨下静脈→腕頭静脈 | 総腸骨静脈・腰静脈・腎静脈・肝静脈など |
| 流れる血液 | 静脈血(酸素の少ない血液) | 静脈血(酸素の少ない血液) |
| 注ぐ先 | 右心房 | 右心房 |
| 位置 | 胸部の上部 | 腹部の後方 |
胸壁や脊柱の静脈血は奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈によって集められ、上大静脈へ注ぎます。上大静脈が閉塞した際の側副循環路として重要です。
門脈は消化管や脾臓の血液を肝臓へ運ぶ特殊な静脈です。大循環に入る前に一度肝臓を経由するルートで、肺を経由せずに肝臓へ直接流れます。
| 流れ | 経路 |
|---|---|
| 消化管からの流れ | 胃・腸 → 門脈 → 肝臓 → 肝静脈 → 下大静脈 |
| 門脈の役割 | 栄養を肝臓へ運ぶ・解毒を行う・血糖調節を行う |
肝硬変などで門脈血流が妨げられると門脈圧亢進症が起こり、血液が他の静脈へ迂回する側副循環が発達します。国試では側副循環の3徴候が頻出です。
| 部位 | 側副循環の名称 | 臨床所見 |
|---|---|---|
| 食道 | 食道静脈瘤 | 破裂すると吐血 |
| 直腸 | 直腸静脈叢 | 痔核(いぼ痔) |
| 臍周囲 | 腹壁静脈怒張 | メデューサの頭 |