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咳・痰の原因・分類・随伴症状・検査せき・たん

咳(咳嗽)は、気道内の分泌物や異物を体外へ出すための防御反応であり、反射的に起こります。痰は気管支や肺胞から分泌される分泌物が主体で、そこに粘膜上皮・異物・血液成分が混じったものです。国試では咳中枢=延髄・求心路=迷走神経湿性咳嗽(痰あり)と乾性咳嗽(痰なし)の区別、そして血痰=肺癌・肺結核・肺塞栓の3点が繰り返し問われます。

咳・痰|咳・痰 1
読み方せき・たん(咳嗽=がいそう)
分類湿性咳嗽(痰を伴う)/乾性咳嗽(痰を伴わない)
咳の意義気道内の分泌物・異物を体外へ排出する防御反応(反射)
中枢と神経咳中枢=延髄/求心路=迷走神経
咳の機序吸気 → 声門閉鎖 → 強い呼気(呼吸筋:横隔膜・肋間筋)
主な原因外因性刺激・機械的刺激・呼吸器感染症・アレルギー性・閉塞性気道疾患・肺血管病変・悪性新生物
痰の性状感染なし=白色泡状で粘性低い/感染症=膿性で粘性高い/血痰=肺癌・肺結核・肺塞栓・心疾患
随伴症状発熱、胸痛、呼吸困難など
検査胸部X線、痰の細菌培養、細胞診、血液検査、胸部CT、気管支鏡、呼吸機能検査、ツベルクリン反応
治療原因疾患の治療が基本(抗菌薬・手術/抗癌薬/放射線・鎮咳薬・去痰薬)

咳とは? ― 気道の「ゴミ出し反射」

咳(咳嗽)は、気道内に入った分泌物や異物を体外へ出すための防御反応です。自分の意思で出すこともできますが、基本は気道への刺激に対する反射的な反応として起こります。

咳は気道内の分泌物・異物を体外へ出す防御反応
咳は気道内の分泌物・異物を体外へ出す防御反応

咳のしくみ(咳反射の経路)

咳の刺激は咽頭・気管・気管支・肺胞などに加わります。その刺激は迷走神経を通って延髄の咳中枢へ伝わり、そこから呼吸筋(横隔膜・肋間筋など)へ指令が出ます。

実際の咳は①吸気 → ②声門閉鎖 → ③強い呼気の順で起こり、閉じた声門が一気に開くことで空気が勢いよく押し出されて咳になります。国試では中枢=延髄/神経=迷走神経の組み合わせが頻出です。

段階内容
刺激部位咽頭・気管・気管支・肺胞など
求心路迷走神経
中枢延髄の咳中枢
遠心路・効果器呼吸筋(横隔膜・肋間筋など)
運動の順序吸気 → 声門閉鎖 → 強い呼気
刺激→迷走神経→延髄の咳中枢→呼吸筋。吸気→声門閉鎖→強い呼気
刺激→迷走神経→延髄の咳中枢→呼吸筋。吸気→声門閉鎖→強い呼気

咳の原因(7分類)

咳の原因は多岐にわたりますが、国試対策としては系統別の7分類で整理しておくと選択肢を切りやすくなります。喫煙などの外因性刺激から悪性腫瘍まで、幅広い病態が咳を起こします。

分類代表例
① 外因性の刺激タバコの煙、亜硫酸ガス、スモッグなど
② 機械的刺激気道内異物、気道内分泌物、後鼻漏、声帯ポリープ、口蓋垂下垂など
③ 呼吸器感染症急性喉頭炎、急性気管支炎、肺炎、胸膜炎、心膜炎など
④ アレルギー性気管支喘息、気道過敏、肺好酸球症など
⑤ 閉塞性気道疾患慢性気管支炎、慢性肺気腫、気管支拡張症など
⑥ 肺血管病変肺塞栓症、肺高血圧症など
⑦ 悪性新生物肺癌、喉頭癌、腫瘍による気道圧迫など
咳の原因7分類(外因性刺激〜悪性新生物)
咳の原因7分類(外因性刺激〜悪性新生物)

痰とは? ― 成分と性状による鑑別

痰は気管支や肺胞から分泌される分泌物(ムチンなど)が主体で、そこに粘膜上皮・異物・血液成分などが混じったものです。したがって痰の性状を見ることが、原因を推定する重要な手がかりになります。

とくに血痰は危険なサインで、悪性腫瘍や結核、肺塞栓症の鑑別が必要です。

痰の性状考えられる病態
白色・泡状、粘性が低い感染なし(気道分泌の亢進など)
膿性、粘性が高い肺炎などの呼吸器感染症
血液が混じる(血痰)肺癌、肺結核、肺塞栓症、心疾患など
痰の性状(白色泡状/膿性/血痰)から原因を推定する
痰の性状(白色泡状/膿性/血痰)から原因を推定する

咳の分類(湿性咳嗽と乾性咳嗽)

咳は痰の有無によって2つに分けます。この用語は国試の定番です。

「湿っている=痰あり」「乾いている=痰なし」とイメージで結び付けると混同しません。

湿性咳嗽=痰あり/乾性咳嗽=痰なし
湿性咳嗽=痰あり/乾性咳嗽=痰なし

随伴症状・検査・治療

咳・痰だけでなく、原因疾患によって発熱・胸痛・呼吸困難などを伴うことがあります。これらの随伴症状は原因疾患を絞り込むうえで重要です。

咳・痰の原因は呼吸器疾患が多いため、まずは呼吸器を調べます。主な検査は次のとおりです。

治療は原因疾患に対する治療が基本です。肺炎・気管支炎などの感染症には起炎菌に応じた抗菌薬、肺癌には外科手術・抗癌薬・放射線治療、咳が強く続く場合は鎮咳薬、痰が出しにくい場合は去痰薬を用います。

場面対応
肺炎・気管支炎などの感染症起炎菌に応じた抗菌薬
肺癌外科手術、抗癌薬、放射線治療など
咳が強く続く場合鎮咳薬
痰が出しにくい場合去痰薬
咳・痰の主な検査8項目
咳・痰の主な検査8項目
国試ポイント
① 咳は気道内の分泌物・異物を排出する防御反応。咳中枢は延髄にあり、咳反射には迷走神経が関与する。
② 咳の運動は「吸気 → 声門閉鎖 → 強い呼気」の順で起こる。順序を問う問題に注意。
③ 湿性咳嗽=痰を伴う咳、乾性咳嗽=痰を伴わない咳。用語の入れ替えに注意。
④ 感染症では膿性で粘性の高い痰、感染がなければ白色泡状で粘性の低い痰になりやすい。
⑤ 血痰は危険なサイン。肺癌・肺結核・肺塞栓症(+心疾患)を鑑別する。
⑥ 検査は胸部X線、痰の細菌培養・細胞診、血液検査、CT、気管支鏡、呼吸機能検査、ツベルクリン反応など。治療は原因疾患の治療が基本。
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