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高齢社会とフレイルとは?高齢化の統計・疾病構造の変化とフレイル評価の国試ポイントこうれいしゃかいとふれいる

このページは高齢社会を表す統計(高齢化率・平均寿命・死因・医療費・要介護原因)と、フレイルという概念とその評価に絞って解説します。フレイル(虚弱)は「健康(自立)と要介護の中間の状態」で、体や心の働きが弱くなった状態を指しますが、生活の見直しで元気に戻れる可逆性があるのが最大の特徴です。介護予防プログラムやリハビリの実際、介護保険の給付や区分は別ページの担当です。

高齢社会とフレイル|高齢社会とフレイル 1
読み方こうれいしゃかいとふれいる
フレイルの定義健康(自立)と要介護の中間にある、体や心の働きが弱くなった状態(虚弱)
高齢化率とは総人口に占める65歳以上の割合。日本では上昇を続けている
フレイルの特徴生活の見直しで元気に戻れるチャンスがある(可逆的)
フレイルの評価ポイント体重減少/筋力低下/疲労感/歩行速度の低下/身体活動の低下
高齢者の主な死因悪性新生物(がん)・心疾患・老衰・脳血管疾患
要介護になる主な原因認知症・脳血管疾患・高齢による衰弱・骨折や転倒
高齢者医療費で多い分野循環器疾患(ほかに筋骨格系疾患、がん、泌尿・生殖器系の疾患、損傷・中毒)
関連する病態サルコペニア(筋肉量・筋力の低下)、ロコモティブシンドローム(移動機能の低下)
国試での狙われ方フレイル=可逆的・中間状態という定義、評価5項目、要介護原因と死因の順位の混同、サルコペニアとロコモの区別

超高齢社会が進む日本 ─ 高齢化率と平均寿命

日本の高齢化を語るときの基本指標が高齢化率です。これは総人口に占める65歳以上の割合を示し、スライドが示すとおり日本では一貫して上昇中です。同時に平均寿命も長く、これからもさらに伸びると見込まれており、「長寿」と「高齢化」が同時に進行しているのが日本の姿です。

この「長生きするが要介護の期間も生まれる」という構図が、後述するフレイル対策の出発点になります。

高齢化率(65歳以上の割合)の推移は上昇中
高齢化率(65歳以上の割合)の推移は上昇中

疾病構造の変化 ─ 感染症の時代から生活習慣病・慢性疾患の時代へ

高齢社会とともに、日本人がかかる病気の中身=疾病構造も大きく変わりました。かつては細菌・ウイルスによる感染症中心の時代でしたが、現在は生活習慣病・慢性疾患の時代です。

時代中心となる病気代表例
感染症中心の時代細菌・ウイルスによる感染症、発熱
生活習慣病・慢性疾患の時代高血圧、心疾患、糖尿病、がん
感染症中心から生活習慣病・慢性疾患へ
感染症中心から生活習慣病・慢性疾患へ

高齢者の主な死因と医療費の内訳

高齢者の主な死因として、スライドでは次の4つが挙げられています。それぞれの中身も押さえておきましょう。

死因内容
悪性新生物(がん)細胞が異常に増え、体のいろいろな部分に影響を及ぼす病気
心疾患心臓の働きが低下し、全身に影響を及ぼす病気
老衰加齢に伴い体の機能が低下していく自然な状態
脳血管疾患脳の血管が詰まったり破れたりして起こる病気
高齢者の主な死因(悪性新生物・心疾患・老衰・脳血管疾患)
高齢者の主な死因(悪性新生物・心疾患・老衰・脳血管疾患)

高齢者医療費は循環器疾患が多い

高齢者の医療費を疾患別にみると、循環器疾患が最も大きな割合を占めます。死因の順位とは別の観点なので、混同しないよう分けて覚えてください。

あはき師が関わる筋骨格系疾患も高齢者医療費の中で大きな位置を占めている点は、施術者として意識しておきたいところです。

高齢者医療費の内訳は循環器疾患が最多
高齢者医療費の内訳は循環器疾患が最多

要介護になる主な原因

「死因」と並んで狙われるのが要介護になる原因です。死因とは顔ぶれが違うことに注意しましょう。

原因ポイント
認知症記憶・判断の障害が進み、生活に介助が必要になる
脳血管疾患脳の血管障害による後遺症(麻痺など)が残る
高齢による衰弱加齢に伴う全身の機能低下。フレイルと密接に関係する
骨折・転倒転倒をきっかけに骨折し、そのまま寝たきりにつながりやすい
要介護になる主な原因(認知症・脳血管疾患・衰弱・骨折転倒)
要介護になる主な原因(認知症・脳血管疾患・衰弱・骨折転倒)

フレイルとは ─ 健康と要介護の中間、そして評価5項目

フレイル(虚弱)とは、健康(自立)と要介護の中間の状態を指します。健康な人は「元気に生活できる」、要介護の人は「介助が必要な状態」。その間にあるのがフレイルで、体や心の働きが弱くなる状態です。最大のポイントは、生活の見直しで元気に戻るチャンスがある=可逆的だということ。だからこそ「早めの気づきと対策」が強調されます。

フレイルを見きわめるための評価ポイントは5つです。

また、フレイルに関連する重要な病態が2つあります。

用語中心となる障害結果として起こること
サルコペニア筋肉量・筋力の低下転倒のリスク、日常生活の困難
ロコモティブシンドローム移動機能の低下(ひざ・股関節・足や脚の関節や筋肉の問題)立ち上がりや歩行が困難になる
フレイルは健康(自立)と要介護の中間の状態
フレイルは健康(自立)と要介護の中間の状態

サルコペニアとロコモのセルフチェック

サルコペニアは筋肉量・筋力の低下が起点となり、転倒のリスク日常生活の困難(買い物、階段の昇降など)につながります。対策はシンプルで、運動で筋肉をキープすることです。

ロコモティブシンドローム移動機能の低下に注目した概念で、ひざ・股関節・足や脚といった関節や筋肉を守ることが予防になります。かんたんなセルフチェックとして次の2つが紹介されています。

「予防は運動から」「毎日の一歩が未来を変える」——フレイル・サルコペニア・ロコモに共通する対策は、身体活動を落とさないことです。

ロコモは移動機能の低下。立ち上がりテスト・2ステップテストでチェック
ロコモは移動機能の低下。立ち上がりテスト・2ステップテストでチェック
国試ポイント
① フレイルは「健康(自立)と要介護の中間の状態」。可逆的で、生活の見直しにより元気に戻りうる点が定義の核心。
② フレイルの評価ポイントは5つ=体重減少・筋力低下・疲労感・歩行速度の低下・身体活動の低下。数と項目名をセットで覚える。
③ 高齢化率は「総人口に占める65歳以上の割合」。平均寿命・健康長寿と混同しないこと。
④ 高齢者の主な死因=悪性新生物(がん)・心疾患・老衰・脳血管疾患。要介護の主な原因=認知症・脳血管疾患・高齢による衰弱・骨折や転倒。両者は別物として問われる。
⑤ 高齢者医療費で最も多いのは循環器疾患。死因の順位と取り違えさせる引っかけに注意。
⑥ サルコペニア=筋肉量・筋力の低下、ロコモティブシンドローム=移動機能の低下。ロコモのチェックは立ち上がりテストと2ステップテスト。
・ 疾病構造は感染症中心の時代から生活習慣病・慢性疾患(高血圧・心疾患・糖尿病・がん)の時代へ変化した。
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