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意識障害の定義・程度分類・JCS・原因・鑑別・検査いしきしょうがい

意識障害とは、意識の明るさ=覚醒度の低下、または意識内容の障害によって、周囲への反応や認識が低下した状態をいいます。程度は傾眠→昏迷→半昏睡→昏睡の順に重症化し、評価にはJCS(Japan Coma Scale)GCS(Glasgow Coma Scale)を用います。国試では「原因が脳そのもの(一次性)か、全身疾患(二次性・全身性)か」を見分ける視点が繰り返し問われます。

意識障害|意識障害 1
読み方いしきしょうがい
定義覚醒度の低下、または意識内容の障害により、周囲への反応・認識が低下した状態
程度分類傾眠 → 昏迷 → 半昏睡 → 昏睡(右へいくほど重症)
評価スケールJCS(Japan Coma Scale/3-3-9度方式)・GCS(Glasgow Coma Scale)
意識を保つしくみ脳幹網様体賦活系+視床下部調節系+大脳皮質
主な原因一次性脳障害(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血・脳腫瘍・てんかん・髄膜炎など)/二次性脳障害・全身性障害(不整脈・ショック・低酸素血症・低血糖・肝性脳症・尿毒症など)
随伴症状呼びかけに反応しない・刺激しても覚醒しない・ぼーっとする/幻覚・錯乱・せん妄・もうろう状態
検査脳CT・MRI、血液検査・血液生化学検査、尿検査、心電図、胸部X線
治療原因疾患の治療+呼吸・循環管理、誤嚥性肺炎・褥瘡などの合併症予防

意識障害とは(定義と評価法)

意識障害とは、意識の明るさ(覚醒度)の低下、または意識内容の障害によって、周囲への反応や認識が低下した状態です。脳の機能障害 → 覚醒度の低下 → 反応・認識の低下、という流れで理解します。

評価には JCS(Japan Coma Scale)GCS(Glasgow Coma Scale) を用います。意識障害=覚醒度の低下+意識内容の障害と押さえましょう。

意識障害の定義・みられる状態・評価法(JCS/GCS)
意識障害の定義・みられる状態・評価法(JCS/GCS)

意識障害の程度分類(傾眠・昏迷・半昏睡・昏睡)

意識レベルの程度は、軽症から重症へ次の4段階で表現されます。国試では「どの刺激でどこまで覚醒するか」が判別のカギです。

程度状態重症度
傾眠放置すると眠るが、呼びかけで一時的に覚醒する軽症
昏迷強い刺激で開眼・払いのけ反応などを示すが、十分には覚醒しない
半昏睡自動的な体動や開眼以外は、刺激にほとんど反応しない
昏睡目を閉じたまま、外的刺激にも反応しない重症
傾眠→昏迷→半昏睡→昏睡の順に重症化する
傾眠→昏迷→半昏睡→昏睡の順に重症化する

JCS(3-3-9度方式)の覚え方

JCSは意識レベルを大きく3段階(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)に分け、それぞれを3つに細分して1・2・3/10・20・30/100・200・300の9段階で表します。

段階定義スコアと内容
刺激しないでも覚醒している1:意識清明とはいえない/2:見当識障害がある/3:自分の名前・生年月日が言えない
刺激すると覚醒する10:普通の呼びかけで容易に開眼/20:大きな声または体を揺さぶると開眼/30:痛み刺激で開眼、刺激をやめると眠る
刺激しても覚醒しない100:痛み刺激に払いのける動作/200:痛み刺激で手足を動かす・顔をしかめる/300:痛み刺激に反応しない
JCSは3-3-9度方式。不穏はR、尿失禁はI、無動性無言・失外套状態はAを付記する
JCSは3-3-9度方式。不穏はR、尿失禁はI、無動性無言・失外套状態はAを付記する

病態生理:意識はどこで保たれるか

意識は次の3つが適切に働くことで保たれます。

ここに異常が起こると、意識の清明度(覚醒度)や意識内容が変化します。原因は大きく一次性脳障害(脳そのものの病変:脳梗塞・脳出血・頭部外傷など)と、二次性脳障害・全身性障害(全身の異常が脳の働きに影響:低血糖・低酸素・肝不全・敗血症など)の2つに分けて考えます。

意識を保つしくみと、一次性/二次性の2大分類
意識を保つしくみと、一次性/二次性の2大分類

主な原因疾患(系統別分類)

原因は「脳そのもの」と「全身異常」に大別して覚えます。

分類系統代表的な原因疾患
一次性脳障害脳血管障害脳出血・脳梗塞・くも膜下出血・硬膜下血腫・硬膜外血腫
一次性脳障害腫瘍脳腫瘍
一次性脳障害発作性疾患てんかん
一次性脳障害炎症髄膜炎・脳炎
二次性・全身性循環障害による脳低酸素症不整脈・心筋梗塞・ショック・高血圧性脳症
二次性・全身性低酸素血症COPD・肺炎・重症貧血
二次性・全身性内分泌疾患低血糖性昏睡・糖尿病性昏睡・甲状腺クリーゼ
二次性・全身性代謝障害尿毒症・肝性脳症
一次性脳障害と二次性脳障害・全身性障害の原因疾患
一次性脳障害と二次性脳障害・全身性障害の原因疾患

臨床症状(随伴症状)

意識障害では、覚醒度の低下意識内容の変化の両方をみます。

高齢者では、せん妄が夜間に出現するなど変動性を示すことがあり、認知症との鑑別が問題になります。

覚醒度の低下と意識内容の変化(幻覚・錯乱・せん妄・もうろう)
覚醒度の低下と意識内容の変化(幻覚・錯乱・せん妄・もうろう)

検査と鑑別診断

検査の目的は原因疾患を絞り込むことです。「脳の病気か、全身の異常か」を見分けるのが鑑別のコツになります。

鑑別評価に使う検査想定される原因
一次性脳障害脳CT・MRI脳出血・脳梗塞・脳腫瘍など
二次性脳障害・全身性障害尿・血液・心電図・胸部X線低血糖・低酸素・感染・代謝異常など
画像検査+血液・尿・心電図・胸部X線で原因を探る
画像検査+血液・尿・心電図・胸部X線で原因を探る

治療と全身管理

治療は原因疾患に応じて行うのが原則です。

あわせて意識障害では次の全身管理・合併症予防が必要です。

流れとしては原因検索 → 原因治療 → 全身管理 → 合併症予防と覚えます。

原因疾患の治療+循環・呼吸管理+誤嚥・褥瘡予防
原因疾患の治療+循環・呼吸管理+誤嚥・褥瘡予防
国試ポイント
① 意識障害=覚醒度の低下、または意識内容の障害。両方をみるのが基本。
② 程度は傾眠・昏迷・半昏睡・昏睡の順に重症化する。
③ 評価はJCSとGCSが重要。JCSはⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段階、1・2・3/10・20・30/100・200・300の9段階。
④ JCS Ⅰ=刺激なしで覚醒、Ⅱ=刺激すると覚醒、Ⅲ=刺激しても覚醒しない。不穏はR、尿失禁はI、無動性無言・失外套状態はA。
⑤ 意識は脳幹網様体賦活系・視床下部調節系・大脳皮質で保たれる。
⑥ 一次性脳障害=脳血管障害・脳腫瘍・てんかん・髄膜炎など。二次性脳障害・全身性障害=低酸素・低血糖・尿毒症・肝性脳症など。
・ 検査は脳CT・MRI+血液検査・尿検査・心電図・胸部X線。脳の病気か全身の異常かの鑑別がカギ。
・ 治療は原因疾患の治療+呼吸・循環管理、誤嚥性肺炎・褥瘡の予防。
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