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循環障害を総まとめ|水腫・脱水症・血栓形成・塞栓症・ショックを一気に理解するじゅんかんしょうがい(すいしゅ・けっせん・そくせん・しょっく)

循環障害とは、体液や血液の「流れ」が乱れることで起こる病態の総称で、病理学のなかでも国家試験の出題頻度がきわめて高い分野です。ここでは水腫(浮腫)・脱水症・血栓形成・塞栓症・ショックという5つのテーマを、「水が漏れる → 血が固まる → 飛んで詰まる → 全身の循環が破綻する」というひとつの流れとしてつなげて整理します。バラバラに暗記するのではなく、機序でつなぐと一気に得点源になる単元です。

循環障害(水腫・血栓・塞栓・ショック)|循環障害(水腫・血栓・塞栓・ショック) 1
分野病理学(病理学概論・循環障害)
水腫の定義組織間質に水分やリンパ液が異常に貯留した状態
水腫の原因(全身性)うっ血性心不全・腎不全・ネフローゼ症候群・肝硬変・低蛋白血症
水腫の原因(局所性)静脈還流障害・リンパ流障害・炎症(血管透過性亢進)
脱水症の分類一次性脱水(水欠乏)/二次性脱水(ナトリウム欠乏)
血栓形成の三大要因Virchowの三徴=血流停滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進
血栓の種類赤色血栓(静脈・やわらかい)/白色血栓(動脈・硬い)/混合血栓
塞栓の種類血栓塞栓(最多)・腫瘍塞栓・空気塞栓・脂肪塞栓・骨髄塞栓
塞栓症の転帰血管閉塞 → 貧血(虚血)→ 梗塞・壊死/膿血症/転移形成
ショックの定義循環血液量の不足や血管拡張により血圧が低下した状態(循環不全)
ショックの大分類一次性(末梢性)ショック/二次性(心原性)ショック
代表的ショック4型出血性・熱傷性・細菌性(エンドトキシン)・アナフィラキシー

水腫(浮腫)とは — 定義と全身性・局所性の原因

水腫(すいしゅ)とは、組織間質に水分やリンパ液が異常に貯留した状態をいいます。臨床では「浮腫(ふしゅ)」「むくみ」と呼ばれ、顔・手・足など体表に現れます。発生の流れはきわめてシンプルで、血管から水分がしみ出す → 組織間質に水分がたまる → むくみとして現れる、の3ステップです。

間質液の量は、①毛細血管内圧(押し出す力)、②血漿膠質浸透圧(引き戻す力=主にアルブミン)、③血管透過性、④リンパ流の4つのバランスで決まります。このどれかが崩れると水腫になると理解すれば、原因疾患は丸暗記せずに導けます。

水腫は原因の広がりによって全身性水腫局所性水腫に大別されます。国試では「この疾患の浮腫は全身性か局所性か」「機序はどれか」という形で問われます。

また、体腔に液体が貯留したものは特に胸水・腹水・心嚢水と呼ばれ、全身性水腫が進行した際にみられます。臨床的には脛骨前面を指で押して圧痕(pitting)が残るかどうかで、水分主体の浮腫かリンパ浮腫かをおおまかに判別します。

分類主な原因成立機序(なぜ水が漏れるか)
全身性うっ血性心不全静脈系のうっ血で毛細血管圧が上昇し、水分が押し出される
全身性腎不全ナトリウムと水の排泄障害で体液量が過剰になる
全身性ネフローゼ症候群尿中への蛋白漏出→血中アルブミン低下→血漿膠質浸透圧の低下
全身性肝硬変肝でのアルブミン合成低下+門脈圧亢進(腹水を伴いやすい)
全身性低蛋白血症低栄養・吸収不良などで膠質浸透圧が保てない
局所性静脈還流障害血液がうっ滞して毛細血管圧が上がり水分がしみ出す(下肢静脈瘤・深部静脈血栓など)
局所性リンパ流障害リンパの流れが悪くなりリンパ液がたまる(腋窩リンパ節郭清後など)
局所性炎症炎症により血管透過性が亢進し、蛋白を含む水分が漏れ出す
水腫の定義と、全身性・局所性それぞれの原因の整理
水腫の定義と、全身性・局所性それぞれの原因の整理

心不全とネフローゼ症候群 — 浮腫の2大機序を比べる

国試で最も対比されるのが、心不全による浮腫ネフローゼ症候群による浮腫です。同じ「むくみ」でも、押し出す力が強くなったのか(心不全)引き戻す力が弱くなったのか(ネフローゼ)という点で機序がまったく異なります。

心不全による浮腫(うっ血が原因)

左心不全では肺うっ血から肺水腫を、右心不全では体循環のうっ血から下腿浮腫・肝腫大・腹水を生じます。重力の影響で、歩行可能な患者では下腿に、臥床患者では背部・仙骨部に強く出るのが特徴です。

ネフローゼ症候群による浮腫(低アルブミンが原因)

まとめると、「心不全=うっ血が原因」「ネフローゼ=低アルブミンが原因」。この一言をそのまま覚えるだけで、関連問題の多くが解けます。

比較項目心不全による浮腫ネフローゼ症候群による浮腫
根本原因うっ血(静脈圧上昇)尿中への蛋白漏出
崩れるバランス毛細血管圧の上昇(押し出す力↑)血漿膠質浸透圧の低下(引き戻す力↓)
血中アルブミン基本的に保たれる低下する
出やすい部位下腿・背部(重力依存性)、肺水腫顔面・眼瞼から始まり全身へ
キーワードうっ血・静脈圧上昇低アルブミン血症・高度蛋白尿
心不全(うっ血)とネフローゼ(低アルブミン)— 浮腫の2大機序
心不全(うっ血)とネフローゼ(低アルブミン)— 浮腫の2大機序

水腫の転帰と、対極にある脱水症

水腫の転帰は、原因が除去されれば改善するのが基本です。しかし長期に持続すると線維化・硬化を起こし、組織が硬く不可逆的に変化します(慢性リンパ浮腫における象皮病様変化が典型)。「むくみは早期に原因を絶てば戻るが、放置すると戻らなくなる」という点が国試で問われます。

一方、水腫と対極にあるのが脱水症です。脱水症は水分またはナトリウムの喪失によって発生し、重症化すると循環血液量の低下 → 血圧低下 → ショックという経路をたどります。ここで水腫の単元とショックの単元がひとつにつながります。

① 一次性脱水(水欠乏性脱水・高張性脱水)

② 二次性脱水(ナトリウム欠乏性脱水・低張性脱水)

比較項目一次性脱水(水欠乏)二次性脱水(Na欠乏)
別名高張性脱水低張性脱水
主な原因発汗・発熱・運動・水分摂取不足嘔吐・下痢・利尿薬の使用
失われるもの水分が主体水分+ナトリウム(Na喪失が優位)
体液の動き細胞内脱水が起こる細胞外液が減少する
口渇強い口渇がみられる口渇は軽度〜目立たない
循環への影響比較的保たれる血液濃縮・血圧低下を起こしやすい
重症化すると循環血液量低下 → 血圧低下 → ショック循環血液量低下 → 血圧低下 → ショック
水腫の転帰(改善/線維化・硬化)と、一次性・二次性脱水の比較
水腫の転帰(改善/線維化・硬化)と、一次性・二次性脱水の比較

血栓形成 — Virchowの三徴と血栓の種類・DIC

血栓とは、生体の血管内で血液成分が凝固してできた塊のことです。その形成には古典的なVirchow(ウィルヒョウ)の三徴があり、この3つがそろうと血栓ができやすいとされます。国試で単独に問われる超頻出項目です。

血栓の種類は成分と好発部位で3つに分けます。覚え方は「静脈は赤、動脈は白」。血流が遅い静脈では赤血球を巻き込んだ赤色血栓が、血流が速い動脈では血小板とフィブリンが主体の白色血栓ができます。

DIC(播種性血管内凝固)は、全身の細小血管に血栓(フィブリン血栓)ができる病態です。凝固因子が全身で活性化されて微小血栓が多発し、その結果として凝固因子と血小板が消費し尽くされ、血栓と出血が同時に起こるという一見矛盾した状態になります。主な原因は敗血症・悪性腫瘍・白血病・外傷・産科異常など。とくに腎臓が障害されやすく、腎不全に進行することもある点が問われます。

そして血栓の運命として、血栓が血管をつまらせると脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓症などの臓器障害を引き起こします。ここから次の「塞栓症」へ話がつながります。

血栓の種類主な成分好発部位性状代表的な帰結
赤色血栓赤血球が多い(+フィブリン)静脈に多いやわらかい下肢深部静脈血栓 → 肺塞栓症
白色血栓血小板+フィブリンが主体動脈に多い硬い心筋梗塞・脳梗塞
混合血栓赤色血栓+白色血栓動脈・静脈いずれも層状構造をとる大きな血栓として塞栓源になる
フィブリン血栓(微小血栓)フィブリン全身の細小血管微小・多発性DIC・腎不全・多臓器不全
血栓形成の3大要因=Virchowの三徴(血流停滞・血管内皮障害・凝固能亢進)
血栓形成の3大要因=Virchowの三徴(血流停滞・血管内皮障害・凝固能亢進)

血栓の種類とDICを図で確認する

血栓の3型とDICは、図で対比するとそのまま設問の選択肢になります。赤色血栓=静脈・赤血球主体・やわらかい白色血栓=動脈・血小板とフィブリン主体・硬い混合血栓=両者の混在。DICは局所ではなく「全身の細小血管」という点が決定的な違いです。

血栓の予防・治療の理解も三徴に戻ります。術後の早期離床や弾性ストッキングは①血流停滞への対策、抗血小板薬は②内皮障害後の白色血栓、抗凝固薬は③凝固能亢進による赤色血栓への対策、と機序で結びつけると混乱しません。

項目DIC(播種性血管内凝固)
定義全身の細小血管に血栓(フィブリン血栓)が多発する病態
主な原因敗血症・悪性腫瘍・白血病・外傷・産科異常 など
起こること凝固因子が活性化し、全身の細小血管にフィブリン血栓が形成される
障害されやすい臓器腎臓(腎不全に進行することもある)
同時に起こる病態凝固因子・血小板の消費による出血傾向
DIC=全身の細小血管に血栓ができる病態。腎障害を起こしやすい
DIC=全身の細小血管に血栓ができる病態。腎障害を起こしやすい

塞栓症 — 定義・塞栓の5種類・奇異性塞栓症

塞栓症(そくせんしょう)とは、血流に乗った異物が血管を閉塞する病態です。この「血流で運ばれる異物」そのものを塞栓(そくせん)と呼びます。血栓が「その場でできた塊」であるのに対し、塞栓は「流れてきて詰まった塊」であるという違いを、必ず区別してください。

流れは血流に乗った異物 → 血管閉塞 → 血流が途絶え、組織が障害されるという3段階。そして最も多いのは血栓由来の塞栓(血栓塞栓)です。

塞栓の5種類は原因物質でそのまま覚えます。「飛んで詰まるのが塞栓! 最多は血栓、骨折は脂肪、潜水病は空気、腫瘍は転移」という語呂で一気に押さえられます。

奇異性塞栓症は特殊な塞栓症です。通常、静脈でできた血栓は右心系を経て肺に詰まる(肺塞栓症)はずですが、心房中隔の卵円孔開存があると、静脈血栓が右心房から左心房へ抜けて動脈側(大循環)へ流れ込み、脳梗塞を起こします。卵円孔は胎児期に右心房と左心房の間にある穴で通常は出生後に閉じますが、閉じない場合(開存)には血栓が通ることがあります。若年者の脳梗塞の原因として重要です。

塞栓の種類原因・きっかけ主な行き先・結果
血栓塞栓最も多い。下肢深部静脈血栓が血流に乗る肺塞栓症の原因になる
腫瘍塞栓腫瘍細胞が血流に乗るがんの転移(血行性転移)を引き起こす
空気塞栓外傷・手術・潜水病(減圧症)空気が血管をふさぐ
脂肪塞栓長管骨骨折などで脂肪組織が損傷し脂肪が血流に乗る肺塞栓・脳塞栓の原因になる
骨髄塞栓骨折時に骨髄組織が血流に乗る脂肪塞栓と合併しやすい
奇異性塞栓静脈血栓が卵円孔開存を通り動脈側へ脳梗塞(若年者の脳梗塞の原因に)
塞栓の5種類 — 血栓・腫瘍・空気・脂肪・骨髄
塞栓の5種類 — 血栓・腫瘍・空気・脂肪・骨髄

塞栓症の転帰 — 梗塞・膿血症・転移形成

塞栓が詰まったあと、体で何が起こるか(転帰)は3パターンに整理できます。覚え方のコツは「塞栓が詰まる → 酸欠で壊れる! 細菌入りは感染! がん入りは転移!」です。

臨床像としては、脳動脈なら脳梗塞、冠動脈なら心筋梗塞、肺動脈なら肺塞栓症と、詰まる場所によって病名が変わるだけで機序は同一です。とくに大量の肺塞栓は右心不全と循環虚脱を招き、ショックから突然死に至ることもあります。

転帰のパターン塞栓の中身経過最終的に起こること
基本型血栓など血管閉塞 → 貧血(虚血)→ 梗塞組織の壊死(脳梗塞・心筋梗塞など)
感染型細菌などの病原体を含む病原体が全身に広がる膿血症(全身の感染症)
腫瘍型腫瘍細胞別の臓器へ運ばれる転移形成(がんの転移)
塞栓症の転帰 — 梗塞・壊死/膿血症/転移形成の3パターン
塞栓症の転帰 — 梗塞・壊死/膿血症/転移形成の3パターン

ショック — 定義・分類と代表的な4型

ショックとは、循環血液量の不足や血管拡張により血圧が低下した状態、すなわち循環不全のことです。日常語の「ショックを受けた」とはまったく別物である点に注意してください。

進行の流れは① 全身への血流が不足 → ② 組織の酸素不足 → ③ 臓器の機能低下 → ④ 多臓器障害へ進行という4段階。放置すれば不可逆となり、生命に直結します。

ショックの大分類は2つ。一次性(末梢性)ショック血液量減少・血管拡張が原因で、出血性・外傷性・熱傷性・細菌性・アナフィラキシーが含まれます。二次性(心原性)ショック心拍出量の低下が原因で、急性心筋梗塞などが代表です。「血液が減る・血管が広がる」vs「心臓がポンプできない」と対比して覚えます。

代表的な4型の機序は以下のとおりです。国試では原因とキーワードのセットで問われます。

ここで注目したいのは、細菌性ショックがDICを介して多臓器不全に至る点です。血栓の単元で学んだDICが、ショックの単元で再登場します。さらに脱水の重症化もショックに至るため、水腫・脱水・血栓・塞栓・ショックは1本の線でつながっているのです。

ショックの種類大分類原因中心となる機序(キーワード)
出血性ショック一次性(末梢性)大量出血循環血液量減少・組織低酸素・乳酸増加
外傷性ショック一次性(末梢性)重度外傷出血+疼痛・血管拡張
熱傷性ショック一次性(末梢性)広範囲熱傷血漿成分の喪失・血液濃縮
細菌性ショック一次性(末梢性)グラム陰性菌感染エンドトキシン → サイトカイン → DIC → 多臓器不全
アナフィラキシーショック一次性(末梢性)薬剤・血清などへのアレルギーヒスタミン放出 → 血管透過性亢進 → 急激な血圧低下
心原性ショック二次性(心原性)急性心筋梗塞など心拍出量の低下(ポンプ失調)
ショックの定義・一次性/二次性の分類・代表的4型の総まとめ
ショックの定義・一次性/二次性の分類・代表的4型の総まとめ

循環障害を1本の線でつなぐ総まとめ

最後に、この単元全体をひとつのストーリーとして復習しましょう。個別に覚えると膨大ですが、流れで捉えると驚くほど整理されます。

実技・臨床の場面でも、下肢の浮腫を訴える患者に強い圧痛や急な腫脹があれば深部静脈血栓症を疑い、施術(とくに下肢へのマッサージ)を控えて医療機関へつなぐ判断が必要です。知識が安全管理に直結するのがこの単元の実践的価値です。

キーワード一言でいうと
水腫組織間質への水分貯留
心不全の浮腫うっ血 → 浮腫
ネフローゼの浮腫アルブミン低下 → 浮腫
水腫の長期化線維化・硬化
一次性脱水水欠乏(強い口渇)
二次性脱水ナトリウム欠乏(血圧低下)
Virchowの三徴血流停滞・内皮障害・凝固亢進
赤色血栓/白色血栓静脈は赤、動脈は白
DIC全身の細小血管に血栓・腎障害
塞栓症飛んで詰まる(最多は血栓)
奇異性塞栓症卵円孔開存 → 脳梗塞
ショック循環不全による血圧低下
塞栓症の国家試験一発暗記まとめ — 定義・種類・奇異性・転帰
塞栓症の国家試験一発暗記まとめ — 定義・種類・奇異性・転帰
国試ポイント
① 【水腫の定義】水腫=組織間質に水分やリンパ液が異常に貯留した状態。全身性の原因はうっ血性心不全・腎不全・ネフローゼ症候群・肝硬変・低蛋白血症、局所性の原因は静脈還流障害・リンパ流障害・炎症。この振り分けがそのまま選択肢になる。
② 【浮腫の2大機序】心不全は「うっ血→毛細血管圧上昇」、ネフローゼは「尿中への蛋白漏出→血中アルブミン低下→血漿膠質浸透圧低下」。押し出す力が強いのか、引き戻す力が弱いのかで区別する。ここを逆にする引っかけが頻出。
③ 【水腫の転帰】原因が除去されれば改善するが、長期に持続すると線維化・硬化を起こす。「必ず可逆」と書かれた選択肢は誤り。
④ 【脱水症の2分類】一次性脱水=水欠乏(発汗・発熱・運動/細胞内脱水/強い口渇)、二次性脱水=ナトリウム欠乏(嘔吐・下痢・利尿薬/細胞外液減少/血液濃縮・血圧低下)。「強い口渇=一次性」が最大の識別点。重症化するとどちらも循環血液量低下→血圧低下→ショックに至る。
⑤ 【Virchowの三徴】血栓形成の3大要因は①血流停滞(血流速度低下)②血管内皮障害③血液凝固能亢進。人名とセットで問われる超頻出項目。
⑥ 【血栓の種類】赤色血栓=赤血球が多い・静脈に多い・やわらかい/白色血栓=血小板+フィブリン主体・動脈に多い・硬い/混合血栓=両者の混在。「静脈は赤、動脈は白」。動脈と静脈を入れ替える引っかけに注意。
・ 【DIC】播種性血管内凝固=全身の細小血管にフィブリン血栓ができる病態。原因は敗血症・悪性腫瘍・白血病・外傷・産科異常。とくに腎臓が障害されやすく腎不全に進行する。細菌性ショックの経過中にも出現する。
・ 【塞栓の種類】血栓塞栓が最多(下肢深部静脈血栓→肺塞栓症)。脂肪塞栓は長管骨骨折、空気塞栓は外傷・手術・潜水病(減圧症)、腫瘍塞栓は転移の原因、骨髄塞栓は骨折時で脂肪塞栓と合併しやすい。原因物質と病態のペアで暗記する。
・ 【奇異性塞栓症】静脈でできた血栓が卵円孔開存を通って動脈側(大循環)へ流れ込み、脳梗塞を起こす特殊な塞栓症。卵円孔は胎児期の右心房と左心房の間の穴で通常は出生後に閉じる。若年者の脳梗塞の原因として重要。
・ 【塞栓症の転帰】塞栓→血管閉塞→貧血(虚血)→梗塞・壊死が基本。病原体を含めば膿血症(全身の感染症)、腫瘍塞栓なら転移形成。「詰まる→酸欠で壊れる/細菌入りは感染/がん入りは転移」で覚える。
・ 【ショックの定義と分類】ショック=循環血液量の不足や血管拡張による血圧低下(循環不全)。一次性(末梢性)=血液量減少・血管拡張(出血性・外傷性・熱傷性・細菌性・アナフィラキシー)、二次性(心原性)=心拍出量低下(急性心筋梗塞など)。心原性を一次性に入れる誤答に注意。
・ 【代表的ショックのキーワード】出血性=血液喪失・乳酸増加/熱傷性=血漿喪失・血液濃縮/細菌性=グラム陰性菌のエンドトキシン→サイトカイン→DIC→多臓器不全/アナフィラキシー=ヒスタミン放出・血管透過性亢進。「細菌ならエンドトキシン、アレルギーならヒスタミン」の対比が頻出。
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