原発性糸球体腎炎とは、腎臓の糸球体に炎症が起こる疾患の総称で、炎症により血液成分やたんぱくが尿中に漏れ出します。その代表例が急性糸球体腎炎で、A群溶血性連鎖球菌感染などの先行感染の後に発症し、血尿・たんぱく尿・浮腫・高血圧などが特徴的にみられます。本ページでは国試で頻出の急性糸球体腎炎を中心に、病態生理から診断・治療・予後までを整理します。
| 読み方 | げんぱつせいしきゅうたいじんえん |
|---|---|
| 代表疾患 | 急性糸球体腎炎(本ページで解説) |
| 原因 | A群溶血性連鎖球菌感染などの先行感染 |
| 好発年齢 | 3〜12歳(男:女=2:1で男児に多い) |
| 主症状 | 血尿(コーラ色尿)・たんぱく尿・浮腫・高血圧・乏尿 |
| 検査所見 | BUN・クレアチニン上昇、GFR低下、ASO高値、補体価(C3)低下 |
| 確定診断 | 腎生検 |
| 治療・予後 | 安静・保温・食事療法が基本。多くは3か月以内に完全寛解するが一部慢性化あり |
原発性糸球体腎炎は、腎臓の糸球体(毛細血管のかたまり)に炎症が起こる疾患です。糸球体に炎症が生じると、本来ろ過されないはずの血液成分やたんぱくが尿中に漏れ出してしまいます。
原発性糸球体腎炎にはいくつかの病型が含まれますが、本ページでは国試で特に頻出の急性糸球体腎炎を中心に、原因から治療・予後までを解説します。
急性糸球体腎炎は、A群溶血性連鎖球菌感染(溶連菌感染)などの先行感染をきっかけに発症することが多い疾患です。扁桃炎や咽頭炎などの感染後、体内で免疫反応が進み、糸球体に障害が起こります。
ポイント:A群溶血性連鎖球菌感染の後に免疫複合体が糸球体に沈着し、補体活性化と炎症により糸球体が障害されることで、血尿・蛋白尿・浮腫・高血圧を引き起こします。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ①感染(先行) | A群溶血性連鎖球菌感染(扁桃炎・咽頭炎など) |
| ②抗原抗体反応 | 免疫複合体が形成される |
| ③糸球体に沈着 | 免疫複合体が糸球体に沈着する |
| ④補体活性化・糸球体障害 | 補体(C3など)が活性化し、炎症細胞の浸潤・基底膜の障害・メサンギウム増殖などが起こる |
| ⑤臨床症状 | 血尿(コーラ色尿)・たんぱく尿・浮腫・高血圧が出現 |
急性糸球体腎炎は3〜12歳の小児に好発し、男女比は男:女=2:1で男児に多いとされます。近年は昔より発症は減少傾向にあります。
急性糸球体腎炎の代表的な症状は次の5つです。まとめて覚えておくと国試で役立ちます。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 血尿 | 尿が赤い・コーラ色になる |
| たんぱく尿 | 尿にたんぱくが出る(泡立つ)、+〜++程度 |
| 高血圧 | 血圧が高くなる(例:160/100mmHg) |
| 浮腫 | まぶたや顔、足などがむくむ |
| 乏尿 | 尿の量が少なくなる |
診断では、臨床症状に加えて尿検査・血液検査を行い、必要に応じて腎生検で確定診断します。
尿検査・血液検査・臨床症状を確認し、必要時は腎生検で確定します。
| 検査項目 | 所見 |
|---|---|
| 臨床症状 | むくみ・高血圧・乏尿・倦怠感など |
| 血尿 | 尿が赤い・コーラ色になる |
| たんぱく尿 | 尿にたんぱくが出る |
| BUN | 上昇する |
| クレアチニン | 上昇する |
| 糸球体濾過率(GFR) | 低下する |
| ASO | 溶連菌感染の指標となるASOが高値 |
| 補体価(C3など) | 低下する |
| 確定診断 | 腎生検で組織を調べて確定 |
治療の基本は安静と保温、食事療法です。必要に応じて薬物療法や抗菌薬を用います。
経過・予後については、以下のポイントが国試で問われます。