このページは病理学の「萎縮」だけを扱います(肥大・増殖・化生は別ページ)。萎縮とは一度完成した組織や臓器が小さくなることで、原因は①細胞数の減少と②細胞の縮小の2つ。ポイントは「数が減る」のか「小さくなる」のかを見極めることです。
| 読み方 | いしゅく(atrophy) |
|---|---|
| 定義 | 一度完成した組織や臓器が小さくなること |
| 原因(2つ) | ①細胞数の減少 ②細胞の縮小 |
| 分類 | 生理的萎縮(加齢や発育過程でみられる正常な萎縮)/病的萎縮(疾患や障害が原因で起こる異常な萎縮) |
| 細胞数減少の代表例 | 肝硬変、腎硬化症 |
| 細胞縮小の機序 | 老化・飢餓・不活動 → 細胞代謝低下 → 細胞が小さくなる → 臓器・組織が萎縮 |
| 特徴的所見 | 細胞内にリポフスチン(褐色色素)が蓄積 → 褐色萎縮(brown atrophy)。例)老人の心臓・老人の肝臓 |
| その他の萎縮 | 圧迫萎縮・神経性萎縮・内分泌性萎縮 |
| 国試での狙われ方 | 「数が減るか、小さくなるか」の区別、肝硬変=線維化+小型化、老化・飢餓=褐色萎縮=リポフスチン |
萎縮とは一度完成した組織や臓器が小さくなることです。「一度完成した」という点が重要で、そもそも十分に発育しなかった状態(低形成)とは区別されます。萎縮が起こる原因は次の2つに整理されます。
萎縮の例としては脳の萎縮(加齢)、筋肉の萎縮(不活動)が挙げられます。ポイントは「数が減る」か「小さくなる」かを見極めることです。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 生理的萎縮 | 加齢や発育過程でみられる正常な萎縮 |
| 病的萎縮 | 疾患や障害が原因で起こる異常な萎縮 |
細胞数が減るタイプの萎縮では、細胞死+再生不足から始まり、次の流れで臓器が硬く小さくなります。
覚え方のコツは「細胞が減れば臓器は小さく・硬く!」。国家試験頻出の流れです。
| 代表例 | 所見 |
|---|---|
| 肝硬変(代表例) | 実質細胞減少/線維化増加/肝臓縮小/表面が凸凹になる |
| 腎硬化症 | ネフロン減少/線維化増加/腎臓縮小/腎機能低下 |
細胞そのものが小さくなるタイプです。老化・飢餓・不活動などにより細胞代謝が低下し、細胞が小さくなって臓器・組織が萎縮します。
覚え方は「老・飢・不 → 小さくなる!」、そしてリポフスチンで褐色にです。
原因別に呼ばれる萎縮として、スライドでは次の3つが挙げられています。
| 種類 | 原因・内容 | 例 |
|---|---|---|
| 圧迫萎縮 | 腫瘍や動脈瘤などの圧迫により、組織が萎縮する | 腫瘍による圧迫 |
| 神経性萎縮 | 神経が切断されることで、支配される筋や組織が萎縮する | ― |
| 内分泌性萎縮 | 内分泌の異常により、標的臓器が萎縮する | シーハン症候群(産後下垂体壊死) |
試験直前に確認したい6項目です。
合言葉は「萎縮は数が減るか、小さくなるか! 老化なら褐色萎縮、肝硬変なら線維化!」