このページは、日本の医療保険制度を「体系」としてとらえ、諸外国の医療制度と比較するという切り口を担当します。療養費の支給要件や請求の実務は「療養費と医療費支給制度」、介護保険の給付区分や高齢社会の統計は「医療・介護制度と高齢社会」のページが扱います。ここでは国民皆保険・介護保険・後期高齢者医療制度・診療報酬という4つの柱と、アメリカとイギリスの対比、そしてあはき師の役割拡大と海外のあはき資格制度を押さえます。
| 読み方 | いりょうほけんせいどとかいがいせいど |
|---|---|
| 定義 | 国民が必要な医療を受けられるように、保険料と公費で医療費をまかなう社会保険の仕組みと、その国際比較 |
| 日本の基本原則 | 国民皆保険制度(だれでも必要な医療を受けられる) |
| 主な制度の柱 | 医療保険(国民皆保険)/介護保険制度/後期高齢者医療制度 |
| 医療機関への支払い | 診療報酬。提供したサービスを点数化して支払われる出来高中心の仕組み |
| 日本の特徴 | 世界から評価される高い保健医療水準 |
| アメリカの医療制度 | 民間保険が中心 |
| イギリスの医療制度 | NHS(National Health Service)による公的医療 |
| あはきとの関係 | 医療保険・介護保険の両方にまたがり、在宅リハビリマッサージ・介護予防・機能訓練で役割が拡大 |
| 海外のあはき制度 | 鍼灸・マッサージの資格・免許のあり方は国ごとに異なる |
| 国試での狙われ方 | 国民皆保険の理念/診療報酬が点数制であること/米=民間保険中心・英=NHSという対比/あはき師の役割拡大の場面 |
日本の医療制度の最大の特徴は国民皆保険制度です。スライドの言葉どおり、「だれでも必要な医療を受けられる」ことを目指した仕組みで、国民が公的医療保険のいずれかに加入し、保険料と公費で医療費をまかないます。
国試では、国民皆保険=日本の医療保障の原則という位置づけと、諸外国との対比でよく問われます。
医療保険とは別に、高齢期の生活と医療を支える制度として介護保険制度と後期高齢者医療制度があります。この2つは目的も給付の対象も異なるため、混同しないことが重要です。
介護保険制度は「高齢者の生活を支える」制度で、訪問介護・通所サービス・福祉用具・施設サービスなど、日常生活と自立支援に関わる給付を行います。あはき師が関わる在宅でのマッサージや機能訓練も、この介護保険の領域と接点を持ちます。
後期高齢者医療制度は「高齢者医療を支える大切な仕組み」で、一定年齢以上の高齢者を対象に、独立した医療保険制度として医療給付を行います。被保険者には後期高齢者医療被保険者証が交付されます。
※ 給付区分や自己負担割合などの細かな数値は改正が頻繁なため、最新の資料で確認してください(本ページのスライドには数値の記載はありません)。
| 制度 | 目的(スライドの表現) | 主な守備範囲 |
|---|---|---|
| 医療保険(国民皆保険) | だれでも必要な医療を受けられる | 傷病に対する医療の給付 |
| 介護保険制度 | 高齢者の生活を支える | 介護・生活支援・機能訓練など |
| 後期高齢者医療制度 | 高齢者医療を支える大切な仕組み | 一定年齢以上の高齢者の医療給付 |
医療機関が受け取るお金の流れが診療報酬です。スライドの副題どおり「サービスの点数で支払われる」のがポイントで、提供した診察・検査・処置などを点数に換算して合計し、その金額が保険から支払われます。
流れは次のとおりです。
患者は窓口で一部負担金を支払い、残りが保険から医療機関へ渡る――この「患者・医療機関・保険者」の三者構造が、日本の医療費の基本の流れです。あはき施術の療養費もこれと似た構造をとりますが、支給要件や請求方法は別ページ(療養費と医療費支給制度)で扱います。
スライドが明示するとおり、医療制度はアメリカとイギリスで大きく違うのが国際比較の基本です。日本の国民皆保険を真ん中に置くと、両者の位置づけが理解しやすくなります。
また日本は「高い保健医療水準」で世界から評価されるとスライドは強調しています。皆保険による受診しやすさが、この評価を支える背景として理解しておきましょう。
| 国 | 財源・方式 | 中心となる仕組み |
|---|---|---|
| 日本 | 公的医療保険(社会保険方式) | 国民皆保険制度 |
| アメリカ | 民間保険が中心 | 民間の医療保険 |
| イギリス | 公的医療 | NHS(National Health Service) |
医療保険・介護保険という2つの制度をまたいで、あはき師の役割は拡大しています。スライドは「あはきの役割が広がる」「介護予防と機能訓練」「あはきへの需要が高まる」という3枚で、この流れを示しています。
つまりあはき師は、制度の外にいるのではなく、医療保険・介護保険という公的制度の一部として位置づけられる職種であることを押さえてください。
医療制度そのものが国ごとに違うのと同じように、鍼灸・マッサージの資格や免許のあり方も国によって異なります。スライドの副題は「資格・免許は国ごとに違う」。
具体的な国名ごとの資格要件はスライドに記載がないため、本ページでは踏み込みません(記憶で補うと古い情報になりやすい領域です)。