アフロの手アフロの手

切断者のアフターケア(社会復帰・職業選択・義肢の手入れとフォローアップ)せつだんしゃのあふたーけあ

切断者のアフターケアとは、義肢を作って終わりではなく、社会復帰・職業選択・義肢のメンテナンスを長期にわたって支援する取り組みです。国試では「下腿切断=膝関節が残るので予後良好」「大腿切断=歩行速度の調整が難しく座業向き」という対比が繰り返し狙われます。さらにソケットの毎日清拭・断端袋の毎日洗濯・3〜6か月ごとの定期チェック・2〜3年での修理や作り替えといった具体的な数字も頻出ポイントです。

切断者のアフターケア|切断者のアフターケア 1
読み方せつだんしゃのあふたーけあ
目的義肢装着後の社会復帰・職業復帰・日常生活の維持と、義肢の安全な長期使用
対象下腿切断者・大腿切断者・上肢(義手)装着者、小児から高齢者まで
下腿切断の特徴膝関節が残るため膝のコントロールが良く、歩行速度の調整・走行・重作業も可能で社会復帰しやすい
大腿切断の特徴膝の振り出し調整が難しく歩行速度が一定になりやすい。長時間立位・歩き回る仕事は不利で座業が向く
義肢の管理ソケットは毎日ぬるま湯で清拭、断端袋は毎日中性洗剤で洗濯、ゆるみ・ひび割れ・ネジの緩みを毎日点検
フォローアップ3〜6か月ごとに定期チェック。義肢は2〜3年で修理・作り替え。小児は成長のため年2〜3回の調整
国試での狙われ方下腿と大腿の予後・適職の対比、水泳時は義足を外す、家庭内では義足を使わないこともある、点検頻度の数値

下腿切断者のアフターケア(社会復帰しやすい)

下腿切断では膝関節が温存されるため、義足のコントロールが容易で、歩行能力が高く保たれます。そのため職業復帰の幅が広く、切断者のなかでももっとも社会復帰しやすいレベルです。

国試では「下腿切断=予後良好」「大腿切断=制限が多い」という対比で問われるので、まずこの軸を押さえます。

項目下腿切断大腿切断
膝関節温存される失われる(義足膝継手)
膝のコントロールしやすい振り出しの調整が難しい
歩行速度調整しやすい一定になりやすい
走行可能一般に困難
重作業・農業可能な場合がある不利
向く職業立位・移動を含む幅広い職種座業(デスクワーク)
社会復帰のしやすさ高い相対的に低い
下腿義足では膝関節が残るため走行も可能で、活動性の高い生活を送りやすい
下腿義足では膝関節が残るため走行も可能で、活動性の高い生活を送りやすい

大腿切断者のアフターケア(歩行の制限と職業選択)

大腿切断では膝関節を失うため、義足の膝継手で振り出しを制御することになり、歩行速度の調整が難しく一定速度になりやすいのが特徴です。エネルギー消費も大きく、長時間立位や歩き回る仕事は負担になります。

「義足を作ったら常に装着する」と思い込むのは誤りで、生活場面に合わせて移動手段を選ぶのが正しいアフターケアです。

生活場面大腿切断者での対応
屋外・通勤義足を装着して歩行。公共交通機関が難しい場合は別手段を検討
職場座業(デスクワーク)が適する。長時間立位は避ける
家庭内義足を使わないこともある。松葉杖での移動が実用的
高齢者車椅子の併用も有用
水泳基本は義足を外して行う
大腿切断では膝の振り出し調整が難しく、歩行速度が一定になりやすい
大腿切断では膝の振り出し調整が難しく、歩行速度が一定になりやすい

スポーツ・水泳での義足の扱い

活動範囲を広げるうえでスポーツ参加は重要ですが、水泳では基本的に義足を外して泳ぎます。通常の義足は防水構造ではなく、水分でソケットや部品が傷むためです。

水泳は基本的に義足を外して行い、外した義足はプールサイドで安全に管理する
水泳は基本的に義足を外して行い、外した義足はプールサイドで安全に管理する

義手装着者のアフターケア(目的に合わせた義手選択)

上肢切断では、使用目的に合わせて義手の種類を選ぶことがアフターケアの中心になります。片側切断であれば健側でADLの多くが可能なため、必ずしも高機能な義手が必要とは限りません。

「高機能な義手ほど良い」ではなく、本人の生活・職業・趣味に必要な機能で選ぶのが原則です。

種類別名主な目的向いている場面
装飾用義手化粧義手外観の補正片側切断でADLが健側で可能な場合
能動義手体動義手ハーネスとケーブルで手先具を開閉し把持する仕事・趣味で両手動作が必要な場合
装飾用義手と能動義手。両手動作が必要かどうかで選択が変わる
装飾用義手と能動義手。両手動作が必要かどうかで選択が変わる

義肢の日常管理(毎日の清掃と点検)

義肢は皮膚に直接接する装具であり、毎日の清掃と点検が断端の皮膚トラブルと事故を防ぎます。

部位・項目頻度方法・注意
ソケット内面毎日ぬるま湯でやさしく清拭し乾燥させる
断端袋毎日中性洗剤で洗濯し清潔なものに交換
継手・ネジ毎日ゆるみ・異音・ネジの緩みを確認
外装・支柱毎日ひび割れ・破損の有無を確認
断端の皮膚毎日発赤・傷・圧迫痕をチェック
ソケットは毎日清拭、断端袋は毎日洗濯、ゆるみ・ひび割れ・ネジの緩みを点検
ソケットは毎日清拭、断端袋は毎日洗濯、ゆるみ・ひび割れ・ネジの緩みを点検

定期フォローアップ(頻度と作り替えの目安)

義肢は作って終わりではなく、定期的なフォローアップが必須です。断端の形状は経過とともに変化し、義肢自体も消耗するためです。

定期フォローを継続することで、安全で快適な義肢使用と社会参加の維持につながります。

対象フォロー間隔目的
成人(定期チェック)3〜6か月ごと断端の状態・使用状況・破損の確認
義肢本体2〜3年修理または作り替え
小児年2〜3回成長に伴うサイズ・アライメント調整
3〜6か月ごとの定期チェック、2〜3年での作り替え、小児は年2〜3回の調整
3〜6か月ごとの定期チェック、2〜3年での作り替え、小児は年2〜3回の調整
国試ポイント
① 下腿切断は膝関節が残るため膝のコントロールが良く、歩行速度の調整・走行・農業などの重作業も可能で社会復帰しやすい。
② 大腿切断は膝の振り出し調整が難しく歩行速度が一定になりやすい。長時間立位や歩き回る仕事は不利で、座業(デスクワーク)が向く。
③ 大腿切断者は家庭内では義足を使わないこともあり、松葉杖や(高齢者では)車椅子を場面に応じて併用する。「常時装着」は誤り。
④ 水泳では基本的に義足を外して行う。小児では水泳用義足を製作することもある。
⑤ 義手は目的で選ぶ。片側切断ならADLは健側で可能で装飾用義手(化粧義手)で足りる場合もあり、両手動作が必要なら能動義手(体動義手)。
⑥ 義肢管理はソケットの毎日清拭(ぬるま湯)と断端袋の毎日洗濯(中性洗剤)。ゆるみ・ひび割れ・ネジの緩みを毎日点検する。
・ 定期フォローは3〜6か月ごと、義肢は2〜3年で修理・作り替え、小児は成長のため年2〜3回の調整。数値がそのまま出題される。
📖 切断者のアフターケアをスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習