皮膚には触覚・痛覚・温度覚などを感じ取る5種類の感覚受容器があり、それぞれ担当する刺激が異なります。さらに皮膚の血管は体温調節に、毛・爪・汗腺・皮膚腺は保護や分泌に関わる重要な付属器官です。国試では「どの構造が何を感じ、何をするか」の組合せが繰り返し問われます。
| 読み方 | ひふ2(皮膚の感覚受容器・血管・付属器官) |
|---|---|
| 扱うテーマ | 皮膚感覚受容器5種・皮膚血管と体温調節・毛と爪・汗腺2種・脂腺と乳腺 |
| 感覚受容器の数 | 自由神経終末・マイスネル小体・パチニ小体・クラウゼ小体・ルフィニ小体の5種 |
| 汗腺の分類 | エクリン汗腺(全身)とアポクリン汗腺(腋窩・乳輪・外陰部)の2種 |
| 皮膚腺の分類 | 脂腺(皮脂分泌)と乳腺(乳汁分泌)の2種 |
| 国試での狙われ方 | 受容器と感じる刺激の組合せ、汗腺の分布と性質の対比、褥瘡好発部位、乳汁射出の機序(オキシトシン)などが頻出 |
皮膚は「感覚器」として、触られた感覚・押された感覚・振動・温かさ・冷たさ・痛みなどの刺激を感じ取ります。これらを受け取るのが皮膚にある感覚受容器で、国試では受容器名と感じる刺激の対応がよく問われます。
| 感覚受容器 | 感じる刺激 | 主な分布 |
|---|---|---|
| 自由神経終末 | 痛覚・温覚・冷覚 | 皮膚に広く分布 |
| マイスネル小体 | 触覚(軽い触覚) | 指先・手のひら・足の裏・唇など |
| パチニ小体 | 圧覚・振動覚 | 深部の真皮・皮下組織 |
| クラウゼ小体 | 冷覚 | 真皮の上層 |
| ルフィニ小体 | 温覚・皮膚の伸展 | 真皮の深部 |
皮膚には多数の毛細血管があり、血管の太さを変えることで熱放散を調節します。暑いときは血管が拡張して皮膚表面の血流が増え、熱が逃げやすくなります。寒いときは血管が収縮して血流が減り、熱が逃げにくくなります。
皮膚血流は酸素・栄養の運搬、老廃物の回収、皮膚の色、体温調節に関わる重要な役割を持ちます。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| ①圧迫 | 長時間の圧迫がかかる |
| ②血流低下 | 血液の流れが悪くなる |
| ③酸素・栄養不足 | 酸素や栄養が届かない |
| ④組織が傷む | 細胞がダメージを受ける |
| ⑤壊死 | 細胞が死んでしまう |
| ⑥褥瘡の発生 | 皮膚が壊れて傷になる |
褥瘡はいわゆる床ずれで、骨が出っ張っていて圧迫されやすい部位に多く発生します。
毛や爪は、どちらも表皮が変化してできた付属器官です。
| 部位 | 構造 | 役割 |
|---|---|---|
| 毛幹 | 皮膚表面に出ている部分(血管・神経なし) | 見える毛(髪・体毛) |
| 毛根 | 皮膚の中に埋まっている部分(毛包に収まる) | 毛を支える |
| 毛球 | 毛根の最深部の膨らんだ部分 | 毛を作る工場 |
| 毛乳頭 | 毛球の底の組織(血管豊富) | 酸素・栄養供給、毛の成長調節 |
| 毛母細胞 | 毛乳頭周囲の細胞 | 分裂して毛を作る(分裂→角化→上方へ移動→毛になる) |
| 立毛筋 | 毛包に付着する平滑筋 | 収縮すると鳥肌が立つ(交感神経興奮) |
| 部位 | 構造 | 役割 |
|---|---|---|
| 爪根 | 爪の根元部分(皮膚の中に埋まる) | 新しい爪を作る |
| 爪床 | 爪の下にある皮膚(毛細血管が豊富) | 栄養供給・ピンク色の原因 |
| 爪体 | 硬いケラチンでできた爪の部分 | 指先の保護・補助 |
| 爪半月 | 爪の根元の白い半月状の部分 | 角化不完全のため白く見える |
爪半月が白く見えるのは、まだ細胞の角化が完全でないため光が散乱し、下の毛細血管が透けて見えにくくなるためです。
汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
| 種類 | 分布 | 汗の性質 | 主な役割 | 体臭との関係 |
|---|---|---|---|---|
| エクリン汗腺 | 全身(特に手掌・足底に多い) | 水様性・無色・無臭 | 体温調節 | 体臭の原因にならない |
| アポクリン汗腺 | 腋窩・乳輪・外陰部など | 粘り気がある・タンパク質や脂質を含む | 主な役割は不明(フェロモンの可能性) | 細菌分解で体臭発生(腋臭症の原因) |
皮膚腺には「脂腺」と「乳腺」があります。